第2章: 夜の旅
前回のものより短めですが、気に入っていただけると嬉しいです。
体育館へ向かう途中、ダビドが口を開いた。
「…この状況、どう思う?」
「怖くない?」
「俺はただ、安全でいたいだけだよ」アルバロが答えた。
「ここにいなきゃいけないなら、十年でもいるさ。…怖いに決まってるだろ」
「ビビりかよ」ラムセスが茶化すように笑い、それから少し真面目な声で言った。
「俺は違う。今の時代、武器も技術もすごいんだし、あんな妙な化け物が何十体か出てきたって、どうにかなるって」
「でも、あの隕石についてたガスもあるだろ」俺が口を挟んだ。
「もし隕石がもっと落ちてきたら、俺たち全員に影響が出るかもしれない」
「縁起でもないこと言うなよ」ラムが俺の肩を軽く押した。
「ってことは、やっぱり怖いんじゃん」ダビドが笑いながら言った。
そのとき、アルバロが突然ピタリと立ち止まった。
「…今、何か聞こえなかった?」
「何を?」
「静かに」俺は唇に指を当てて、合図した。
耳を澄ますと、遠くから…何かが響いていた。
「…何かを叩くような音だ」俺は小さく呟いた。
その言葉に、俺たち四人の目が合った。
アルバロは今にも泣き出しそうな声で言った。
「まさか…あの大きな門の方からだよね…?」
ダビドがごくりと唾を飲み込み、言った。
「行ってみようぜ」
俺たちは一瞬視線を交わしたが、結局全員がうなずいた。アルバロでさえも。
門へ近づくにつれて、月明かりに照らされた巨大で暗い、筋肉の塊のような影が、フェンスの向こうに見えてきた。
その影は、無言でフェンスを叩き続けていた。
アルバロは一歩下がり、足をもつれて転んだ。顔には恐怖がはっきりと浮かんでいた。
俺の目も驚きで見開かれ、体が動かなかった。
「ギス、先生たちに知らせた方がいい」
ダビドが、じっとその化け物を見つめたまま言った。
俺は無理やり視線を逸らしてうなずいた。ラムセスを見ると、彼も固まっていた。
そしてアルバロ。
「…行こう。職員室だ」
俺はそう言って、振り返らずに走り出した。みんながついてきているかどうか、確認する余裕なんてなかった。
建物の入り口に入るとすぐに、小学校の教務主任と、彼の後ろには同じクラスの生徒たちが見えた。僕たちがあまりにも動揺しているのを見て、彼はすぐに近づいてきて、何があったのか尋ねた。
「正門が…」デイビッドは息を切らしながら言い始めた。「巨大な化け物が壁を叩いてるんだ。このままだと壊れちゃうよ。」
彼の眉が困惑で上がった。言葉をよく聞いてから、彼も慌てて叫んだ。「またか!?囲まれてるぞ。」
「囲まれてるってどういうことだよ!」アルバロはほとんど気を失いそうになりながら叫んだ。
「正門にもう一体いるんだ。」教務主任のペドロ先生が説明した。「警察には連絡済みだ。すぐに軍隊も来るはずだ。君たちは寝る時間だ。起きているべきじゃない。」
僕たちは言うことを聞いて、寮に戻った。でも、夜はほとんど眠れなかった。僕だけじゃなかった。
翌朝は体が許す限り早く起きた。デイビッドがバスケットコートに行ってサッカーをしようと提案した。特にすることもなかったから、僕は賛成した。僕たちは最初に着かなかった。高校生たちがコートのほとんどを占めていたから、僕たちは端っこで自分たちのゲームをした。
終わったのは9時近くで、すぐに寮に戻った。道すがら、パブロ、マルコス、ディエゴ、そしてアルバロに会った。
「どこから来たんだ?」アルバロが尋ねた。
「サッカー場からだよ。高校生がいっぱいだった。」デイビッドが答えた。
「じゃあ、後で行こう。」マルコスが言った。「また後でね。」
戻ると、みんなもう起きていた。噂は広まっていたので、僕たちは昨晩の出来事で自分たちの役割について話し合った。少し話を盛ってね。
あの夜の出来事を除けば、その日の残りはとても静かだった。静かすぎて退屈だった。
先生たちは何も言わず、ただ昼食時に私たちを集めるだけだった。
状況を分析して、これからどう動くか最善の計画を立てる時間が必要だと分かっていた。だから文句はなかった。でもみんなはそうじゃなかった。
「うわー、まだ2日も経ってないのにもう退屈で死にそうだよ」
アウラルが芝生に座りながら言った。
「まあ、そんなの1週間も続かないだろ」
隣のラムセスが返した。
「きっとこれからは違うよね?まだちゃんと考える時間がなかっただけで、もう少ししたら何か出てくるはずだ」
マルコスが続けた。
「それな」
ダビドがうなずいた。「それに、こんな状態は長く続かないと思う。」
「大丈夫、ジス?すごく黙ってるけど。昨日もそうだったよ」
ラムセスが身を乗り出して聞いた。
「…うん、ただ考え事してただけ。もうすぐ夕食の時間だし、行こう」
立ち上がると、みんなもついてきて、寮に戻った。
「あとは呼ばれるのを待つだけだな」
ダビドがベッドから言った。
「外で何か情報あった?」
ラムセスがベッドから尋ねた。
「学校は多分何も教えてくれないよ。落ち着くまでね。だからしばらくは、みんなと一緒にいる時間を楽しもう」
そう答えた。
「俺は文句ないな」
ダビドが笑った。「ただ、長引かなければだけど。」
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