リミナルスペースっていいよね
リミナルスペースって知ってますか?
少し前にリミナルスペースを題材にしたホラーゲーム(地下の巨大プールを探索するやつ)が話題になりましたよね。
私もそんなに詳しいことは知らないんですが、リミナルスペースっていうのはもともと建築用語で、人を別の場所へ移動させる目的の空間、という意味があるらしいです。
確かに廊下や階段などの通路がよく題材にされてますね。プールが通路なのかは微妙ですが。
で、ここからが本題なんですが、リミナルスペースのどこに心を惹かれるのか? あの独特の不気味さの正体とは? っていう内容の話です。 (別にリミナルスペースに良さを感じないって人もいると思いますが、とりあえずここではそういう前提で……)
まずリミナルスペースの全ての作品に共通していえるのは、殺風景で広くて生き物がいない、ということです。
プールであれ廊下であれ、彷徨っている本人以外には植物でさえ出てきません。(中にはオバケが追いかけてくる作品もありますが)
森やクモなどが出てくる他のホラーと比べると、無機質さが際立ってますよね。
あのリミナルスペース独自の不気味さはこれが原因だと考えています。
しかしこれは魅力でもあるのです。
言い換えれば人間関係なんかに悩まなくて良い、ということですからね。
そういう欲求のある人が、リミナルスペースを見ると
なんだか良いな 行ってみたいな、と感じるのではないでしょうか。
ここで大事なのが、あくまで孤独感を感じることが目的であって、そこに恐怖はあってはいけない、ということです。
真っ暗だったり呪いのお札が貼ってあったりしたら、一人を楽しむどころではありません。
不気味ではありつつも、恐怖を感じるまでじゃない。
そこら辺がホラーとリミナルスペースの境目になってくるのではないでしょうか。(ですから個人的には、オバケなどが出てくる作品はリミナルスペースではないと思っています。でもbackroomsの臨場感や、あのバグを想起させるオバケのデザイン自体は大好きです)
加えて、清潔感がある、ということも特徴的です。
どの作品を見ても、ゴミが落ちてないどころか、シミ·カビすらありません。
これはさっきの生物が存在しない、ということにも繋がってきます。
どの生物の体にも不要な物を排出する機能がありますからね。
したがってリミナルスペースでは不衛生な(またはそう
感じられる)物は徹底的に排除されています。Jared Pikeさんの作品を見ると分かりやすいのではないでしょうか。
以上をまとめると、リミナルスペースとは『簡素で人工的な清潔感』を感じられる人が居ない空間、と言えるでしょう。
社会に絡まりながら、生きることを余儀なくされる現代。リミナルスペースは私達を、そんな日々の苦しみや喧騒から解放された……ような気分にしてくれます。
しかし残念ながらこの星には、誰の物でもない巨大空間なんて何処にも残っちゃいません。人工物となれば尚更です。
だからお金持ちの人!レジャー施設としてでもいいんで誰かリミナルスペース·ランドを作ってください!m(_ _)m
よろしくお願いします!
注意
この文章を書いたのは批評家気取りの素人です。
そもそもリミナルスペースの定義はされていないので、一概にどんな物かとかは言えません。
だからこの文章とは異なる作品も沢山あります。ご了承ください。(というか当てはまってる物の方が少ないと思います。許して)
最後に、まだリミナルスペースを見たことがないという人は、この機会に一度触れてみてはいかがでしょうか!