プロローグ
拙い文章、人物、状況情報など色々欠けていると思いますが、よろしくお願いします。
こんばんは。
俺はあーろん。M字ハゲがコンプレックスになりつつある34歳のガタイおっさん。わかる?彼女いないんだZE。一人暮らしで孤独死もありえる。やばいとは分かってるんだけど現実は無情なりぃぃぃ!!
そんな俺だが、悪役令嬢に関わる書籍を読み漁っては笑う日々が最近続いてるのだ。異世界系の悪役令嬢って面白くない?内政チートとか断罪回避のために前世知識フル動員とか、なろう系でわかりやすく題材をあげると
・自称悪役令嬢な婚約者の観察記録
・乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった・・・
・ティアムーン帝国物語
などなど。ほとんど漫画なんだけど面白い。小説も読みたいけどなかなか時間が取れないんだよなぁ。ブックマークしてるけど。
で、俺はそんな悪役令嬢に憧れているのかというとそうではない。その登場人物の男性のほとんどがイケメンイケメンイケメンで羨ましい!!俺もイケメン王子になって令嬢系ヒロインに壁ドンとか姫様抱っことかやりたいんだよ!HAHAHA!!
ふぅ。
休みが終わる。また仕事だ。さぁ寝るか・・・。
だが、あーろんに二度と次の日はやってこないのであった・・・。
◇◇◇◇
「ここは・・・。」
目が覚めると真っ白い空間にいた。
「はて?俺は確か部屋で寝ていたはず・・・。」
「やぁ。」
目の前に後光ちらつかせる人物が現れた。
「ん?誰だ?」
「僕は神様さ。」
神様を名乗る人物は後光があまりにも眩しく人影としか認識できなかった。
「何を言っているんだ?」
俺は思いきり怪訝な表情を見せた。
「自分の体を見てみなよ。」
言われた通りに体を見る。心なしか透けている。あれ?これは幽霊とかってやつでは?
「君は死んだんだよ。」
「なんだと!?デタラメ言うな!!」
俺が今、死んだらまずいんだ!!PCの中身を処分してねぇ!!わかるだろ!!エロだエロ!!って言うかまさか俺は孤独死か!?腐乱死体コースなのか!!そんな死に方あんまりだぁぁぁぁぁぁぁつ!!
「自業自得じゃないか。」
「!?心を読んだのか?」
「神だからね。」
「そうか。俺は死んだのか。色々、やり残したことがあるが、まぁいいか。」
「受け入れるのが早いね?」
「だってよ。俺を見ろよ。34歳のおっさんだぜ。現実はスッゲェ厳しいんだぜ。仕事めっちゃきついわ。なんなんだよ。ウイルスのせいで毎日マスクだぜ。M字ハゲだし。彼女いねーし。もう諦めに似た感情が入り混ざってるわ。」
「あはは。君のいた世界は今、ハードモードに突入しているからね。」
「って言うか神様ならなんとかできねぇのか?」
「僕は創造神様の配下だから勝手なことはできないさ。魂の管理だけ。」
何?創造神の配下?神様は何人もいるってことか?つまり上司と部下ってことか?そりゃ、勝手なことはできんわな。
「それに人間には様々な問題を解決するように作られている。君も努力すれば彼女は出来たはずさ。」
「そうかよ。で、俺はどうなる?天国に行けるのか?」
地獄に行くほどの罪は犯していないと断言できるが、虫を殺したことが罪になるとか言われたら嫌だな。
「天国も地獄もないよ。輪廻転生さ。」
「転生できるのか!?」
ワォ!!こんなに呆気なく転生できるのか?!異世界に行けたりするのか!?出来ることならイケメン王子に・・・。
「無理だね。君は徳を積んでいない。だから理想通りにはならないよ。」
って言うかさっきから心を読むなって。
「一日一善とかそういうやつ?いや、信心のほうか?無宗教なのがまずかったのか?世界は宗教が多く占めているもんな。」
「あぁ、人のためになることをしていないことだね。それが転生先に響くね。」
