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序章 走るのは好きか?

 走るのは、好きか?

 俺は、走るのが好きだ。

 俺は、走るのが好きだった。

 2年前の6月まで、走るのが好きだった。


 2年前の6月まで、男子陸上部の選手だった。

 今は、女子陸上部のマネージャーをしている。


 走ろうと思えば走れないことはない。

 でも、みんなと一緒に走ろうとすると、2年前のあの事件が脳裏にちらつくんだ。

 その事件を語る勇気は、俺にはまだ備わっていない。


 選手をやめてマネージャーになった理由は、今はまだ話せない。

 時期が来たら話そうと思う。

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