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選ばれたのは私でした  作者: 秘翠 ミツキ


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3

王太子妃候補達の部屋は、離宮に用意されていた。


それにしても流石だ。屋敷とは比べ物にならないくらい、広い。これは慣れるまでは、迷子になってもおかしくない。


城の侍女に案内された部屋に入ると、意外にも簡素な部屋だった。


「なんか、思ってたのと全然違うんだけど。つまらない部屋」


まだ城の侍女がいるにも関わらず、エルヴィーラは失礼な発言をする。


「エルヴィーラ様のお荷物は、先程そちらに運ばせて頂いております。何かお困りの事がございましたら、離宮の渡り廊下の手前の部屋までお越し下さいますよう、お願い致します」


そう言って侍女は下がって行った。因みにアレクシアの部屋は、この部屋の続き部屋だ。同じ部屋ではない事に安堵するが、喜べたものではない。



その後、アレクシアは荷解きを始める。その間エルヴィーラは、暇そうにベッドでゴロゴロしていた。その姿に、内心ため息を吐く。


エルヴィーラは昔から変わらない。自分で出来る事は自分ですればいいのにと思う。全てを使用人や両親、アレクシアに丸投げしてきた。


だから妹は、何一つ自分ではする事が出来ない。無論貴族令嬢としての教育は受けてきたので、令嬢としての事柄ならそれなりにはこなせる。


あくまで、それなりにだが。


エルヴィーラの性質上、兎に角我慢が出来ない。故に嫌いな事はやりたがらなかった。両親もエルヴィーラを溺愛しているので「仕方がないわ」で済ませていた。


その結果、エルヴィーラは勉学などはまるで出来ない。無論本など全く読まない。故に中身が空っぽに育った。


これまでは誤魔化すのだけは上手いから、周りも騙されていたみたいだけど……妃教育なんて受けたら直ぐにボロがでるわ。


それに妃教育など、絶対厳しく大変に決まっている。この妹が我慢出来るとは到底思えない。半年ももつかどうか……。


ひと月もしたら、泣き言を言い出すに違いない。



「ねぇ、まだ終わらないわけ?」


「もう少しで終わりますので、お待ち下さい」


「全く、使えない侍女ね」


嫌味たっぷりに言ってくるエルヴィーラに、アレクシアはかなり苛っとするが、グッと堪え「申し訳ございません」とだけ返した。






◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


翌日。


暇過ぎる……。


アレクシアは、自分に充てがわれた部屋で何をするでもなく座っていた。


エルヴィーラは朝早くから、妃教育へと向かった。侍女のアレクシアはその間部屋で待機する。


だがやる事がない。汚れ物などはこの城の侍女が先程訪ねて来て回収して行った。


「こちらで出来ます事は全てお任せ下さい」


にっこりと笑ってそう言われた。


正直助かったとは思う。流石のアレクシアも洗濯をした事がない。やり方くらいは何となく知っているが、出来るかどうかは別物だ。


「本もないし、何をしたら……」


そうだ。掃除だ。掃除くらいなら出来る。やった事はないが……。


アレクシアが立ち上がって、掃除を始めようとした時。部屋の扉が叩かれた。









一体どうしろと?


部屋を追い出された。


「これから、お部屋を掃除させて頂きますので外に出ていて貰えますか」


やる事がない上に、部屋まで追い出された。最悪だ。


アレクシアは、行くあてもなく適当に離宮内を歩いている。


どこかに、本でも落ちてないかしら……。


禁断症状かも知れない。


その時まさかの出来事が起こった。


「本当に、落ちてたわ」


廊下に、何故か本が落ちている。アレクシアは、迷う事なくその本を拾い上げた。


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