つまり良いことを積み重ねていけば、転生先はハッピーコースってわけか。そんな評価システムのようだ。残念ながら俺ははっきり言って、一日一善おろか他人と関わるのが面倒臭かった。だから評価としては低いだろうな。イケメン王子転生を夢見ていたが無理だったか。となれば転生先はまた貧しい家に生まれるとかか。なんだ。前世と変わらないじゃないか。問題はないな。
「君の場合、転生先の生まれはランダムだね。これが犯罪者だったらより過酷な環境に送っていたさ。」
あぁ、犯罪者は転生先が厳しいところに送られるのか。どんなところか想像つかないが、犯罪犯さなくて良かった。
「君は元のいた世界よりも異世界を希望しているようだね。」
「行けるのか?」
「うん。異世界を希望する人たちが増えているからね。」
あぁ、異世界なろう系の影響か?図らずも俺もそうなったわけか。元のいた世界の現実を知ってりゃ、異世界に望みを託すに決まってるわな。
「今、手配したげるよ。最後に言うことは一つ。徳を積みなさい。でなきゃまた早死にするよ。」
「そういうもんなの?」
「ただ記憶は消されるから覚えていないだろうけどね。では行ってらっしゃい。」
「ん?う、うぉぉぉぉぉーーーーーーー!!」
何かに引っ張られるかのように真っ白い空間から宇宙に飛び出していった。至る所に星々が見え、天の川が光り輝いていた。
「宇宙旅行ってかぁぁぁぁぁ!!そりゃ、死ぬ前に宇宙旅行したいとは思ってたけどよぉぉぉ!!ギャァァァァァツ!!」
バビュッとワープしているかのように宇宙を駆け抜いているので楽しむ暇がなかった。そして転生先の星に突入すると息つく暇もなく目の前が真っ暗になるのであった・・・。
◇◇◇◇
「うっ・・・。」
目が覚めてみると見慣れない天井があった。
「ここは・・・?」
なんだ?ベッドがやたらにふかふかだぞ?それに天井に幕が張られている?見たことあるぞ。天蓋ってやつだ。となれば天蓋付きベッド?俺はこんな趣味なんてない・・・。
「!!!?」
俺はハッと起き上がると急激に頭痛がした。
「頭が痛い・・・。」
「お嬢様、お目覚めになられたのですね!?」
ん?誰だこのおばさんは・・・いや、知らないはずなのに見覚えがある。確かメイドのバアヤだ。
「無理に動かしてはなりません。医者をお呼びします。」
そういうとバアヤはバタバタと部屋から出ていった。
「・・・え?」
俺は周りを見回すと豪華な装飾品が飾られて、絨毯も敷かれていた。確か一人暮らしで小汚い部屋にいたはずだ。それが何故高級ホテルかのような部屋にいる?
「・・・どう言うことだ?」
状況が飲み込めない。いかん。冷静になれ。俺は転生したのか?記憶は消されたはずなのに確かに俺だ。変なことを言うようだが、俺はあーろんで男だ。34歳のおっさんだ。お嬢様と呼ばれる風貌はして・・・。そこでハッと自らの体を見る。
「女になってるぅぅぅぅぅぅぅ!!い、いや、なんだ!?やたらに体が重い!!」
自分の体に重りをつけられたかのようにとにかく重い。嫌な予感がし、手近にあった手鏡を取り、顔の確認する。鏡に映った自分は一瞬、オークに見えた。わかる?異世界系によくいる豚の魔物のオークだ。その女性版が俺だ。
「デブすぎるだろぉぉぉぉぉ!!」
何これ!?ぽっちゃりや豊満で誤魔化せる範囲に収まりきらねぇくらいに太ってやがるぅぅぅぅ!?なんなんだよ!!このパジャマはネグリジェってやつか!?こんな体でネグリジェは気持ちが悪いだろ!!
「あと髪がやたらになげぇ!!」
髪の色が金色でやや興奮したが、とにかく長すぎる。立つと下手したら地面に届くのではないか?そんな長さだ。そんなに長くする理由って・・・。
「あれか!?髪を長くして小顔効果を引き出すってやつか!?」
いや、無理だろ!!ここまで太りゃ、誤魔化せねぇよ!!
