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墓に添える花の名は  作者: ちゃんす/春鏡凪
死の部屋編
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問詰

俺は連に話しかけるために壁に向かってベットに座る。


連は外でも見ているのかとても静かだった。


零は悟ったのか黙って部屋の隅で体育座りをしていた。


『連、今ちょっといいか?』


『ん?何?』


いつもの穏やかな心地いい声だ。


『まずごめん。俺、お前との約束を果たせなかった。前のこと無かったかのように振る舞ってお前の余生をより良くできるように協力するって約束、、、。

俺、やっぱり気になって考えてみたんだ。お前がどうしてそこまではっきりと死期が分かるのか。

医者に聞いたって可能性も無くはないが、、、。

まずお前、医者がその判断するために必要なはずの検査をあんまり受けてないよな?そんな状態で医者が判断を下すなんて少しおかしい。』


『それがなんだって言うの?』


連の声は少し怒っているようにも聞こえた。


『つまり、俺はお前がその医者に殺されそうになってるんじゃないかってことだよ。』


すると連のため息が聞こえてきた。


『あのさ勝星、漫画読み過ぎなんじゃない?

そんなこと、現実で起こるわけないじゃないか。

この日本はどんな時でも見張られてる。

病院だって例外じゃない。

そんな中で病院で堂々と人を殺せる?どう考えたって無理だろう?

仮に僕を殺したとしても必ずバレる。

しかもここは大型病院。医者は一人じゃない。

僕を殺そうとしてるならすぐバレるだろう!?

それをどうやってくり抜けるんだよ!?』


『できるよ。連のことを他人と接するのが怖いと思ってる人とでも報告すれば他の医者にバレることはないし、見られることもない。そうなればカルテなんていくらでも偽造できる、、、これでもまだなにかあるか?』


『あるよ!!、、、あるよ、、、。ほら、、、。』


どんどん連の声が震えてきているのが分かる。


俺は息をついた。


連が何に必死になってるかは分からないが、、、ただこれだけは分かる。

連は何かを怖がってる。

自分が死ぬことよりももっと恐ろしいこと、、、。そんなの俺は持ってない。

てか俺は、死にたい派だからむしろ喜ぶかも、、、。


そういう面では俺は何も言えない立場だ。


だけど、だけど、、、。


『なぁ、連。話変わるけど、一つだけ聞かせてくれ。お前が何かを恐れて、そんなに必死になってるのはわかってる。』


『違う!違う!僕はただ守りたいだけなんだ!!勝手なこと、、、あ、、、。』


連がやってしまったと言うように息を飲む音が聞こえる。


『お前は俺なんかより全然賢いし、冷静だ。でもな、、、。』


連の声がさっきから随分はっきり聞こえる。相当壁によっているんだろう。


ならはっきり言ってやろう。俺が連に聞きたかったこと

それは、、、


『お前はちゃんと

悔いがなかったって言える人生を生きられたのかよ?』



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