星の光のようにいつまでも
数百年があっという間なんて……わたしには想像もつかない。ホントに、テオにとってはそうなのか、それとも……わたしに、大丈夫だよって言いたくて、あっという間だなんて言っているのか……。わからないけれど。
だけど。
わたしは、いつか悲しみは薄れていって、幸せだったことだけが残るってことを信じたい。
ううん、信じるだけじゃなくて……、テオに、そう思ってもらえるように、頑張りたい。
わたしは、考えながら、夜空を見る。
満天の星。流れる星。
あの星たちの光は、何年も前の輝き。それが今ようやくわたしの目に映っている。
星に願う。
過去に輝いた光に、掛ける願い。
叶うか叶わないかはともかく。星に祈るような願いを、リステリア、お前は持っているのかい?
オババ様の……魔女の、問いかけ。
長生きを願わないわけではない。
いつまでもいつまでも、テオと一緒に生きたい。
それは確かにそう思う。
だけど、それよりも、わたしは……。
どうか、どうか、わたしが先に死んだあと、テオが悲しみませんように。
ううん、それは無理だとしても……わたしと過ごした時間が、これから共に過ごすときが、いつまでもテオを照らしますように。
テオが、死ぬその時。わたしはそばに居なくても。わたしの想いだけは、テオに届いていますように。
ねえ、テオ。
永遠の愛というものがあるのなら、わたしはその愛になりたい。
ずっとずっといつまでも、あなたをわたしの愛が包んでいますように。
この身が滅びてしまった後も。ずっと。
「思い出して、くれる?」
震える声で、テオに言う。
テオはにっかりと笑って「うん」と返事をくれた。
「わたしはあの星々みたいに……、死んだ後も、ずっとテオに光を届けるわ。それから……死ぬまでの五十年か六十年か七十年か……百年は生きないと思うけど、そのくらいの短い時間だけど、短くても、千年分っていうくらいに、わたし、テオと、一緒に生きる。短い一生でも、永遠って思えるくらいの大きな愛を、テオと一緒に育んでいきたい」
どうかどうかと願い続ける。
わたしが死んだ後もずっと。
優しいあなたの未来に、星の光のように、わたしの心が、どうかいつまでも届きますように。
わたしはそれだけいうと、テオにそっと抱き着いた。
「リステリア……」
テオが、顔を寄せてきた。わたしはそっと目を閉じる。唇に触れる温かな温度。
このまま時が止まってしまえばいいな、と。そんなことをわたしは思った。
それからしばらく経って。領地も次第に復興してきて、お腹いっぱいにご飯が食べられるようになった頃、わたしはテオと結婚式を挙げた。
お読みいただきまして、ありがとうございました。
次、もしくは次の次くらいでこのお話も完結です。最後までお付き合いいただければ嬉しいです。




