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第1章 変異

第1章、気に入っていただけると嬉しいです!

これは、世界が今のようになった経緯の物語だ。

僕はまだ11歳の子どもだった、すべてが始まったときは。


すべては、小学六年生の初め、9月のことだった。


教室に着くと、最初に見えたのは友達のデイビッドだった。

彼は、2年前にこの学校に来たときに最初に話しかけてくれた人気者だった。

僕は挨拶をして、夏休みの話をした。

学校はすでに一週間始まっていたけれど、夏の出来事はまだ話題の中心だった。


数分後、担任の先生がやってきた。

30代半ばの男性で、見た目は年齢より若々しかった。

彼は学校の合唱団の指揮者で、僕たちのクラスの担任は今年で2年目だった。


「おはよう、みんな。」

先生が言った。


「おはようございます!」

僕たち全員が答えた。


「今年は小学校最後の年だから、これから朝の時間の過ごし方について、ひとつ考えがある。

9時半までに来た人には、毎日9時から9時半まで黒板に映画を映そうと思う。

みんなで見るんだ。何か最初に見る映画のリクエストはあるか?」


リクエストが次々と出てきた。

ほとんどは当時人気のあったSF映画だった。


そのとき、突然大きな轟音が教室を揺らした。

轟音のあとには、しばらく続く揺れが続いた。


教室の全員が驚きと恐怖、そして困惑の表情を浮かべていた。

これは一体何なのか?

何が起きているのか?



