バカと言う名の危険人 プロファイル5 ー適切な温度管理ー
今回は大手企業A社から冷凍弁当の製造委託を受けているX社のお話。
X社のコウブリ社長はA社からX社管理のために来ている、いわゆる天下り社長ってやつなの。
ある日、X社の冷凍弁当を保管する冷凍庫の温度が2度上昇してしまったの。
普段は-30度で管理されている物が、-28度に上昇しちゃったの!
その話を聞いたコウブリ社長は、『そのような危険なものをお客様へ提供するわけにはいかない!』と言い、全て破棄するように指示を出したわ。
現場からは、『夏場なら-28度へ上昇することはありうることなんだけど・・・全て破棄してしまうの?』『次回の納品に間に合わない』などと不満の声があったわ。
しかし、一部の従業員から『冷凍庫を覗いている不審者を見た』と報告があったためコウブリ社長は『全て破棄しろ』と命令したの。
だから、従業員たちは安全衛生管理のため、冷凍庫にあった全ての冷凍弁当を破棄して、残業をして新しい冷凍弁当を作ってA社に納品したの。
数日後、また冷凍庫のドアが開けっ放しになっているのを従業員が発見したわ。コウブリ社長は『全ての冷凍弁当を破棄しろ!』とまた社長命令を出したの。
でもね、破棄した冷凍弁当をコウブリ社長が保冷バッグに入れて持ち帰っている姿を見ている人がいたの!!!
従業員たちの間で『どういうことだ!』って話になって、コウブリ社長に直談判したんだけど、コウブリ社長は『障害者が言っていることだろう!』って激高し始めたの!
従業員たちも怒りを抑えられなかったけど、天下り社長の言うことを聞いていなきゃ仕事がなくなってしまうって、仕方なく社長命令に従い、全ての冷凍弁当を破棄したわ。
そして、完璧な温度管理のもと冷凍弁当を保管し、冷凍庫の扉を開けっ放しにしないように管理を徹底したの。
そしたらなんと!コウブリ社長の娘が現れて、冷凍庫を漁り冷凍弁当を持ち帰っている姿が目撃されたの。
コウブリ社長の娘が、大きな保冷バッグを両手に抱えて冷凍弁当を詰め込み持ち帰ったって。
従業員はそのことを副社長に報告して、コウブリ社長の娘が勝手に入り込んだエリアにある食材や冷凍弁当を全て破棄し、新しく仕入れた食材を使って冷凍弁当を作り直したの。
そして、副社長指揮のもと、コウブリ社長には報告をしないことにしたの。
だって、親子して泥棒のようなことをしていたんですもの!
ある日、A社から『食品ロスがあまりにも多い、管理体制はどうなっているのか』とコウブリ社長のもとに連絡が来たの。
だからコウブリ社長は副社長に状況の報告を求めたわ。
そうしたら副社長は『A社には私が責任をもって報告します』と言い、A社へ『コウブリ社長が破棄した冷凍弁当を保冷バッグに入れて持ち帰っていたこと、コウブリ社長の娘が調理エリアに無断で立入冷凍庫を漁っていたため、全ての食品を破棄し新しく仕入れた食材を使って冷凍弁当を作り直したこと』をありのままに報告したの。
そして、X社は副社長指導の下、完璧な管理体制で冷凍弁当の製造と保管をし、社長がいなくとも問題ないことを全従業員一致団結して証明したの。
コウブリ社長はX社就任後、1年も経たずして退任が決定したわ。
娘のアサリは、隣近所や友人に冷凍弁当を『うちの父が社長をやってて!』『ちょっと温度管理を間違えて溶けちゃったみたいなんだけど』『問題ないから』『よかったら食べて』なんて言いながら配り歩いていたらしいわ。