目暗し
俺が目を覚ますといつ帰ってきたのか零と連が壁の向こう側で話していた。
俺も会話に交じろうとするがなぜか声が出ない。
あれ、どうして?
それならば壁を叩いて零に気づいてもらおうと手を動かそうとするがそっちも全く動かない。
どうしてだ!?
俺は徐々に慌てだす。まさか病気が酷くなって、、、
目も見えなくなっているのか徐々に周りが見えなくなる。
俺はまだ死ねない!零を成仏させてやらなきゃいけないんだ!
零が成仏したらすぐそっちに行くから!
『来ちゃダメ、まだ早すぎる。』
無色な声が響き渡る。
え?
すると俺の前に光が現れる。人型のようにも見えるがフードを被っていてよくわからない。
『お願い、まだ来ないで。』
どうして他人のお前が俺を気にかけるんだ。俺は悪いがお前のことなんて知らない。
俺が思っていることを知ってか知らずかその光は俺を何も言わずギュッと抱きしめた。俺はなにが起きたのか分からなかったが光の腕らしきものが揺らいでいるのに気づいた。
どうしたんだ?急に抱きしめたと思ったら揺らぎだして、、、
『さぁ、戻って。君の居場所に。』
そう言って光は俺を闇の中にパッと離した。
え?ちょ?俺ベッドに寝てるはずなのにフワフワする。
どういうことか分からずバッと光を見上げるが光はもうかなり上にあるように感じた。
どういうことなんだよ、これは、、、。
光が何か言ってる
静かに落ちていく勝星は光が何を喋っているかは分からなかったがキラリとしたものがフードの中からこぼれ落ちてくるのを見れたのを最後にまた勝星は意識が闇の中に落ちていったのであった。