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【完結】婚約破棄された被災令嬢はドラゴンに永遠の愛を誓う  作者: 藍銅 紅(らんどう こう)@『前向き令嬢』2巻 電子書籍2月配信


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よく寝ています

大粒の雨が激しい音を立てて窓ガラスを叩く。

その雨音で、わたしは目を覚ました。

看病とまでは行かないが、倒れたオババ様の様子を見ているつもりで、そのままわたしはソファで眠ってしまったようだ。目だけで暗い部屋の中の様子をうかがいつつ、ソファから身を起こす。すっかり体が固まってしまっている。少しだけ伸びをしてから、わたしは音をたてないようにそっと立ち上がった。オババ様が眠っているベッドに近づいていく。オババ様の呼吸は、規則正しい。お医者様ではないからわからないけれど、きっと魔力を使い果たして眠っているだけ、なのだろう。多分。テオもそう言っていたし。

そのテオは、オババ様と同じベッドの隅っこで、体を縮めて眠っていた。すうすうという寝息が聞こえてくる。


(テオが眠っているのなら……多分大丈夫……よね)


わたしはそのまま窓へと近づいていく。そして、少しだけカーテンを捲って窓の外を見る。

外は暗い。既に風は強く、雨が狂ったように窓ガラスを叩く。

オババ様の予言の通り、これから嵐が降り続くのだろう。


テオとオババ様に作ってもらったため池やナーハン川の支流が無ければきっと、また領地内のあちらこちらで水があふれていたに違いない。


わたしは音をたてないようにして、そっとこの客間から出て行った。

暗い廊下を歩く。自分の部屋に戻るのではなく……、お父様の執務室へ向かう。


予想通り、お父様の執務室からは明かりが漏れていた。


「お父様……」


扉から声をかければ、お父様は執務机に突っ伏して眠っていた。


お父様の肩をそっと揺する。


「ああ……、リステリア……」


お父さんがぼんやりした目で私を見上げた。


「きちんとベッドで眠ってください。体を壊します」

「ああ、わかっている。またこんな大雨だ。領地内のあちらこちらから、川が氾濫しただのなんだのと連絡が入ると思ってな……」

「連絡はないようですね」

「ああ。魔女殿とドラゴン殿のおかげなのだな。二人は大丈夫なのか?」

「ええ……。よく眠っています」

「そうか……」


オババ様が倒れた後、妖精さんたちの手を借りて、テオの背にオババ様を乗せて、わたしの屋敷まで運んだ。


お父様は事情を説明するや否や、オババ様を一番広い客間に運ばせた。

わたしとテオも、その部屋に一緒に入り、今の今までオババ様の様子を見ていたのだけれど……。


「リステリアもご苦労だった。とりあえず、食料をどうするかはともかく、嵐による被害など、今回はなさそうだ。ありがたいことだな」

「ええ。オババ様がお目覚めになられたらお礼をしなければ……」

「そうだな。しかし、その前に、お前も疲れているだろう?今日はもうゆっくり休みなさい」

「はい、わかりました。お父様もですよ?」


わたしは一旦自室に戻り、毛布を手にして、そのまままた、オババ様が寝ている客間に戻った。テオもオババ様も、さっきの通り、よく寝ている。わたしも、ソファに横になる。毛布を掛けて、目を瞑るとすぐにまた眠りに落ちてしまった。



お読みいただきましてありがとうございます!

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