手鏡に映った自分に憤るとバアヤと医者、そしてドレスを着飾り、すらっ見栄えの良い女性が入ってきた。
「(見覚えある。あの人は自分の母親に当たるはず。確かララトイア夫人・・・。)」
「大丈夫かね?」
医者が自分に近寄って顔を覗き込まれる。
「頭が痛いです。」
「君は階段から落ちて頭を打ったんだよ。」
その言葉で全てを悟った。悪役令嬢や記憶喪失などによくあるパターンで自分は頭を打ったことで前世の俺が目覚めたと言うわけか。
「自分の名前は言えるかね?」
「デヴィラネ・ララトイア。」
なんなんだよ!!この名前は!?やめろ!!読者たちに気づく人が気づいたら叩かれるやろ!!誤解しないでくれ!!あくまでもフィクション!!フィクション!!
医者の診察によってデヴィラネは頭痛があるものの健康体である診断が下され、問題ないと告げた。
「ありがとうございます。」
俺は普通にお礼を告げたつもりだが、後ろにいたバアヤとララトイア夫人が驚きの目で見られた。
「ではこれで。」
医者がお暇するとララトイア夫人が話しかけてくる。
「心配かけないでちょうだい。階段から落ちたと聞いた時は心臓が止まりかけたわよ。」
お、こっちの俺のかーちゃん、やっさしいじゃ・・・。
「あなたは殿下の婚約者。王妃になれるのよ。こんなつまらないことで死んでは行けないわ。」
あれ?なんか冷たい目してない?
「あなたが原因で私たちの家が取り潰しになったら恨むからね。」
ララトイア夫人はそう言い捨てて去っていった。
「・・・。」
え?あれが俺の母親?いや、それよりも殿下?婚約者?数数多の悪役令嬢の漫画を読んできたパターンからして嫌な予感がするし、神様はこう言ってた。徳を積まないと早死にする。・・・いや、そうと決まったわけじゃない。そうだ。バアヤがいることだ。情報収集だ。
「バアヤ。ちょっと聞きたいのだけれど。」
とりあえず人前ではお嬢様口調を頑張ろう。数数多の悪役令嬢の口調を学んできた俺だ。行ける行けるはずだ。
「はい。どんなことでございますか?」
「私に婚約者がいるとの話だけれど・・・。」
デヴィラネの記憶の相違をバアヤに確認してみるとわかってきたぞ。
ここはアルトメア王国。デヴィラネ・ララトイアこと俺はその国の貴族で一番上の公爵令嬢になるそうだ。ヒャッハー!!公爵!!つまり王に次ぐ権力を持ってるのだぁぁぁぁぁ!!と言いたいが、上手くは行かないようだ。
俺の父親であるラーゼン・ララトイアが病に伏せっており、公務もままならくララトイア家の財政状況が悪いようだ。その中で起死回生の一打となり得るアルトメア王国の王子殿下の婚約者である俺の肩にララトイア家がかかっているわけだ。と言うかララトイア夫人とデヴィラネの散財のせいだが。
しかし、アルトメア王国の王子殿下も何故、オークのような俺を婚約者としてきたのか、デヴィラネの記憶を探ったが分からなかった。おそらく親同士の取り決めだろうな。
「体の状態が良ければ明日からアルトメア学園に登校なさいますか?」
バアヤの提案に強烈に反応する。アルトメア学園!!俺はまた学校に通えるのか!!前世では学校で底辺の俺だったが、もうちょっと頑張れば・・・頑張れば・・・頑張れば・・・と思っているうちに卒業しちまった。馬鹿だよなぁ。だけどやり直せるなら勉強など、とりあらゆることを頑張りてぇ。
「デブィラネ様?」
「あ、ごめんなさい。考え事していました。明日からそのようにお願いします。」
またもバアヤが驚く。
「ど、どうなさいました?」
「いえ、ただびっくりして・・ホホホ。」
誤魔化すような笑顔を浮かべるバアヤ。いやいや、なんかあるよな?デヴィラネに。記憶を辿るのも疲れた。他人の記憶を調べるのはデータベースの照合しているようなもんだ。
「ちょっと疲れたので寝ます。」
「はい。お休みなさい・・・。」
こうして俺はデヴィラネとなり、明日からアルトメア学園に通うのであった。
最後までお読みくださり、ありがとうございます。この小説は話の進行に詰まっていますが、ブックマーク押していただければ、頑張って進めます。