五月の風と黄昏の空
ジャンルは純文学に設定しておりますが実はコメディかも知れません。(笑)
暮れ泥む街はどこか寂しい。
瞻上げる陽は赫赤なれど瞰下ろす地は暗澹。
無機質な階段に響く虚ろな靴音。その金属音吹く風が嘲笑うように運び去っていく。
少し錆びた金属扉を開けた先は、貯水槽等の犇めく屋上。関係者以外が立ち入れぬようにフェンスがそれらを取り囲む。
別にそんなものになんて興味はないのに。
そこを抜ければそこそこの広さのある空間に出る。少しだけだが漸く解放された気分だ。
しかしそれでもその果てのには、ビルの際にはお約束のフェンスが立ち開かる。開かると書いて開かるとはいかにとも思うのだが、まあそんなツッコミもどうでもいいか。詼け気分も瞬く間に空へと消え失せる。
塞がる空間は鬱ぐ僕の心の投影なのであろうか。フェンスの先に広がる景色と拒絶された僕、それに理不尽を感じてしまうのはやはり僕の鬱屈なのであろう。
暫く虚無に浸ったところで靴を脱ぎ傍へと揃えた。
フェンスから覗く下界の街並が急激に霞み回転する。
私は即座に後ろへと身を引いた。
腰と両の掌に感じるコンクリートの硬さが僕を現実に戻していく。そう、僕は高所恐怖症だったのだ。
それでもと、やはりフェンスに手を掛ける私。
「……誰か引き留めてくれないかなぁ」
ついついこんなことを考えてしまう。
憂鬱さと本音の葛藤。
眩しい夕陽と五月の風。
そしてカラスの鳴き声が響く。
「……帰るか」
そして今日も一日が終わる。
以上、とある曲をイメージした二次創作でした。
一応は歌詞の引用はなく物語性も私のオリジナルですし著作権は問題ないですよね? 原典にないシーンやネタが結構ありますし。
なお、原典については勘弁です。それを表記すると知的財産権の問題が発生するらしいので。
本来はそれが二次創作における礼儀だと思うのですが、規約が二次創作を否定していますので二次創作を掲げておりますが一応はオリジナルってことで。(苦笑)




