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紅桜
淡い紅の頬。
それはまるで散りゆく桜の生命のようで。
きみのその染められた頬には、春がある。
人は桜が好きだ。私も桜が好きだ。
だから、私はきみの桜も好きだ。その桜花のような顔、春の青空のような表情。
桜は儚い。春が過ぎ、季節が巡れば簡単に散ってしまう。
だけど人は、その散りゆく吹雪が好きだ。私も桜吹雪が好きだ。
だから、私はきみの散っていく春も好きだ。
きみの頬が紅桜で。きみの表情が青空で。
紅と青、対照的だけれど、青い空と春の桜はよく似合う。
つまりは、それが青春なのだ。