夢見鳥は愛に沈む
『万が一にも貴女が――に夢を見ているのなら、そんなものは捨ててしまいなさい』
『そうすれば貴女はきっと幸せになれる。……えぇ。きっと、よ』
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ジュエリアル帝国第一皇女のキャロライナは、隣国サフィーラ王国の王太子との婚姻のため、サフィーラを訪れる。
しかし来国当日謁見した王に告げられたのは、王太子ジークフリードの訃報だった。
ジークフリードの死により新たな王太子と改めて婚約することになったキャロライナだが、待てど暮らせど「新たな王太子」が決まらない。
しかもジークフリードに次ぐ第二位王位継承権をもつ第二王子のアクアディオニスには、「あなたの夫になりたくない」とフラれてしまう。
どうやらアクアディオニスには幼い頃からの想い合う婚約者がいるらしい。
宙ぶらりんな己の立場や理不尽なアクアディオニスの言い分、不可解な王弟ヴィンセントの態度、慣れない異国での生活に戸惑いながらもキャロライナは己の使命を全うしようと奮闘するのだった。
※前作「夢のあと」の本編主人公の妹、キャロライナが主人公のお話です。
※前作未読でも支障はないはず、です。
※世界観・登場人物の設定は前作と同じですが、キャロライナ目線のお話なのでキャラクターの性格・印象が若干異なる場合もあります。