表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
墓に添える花の名は  作者: ちゃんす/春鏡凪
死の部屋編
17/76

推測

あの日から連は本当に何も無かったかのように振る舞いだした。


俺も尽力すると言っただけにはできるだけ今までと同じ振る舞いを心がけた。


だが今までどうやって連に振る舞っていたか、どんな話題で話していたか、、、。俺はわからなくなることがあった。


『僕はもうちょっとで死ぬんだよ』


このところその言葉だけが俺の頭を駆け回っている。


病気じゃないのに死ぬ。


そんなことがありうるのだろうか?


ここは病院だ。


普通病気の人しか病院には入らない、いや、

入れないはずなんだ。


だとしたらどうして連は病院に入れたんだ?

精神の病って可能性もあるが、今まで話してた感じ違和感はあまりなかった。

第一ここは内科だ。そういう病気なら精神科に入るのが妥当だ。

しかも死にかけてるならもう少し隣の病室は騒がしいはずだ。

しかしそれもない。

ならどうして死ぬなんて断言できるんだ?


そういえば隣の部屋って死の部屋って呼ばれてたよな?


何でそんなことが起きてるんだ?


まさか死霊が多い部屋とか?


死霊が多いと確か人間は”死”にずりずりと引きずられるように弱っていくんだとか。


いや、それはない。

死霊は普通そんな簡単に地縛霊にならないからだ。

特に病院では発生しにくい。

病気でなくなった人は早くもそこから出たがるからかは知らないがほぼ全員が人についたりそのまま成仏する。だからそんな一部屋に固まる可能性はものすごく低い。


それに霊感がないって言っていた連がそれを見て判断するってのも不可能なはずだ。


霊が見えないのが嘘って可能性もあったが霊が見える人には霊も近づいてくるものなのに俺の周りの小さな霊は全く増えていない。


隣の部屋だったら多少壁を通り抜けて俺の方にも寄ってくるものだと思うがそういうことはないから嘘ではないんだろう。


てか、俺やっぱり何でこんな知識があるんだ?


昔、そんなこと教えてもらったっけ?


いや、あれは教えられたんじゃなくて、、、


本、そう昔読んだ本だよ!

すっごく分厚くて幽霊について無茶苦茶びっしり書いてあったあの本だよ!


何でそんなこと忘れてたんだ?


あの本なら零のこととかも書いてあるかもしれないのに!!


題名なんて言ったけ、、、。

忘れた。


いや。待て、今は連のことを考えるべきだろ!?


連が死期を知っている理由、、、。


本、、、。


そういえば連、本を最近読まなくなったよな。


零も前は読んで読んでとせがんでいたのに最近はせがまなくなった。


どうしてだ?そういえば連は零がせがまなくても本を声に出して読む癖があった。


だからこそ読んでいないと分かったのだが、、、。


声を聞くことでより深く本を読めるからできるだけそうしてるって言ってたのに、、、。


零は変なところで気を使うところがある。

連に何か気を使ってねだるのをやめたって可能性はないか?


連が言わないように言えば零は何も言わないだろうし、、、。


まさか、今声を長く出せないほど弱ってるってことか?


そんなことになっているのに医者は通常通りぽそうだし、、、。


待てよ?そういえば連、検査の度に病室出てたか?


そりゃ、たまに出ていたが、明らかに俺と比べて検査の回数が少なすぎる。


連は俺が検査から帰ってきていなかったことはほとんどないし、よく考えてみれば連がいなかった時も数えるほどしかない。


外に出られないほど弱っているならそれはおかしいんじゃないか?


そんなのまるで、、、まさか!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