第5章: 失われて、そして見つかった者たち
目を見開き、荒い呼吸で目を覚ました。勢いよく起き上がり、あたりを見回す。見えるのは木々と自然だけだった。
何が起きたのか、全く分からなかった。
少しの間立ち止まり、記憶をたどる。すると思い出した。
「…俺たち、空に放り投げられて…そしてみんな落ちていった。ここって、隣の森か?」
意識がはっきりすると同時に、痛みが襲ってきた。
骨は折れていないようだったが、尻がこれまでにないほど痛んでいた。
苦労して立ち上がり、迷うことなく落ちていった方向へと歩き出した。
そこに高速道路があるはずだった。
「急げば、みんなと会えるかもしれない…いや、もしかしたら…もう…」
嫌な考えを振り払って、歩き続けた。
茂みの先に明るい光が見えたとき、そこが目的地だと確信した。
茂みをかき分けて進むと…その先には緩やかな下り坂が広がっていて、巨大な森へと続いていた。
目に映る限り、緑、緑、緑――。
「おかしい…あんなに吹っ飛ばされてないはずだ!高速道路のすぐ近くにいるはずなのに。ここは一体どこだよ…?」
パニックになり、振り返って走り出した。
どこへ向かっているのか分からなかった。ただ、その場から離れたかった。
怖かった。ひとりぼっちは嫌だった。
目を閉じたまま、木にぶつかったり転んだりする危険も顧みず、ただ走り続けた。
さっき目を覚ました場所を通り過ぎ、さらに走った。
――そして、ついに何かにぶつかった。
勢いよく地面に倒れ込む。
小さな悲鳴が聞こえ、続いて声がした。
「…ったく…」
その声は、聞き慣れたものだった。
目を開けて見ると、そこにいたのは――
「ラ…ラ、ラメセス!?」
驚きと安堵が入り混じった声で、そう叫んだ。
「…ジス!?いってぇ、めっちゃ強くぶつかったじゃん。なんでお前がここに?
――」そう言いながら、彼は額をさすった。
誰かに会えたことが嬉しすぎて、彼の言葉はほとんど耳に入らなかった。
俺は近づいて手を貸し、彼を立たせながら言った。
「さっき目が覚めたばっかり。高速道路に向かおうとしたけど…まるで別の世界にいるみたいだった。
…消えてるんだよ。あの道が。」
「は?高速道路が“消えた”って?お前、頭でも打ったんじゃねーの?」と、信じられないという表情で言った。
「信じないなら見に来いよ。そっちの方向に来てたなら、お前も探してたんだろ?すぐ分かるさ。」
「え、マジかよ…でも…どうなってんだこれ?」と、ラメセスは驚いたように言った。
そこは、さっき俺が見つけたあの場所だった。
俺は言った。「…言っただろ?」
「高速道路がこの辺にないってことは…どうすんだよ、これから?」と、彼は俺と同じくらい混乱している様子で尋ねた。
「俺たちがここにいるなら、他のみんなもどこかにいるはずだ。まずは全員と合流しよう。
それから一緒に高速道路を探せばいい。一人で無茶するのは危ない。」
「…だな。じゃあ、行こうぜ。早いほうがいい。この森…なんかヤバそうな感じする。」
こうして、俺たちの未知の森での旅が始まった。
さっきまで一人だったときは、まるで死にそうな気分だった。
でも今は――ラメセスが隣にいるだけで、不思議とその恐怖はほとんど消えていた。
「人が一緒にいるだけで、こんなに違うものか…」と、心の中で思いながら周囲を見渡した。
木々にはびっしりと苔が生えていて、地面から伸びる根っこまでもが緑に覆われていた。
たぶん、あの苔が俺の落下を和らげてくれたんだろう。
木々はとても高く、枝と葉があまりにも生い茂っていたため、太陽の光はほんの数本の筋しか差し込んでこなかった。
見渡す限り、花の一つも咲いておらず、目に入るのは暗い緑と茶色ばかりだった。
数分ほど歩いた後、ラメセスが何かにつまずいて地面に倒れ込んだ。
彼の痛みを一瞬忘れて、俺は彼を転ばせた物に目を向けた。
その瞬間、俺の目は宝石のように輝いた。
それは――車両に乗っていた兵士たちが背負っていたリュックだったのだ。
「当たりじゃん!
どけどけ、何が入ってるか見せろって!」
「俺は無事です、ありがとうって言えよな…」と、彼は皮肉っぽく言いながら横にどいた。
俺は無視してリュックに近づき、中身を一つ一つ取り出し始めた。
中には短剣が三本、小さなスコップが二つ、長く伸ばせるスコップが二つ、ブランケットが三枚、マッチの箱が二つ、浄水フィルター付きの水筒が二本、そして裁縫キットが入っていた。
「こんな状況じゃ、全部めっちゃ役に立つだろ。必要なもんばっかだ。」と、興奮しながら言った。
「…ほんとかよ?」と、ラメセスは半信半疑で返した。
「なんで疑うんだよ?全部使えるもんばっかじゃん。」
「いや、でもさ、ここでキャンプでもするつもり?覚えてる?皆を見つけたらすぐに出てくんだろ?
そんなデカいリュック背負って歩くのは無駄だって。」と彼は説明した。
「じゃあ、今日中に見つけられなかったら?ここで何が起きるかわからないんだぞ。備えは大事だろ。」
「好きにしろ、ネグリート。でもその重いのはお前が持てよな。」
俺は笑いながら荷物をリュックに戻した。
でも実は、その呼び方には少しだけムッとしていた。ラメセスのことは友達だと思っていたが、昔はそうじゃなかったし、彼の冗談のセンスは俺にとって時々きつすぎた。
「久しぶりにその呼び方聞いたわ。ちょっと心配してたとこだった。」と皮肉混じりに言った。
「…さ、行こうぜ。」そう言って、俺はリュックを背負い、また歩き出した。
「重い?」と、歩きながらラメセスが尋ねた。
「そんなに重くないよ。大丈夫。」と俺は答えた。
俺たちはできるだけ寄り道を避けて、まっすぐに歩いた。
もし日が沈むまでに森を出られなかったり、仲間全員と合流できなかった場合は、最初の場所に戻って野営する予定だった。
幸いなことに、ラメセスは森でのキャンプに慣れていた。
どんな食べ物が食べられるかや、色んな役立つテクニックも知っていた。
…ただ、その知識を使うような状況にはならないことを願った。
俺たちは一時間歩き続けたが、誰にも会わなかった。
少しずつ、不安が募ってきた。
しかし、それから二時間後…
「今の聞こえた?」と俺は言った。
「何も聞こえなかったけど?」と彼は返した。
「水に飛び込んだような音がした。」
「よく聞いてみて。」
俺たちは足を止め、呼吸を落ち着けた。
数秒後、ラメセスが言った。
「…お前が言ってる音はわかんないけど…声が聞こえる。」
「どっちの方向?」と、俺は興奮して尋ねた。
彼は顔を右に向けた。そこは枝や茂みだらけの道だった。
俺たちはため息をついてから、その声の方向へ向かって歩き出した。
やがて俺にもその声がはっきりと聞こえてきた。
進むのは大変だった。俺が先頭に立って進んだ。
最後の枝や茂みをかき分けたとき――
久しく見ていなかったほどの光が目に飛び込んできて、俺は思わず目を覆って閉じた。
ゆっくり目を開けると、そこには俺と同じ年頃の子供が二人いた。
そのうちの一人は、首まで透き通った池に浸かっていて、もう一人はその池の縁に座っていた。
――デイビッドとマルコスだった。
お気に入りに追加することを忘れないでください!