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選ばれたのは私でした  作者: 秘翠 ミツキ


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オリヴェルはアレクシアと二人きりになり、木陰に腰を下ろした。あの後リーゼロットはモーリスが好きだと言いながら半ば強引に弟を引き摺って何処かに姿を消した。


「驚きました。リーゼロット様はモーリス殿下をお慕いされていらっしゃったんですね」


そう話す彼女は言い方は悪いが、余り興味がある様には見えなかった。アレクシアの反応から推察するに、もしかしたらモーリスからの告白には否と答えたのではと……内心期待する。


「そうらしいね……僕も初耳で、驚いたよ」


ははっと笑うが、その声は乾いていた。正直リーゼロットがモーリスが好きかどうかなど興味はない。今頭の中にあるのは、どうやってアレクシアに気持ちを伝えるかだけだ。


「それにモニカ様の正体がモーリス殿下だった事も、驚きました。殿下もご存知だったんですよね……」


「あー……まあ、知ってたよ。騙す様な形になっちゃって、すまない」


アレクシアは一瞬黙り込み、悩む素振りを見せた。


「殿下は…………モーリス殿下が、お好きなんですか?」


「は?あ、いや……モーリスの事?」


一瞬思考が停止した。何故この話の流れで弟の事が好きかどうかを問われるのだろうか。全く以て理解出来ない。


アレクシアを見遣ると頗る真剣な表情でこちらを見ている。自分がモーリスを好いているかどうかは彼女にとってそんなに重要なのか……?


「あー……嫌いじゃ、ないよ?」




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



アレクシアはオリヴェルの物言いに、目を見開いた。


やはりモーリスは片想いだったのか……と切なくなると同時に安堵する自分がいた。


つい先程モーリスから投げやりとも思える告白をされた。きっと叶わぬ恋だと自暴自棄になり、諦める為に誰でも良いと、たまたま出会した自分に告白をしたに違いないとアレクシアは解釈をした。でなければモーリスが自分を妻に望むなど考えられないからだ。


きっと以前なら「諦めないで、頑張って下さい」と応援が出来た筈だが、今のアレクシアにはそれが出来なかった。何しろ自分もオリヴェルが好きだと気付いてしまったからだ。なので……。


『お互い、報われませんね』


とだけ返した。モーリスは暫く呆然とした後、笑った。そして徐に立ち上がり振り返ると、オリヴェル達がいたという訳だ。


「そうなんですね……。あの、殿下は……」


オリヴェルは今何を思っているのだろうか。無性に彼の気持ちが知りたくなった。知った所でどうなる訳ではないのは分かっている。


しかもどの道彼は、妃教育で選ばれた令嬢と結婚をするのだ。モーリスもアレクシアもお呼びでは無い。途端に胸が締め付けられて苦しくなる。


「いえ、何でもありません」


やはり止めておこう。自分には、必要のない情報だ。後数ヶ月で、妃教育をエルヴィーラが終えればもう彼と会う事もこうして話をする事もない。また以前の様に屋敷に篭る生活に戻る。これ以上、彼の事を知れば知るほど忘れるのが辛くなるだろう。


アレクシアは、切なそうに微笑んだ。




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