揺れが少し収まると、先生は静かにするように頼んだ。

ただ、先生もあまり落ち着いているようには見えなかった。


一瞬驚いた表情を見せてから、ポケットに手を入れて携帯を取り出した。

スペインの携帯所有者全員に届いているという警告メッセージだった。

ニュースを確認するようにとの内容だった。


担任のラウル先生は憤りを感じながらプロジェクターをつけ、ニュースチャンネルを映した。


「たった今、スペイン各地で15個の隕石が落下したとのことだ。

カスティーリャ・ラ・マンチャに5個、アンダルシアに3個、カタルーニャに2個、

カスティーリャ・イ・レオンに4個、そしてマドリードに1個だ。

さらに世界中の各地でも同時に隕石の落下が報告されている。

これらの隕石の表面からは未知のガスが放出されている。

現時点での犠牲者はゼロだが、建物には大きな被害が出ている。

スペイン国民は外出しないように。繰り返す、外出禁止だ。」


映像が切り替わり、地面に突き刺さった隕石の映像が映し出された。

表面はごつごつしていて、カビのような緑色の煙が立ち上っている。

おそらくドローンで撮影された映像で、視点が変わり、数十メートル離れた場所で

消防士や警察、医療関係者たちが車両とともに警戒している様子が映った。


「ほかの先生たちとも話してくる。」

ラウル先生が立ち上がり言った。

「教室からは出ないように。」


先生が教室を出ると、みんなは今どうすればいいか、

そして自分たちには決める権利がないことを知りつつも議論を始めた。


数分後、担任の先生が戻ってきてこう告げた。


「学校に留まる。そういうことだ。

とりあえず火災時の避難プロトコルに従って、念のため教室を出る。

古い校舎の建物が揺れで崩れるかもしれないからな。」


みんな恐怖で言葉を失いながらも、疑うことなく従い、

ゆっくりと教室を出始めた。



教室を出たばかりのとき、また空から大きな轟音が響き、地面が激しく揺れた。

前よりも激しい揺れに、人々は次々と倒れた。


隣の教室の一つが崩壊し、まだ逃げ切れていなかった数人が巻き込まれた。

地震の揺れの中でも、僕たちの視線は崩れた教室に釘付けだった。

中に残された子どもたち……命を失ったのだ。


聞こえてくるのは悲鳴ばかりだった。

恐怖や絶望、助けを求める声……ありとあらゆる叫び。


小学六年生の担任たちが全員そこにいた。

揺れがようやく収まりかける中、彼らは叫びながらも冷静さを保とうと必死で、

秩序を維持しようとした。

だが、彼らにできることは限られていた。

彼ら自身も状況を理解できていなかったのだ。


数分後、揺れが完全に止むと、僕たちはより広い場所へ移動した。

そこで30分ほど待ち、救急車とともに当局が学校に到着した。


医療チームは僕たちの様子を確認し、警察は崩壊した教室を調べて生存者を探していた。


その沈黙を破ったのは、クラスメイトのマルコスだった。


「これって……信じられないよな。」


「このあとどうなるんだ?」

別の友達、パブロ・ホルティが聞いた。


「早く家に帰りたい……」

恐怖で震えながら言ったのはアルバロだった。


ゆっくりと、でも確実に、クラスの全員が会話に参加し始めた。

恐怖が言葉ににじみ出ていた。


みんな同じことを言っていた。

家に帰りたい、何が起きているのか知りたい、守ってほしい、親に会いたい……

その願いは、その時には叶わないものだった。


その頃には、他の学年の先生たちもその場に集まっていて、警察と話をしていた。

みんなの顔には深刻な表情が浮かんでいた。



状況は少し落ち着いてきていて、先生たちは精神的に強いショックを受けている生徒たちを

少しでも落ち着かせようと話しかけていた。

「大丈夫だよ」「もう怖くないよ」と優しく声をかけていた。


僕たちはあの場所に座って、一時間以上待たされた。

そしてついに、警察と医療チームが戻ってきた。


結果は――崩れた教室にいた子たちは全員死亡。

生存者はゼロだった。

犠牲者は十二人。


その知らせを聞いたとき、まだ不安や恐怖で落ち着いていなかった子たちは

完全に打ちのめされた。


しばらくして、僕たちは昼食をとることになった。

食堂には言葉にできないほど重い沈黙が広がっていた。

中学生たちを除いて、誰も口を開かなかった。


食事中、校舎の近くの空に、緑色のガスがゆっくりと上昇していくのが見えた。

それに気づいた瞬間、みんなが食べるのをやめて、ただそれを見つめていた。


食後、僕たちは講堂に連れていかれ、そこで再びニュースが上映された。

今回の報道は、さっきのよりもはるかに恐ろしいものだった。


「本日、カスティーリャ・ラ・マンチャに落下した隕石のひとつに、研究チームが接近しました。

しかし、ガスに触れた瞬間、彼らの体に異変が起きました。

全身がけいれんを起こし、肌は黒く変色。

その後、肉体が完全に変異し、巨大化したのです。」


──画面にその研究者たちの映像が映し出された。

もう彼らは人間ではなかった。


濃い青色の怪物――身長およそ三メートル、

不自然なほど筋肉が発達し、頭部は形が崩れ、

口には猛獣のような鋭い歯が並んでいた。


次に流れた映像では、その怪物たちが残りの研究チームに襲いかかっていた。

そして、映像はその瞬間で止まった。


ニュースキャスターが画面に戻り、説明を続けた。


「その事件の後、別のチームが防護装備を整えて再度調査を行い、

隕石の一部の採取に成功しました。

現在その物質は分析中です。

隕石は、太陽系のガス惑星の衛星の一つから来た可能性があり、

その表面はガンマ線や紫外線の影響を受けていると見られています。」


「この隕石が放出する物質には、仮の名前がつけられました。

『CoR7gam』と呼ばれています。

すべての市民は、次の指示があるまで建物の中に留まるようお願いします。」



その日の残りは、朝よりもずっと混乱していた。

スペイン全土で、あの奇妙な化け物に変異した人が七十人を超えたという知らせが届いた。

そのうち二十人はマドリードでの変異だった。

しかも、その多くは隕石の落下地点から一キロ以上離れていた人々だった。


彼らは突然暴れ出し、周囲の市民たちを襲った。

そして、わずか数時間のうちにスペイン国内の死者数は五百人を超えた。


この状況を受けて、当局と政府はもはや慎重に動いている余裕もなく、

迅速かつ多少強引に対応せざるを得なかった。


家にいる者は外に出てはならず、

店やレストランにいた者たちは、警察か軍の護衛を受けて家まで送り届けられることに。

ホテルに宿泊していた人は、しばらくそのまま滞在することとなった。


そして、僕たちのように学校にいた学生は、

次の指示があるまで、校舎内で共同生活を送ることになった。


この知らせに安心する者もいた。

「学校は囲いもあるし、安全だ」と思ったのだろう。

けれど、そうでない者も多く、再び不安に駆られ、「親に会いたい」と泣き出す子もいた。


日が暮れる前には、校内の準備はほぼ整い、

避難用のグループ分けも完了していた。


幸運なことに、僕の通っていた学校はマドリードの中でも大きく、

生徒を泊めるには十分すぎるほどの設備があった。


僕が割り当てられたのは、普段は課外のチェス授業に使われていた教室だった。

その部屋は、校舎の正面入口のすぐ近くにあった。


そこには六つのグループがいて、それぞれ別々のクラスの生徒たちで構成されていた。

僕のグループには、仲のいい三人の友だち――

ダビド、マルコス、そしてラムセスがいた。


「ほかのグループも、みんなこんなふうに友だち同士で組まれてんのかな?」

とマルコスが二段ベッドの下から聞いた。


「どういう意味?」

ラムセスが上の段から声をかけた。


「ほら、俺ら四人とも仲良いじゃん。」

とダビドが言った。


「まあ、そうだろうね。今の時点でわざわざ問題起きそうな組み方するわけないし。」

僕がそう言うと、みんなうなずいた。


「家に帰れるのかなあ…」

マルコスが、横になったままつぶやいた。


「二日以内には帰れるに決まってんじゃん!」

ダビドは少し元気づけるように言った。


その後、僕たちは夕食を食べに食堂へ向かった。



顔のない、巨大で黒い化け物たちに追いかけられていた。

終わりの見えない閉ざされた廊下を走っているのに、いくら走っても出口が見つからない。

やつらとの距離はどんどん縮まっていき、ついに追いつかれそうになったその時——


目を覚ました。


まだベッドの上だった。息が荒く、顔は汗でびっしょりだった。

夢の意味を考えながら上体を起こすと、ダビッドがベッドの上で天井を見つめていた。


「ダビッド?」


「ん?」


「なんかあった?」


「悪い夢を見たんだ。」と、彼は体を起こして言った。

「学校のクロスカントリー大会で、アーロンとアルメンドロに負ける夢。思い出すだけで寒気がする…」


「なんだよそれ。」


「学校の中、ちょっと歩かない? どうせもう眠れないし。」

そう言われてうなずき、俺たちは支度をして外に出た。

まず近くのエリアから回って、今は宿泊所として使われている職業訓練棟まで来た。

ちょうどそこを通り過ぎようとした時、ギィッとドアが軋む音がして、二人の生徒が中から出てきた。俺たちのクラスメートだった。


「何してんの?」

眼鏡をかけて少しぽっちゃりした背の低い少年、ラムセスが聞いてきた。


「眠れなくて散歩してたんだ。」と俺が答えると、


「じゃあ、うちらも同じだな。」と、アルバロが階段を下りながら言った。

「一緒に行く?」


「ぜひお願いします。」とダビッドが懇願するように言った。

「ギスと二人きりだと、絶対アニメの話始めるんだもん。」


——その瞬間、俺は遠慮なく彼にパンチを食らわせた。



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