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選ばれたのは私でした  作者: 秘翠 ミツキ


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妃教育=勉強と思うと抵抗があったけど、王太子妃になる為に我慢するしかないわ。始めはそんな風に思ったけど、まさかこんなに愉しいなんて。


「ご機嫌様、エルヴィーラ様」


「エルヴィーラ様、本日もお美しいですわ」


「本当にエルヴィーラ様はセンスが素晴らしいですわ~」


「私もエルヴィーラ様の様な淑女になりたいものです」


分かってるじゃない。


エルヴィーラは鼻を鳴らす。毎朝日課になった光景だった。エルヴィーラが広間へと到着するや否や、数人の令嬢達が駆け寄り挨拶をしてくる。それはもう周囲が引く程にベタ褒めだ。


彼女達は所謂下僕もとい取り巻きだ。初めてお茶に誘われてからは、ずっとこうしてエルヴィーラの側にいるのを許していた。


まあ、私くらいになると当然よね!何しろ未来の王太子妃延いては王妃なのだから。

きっと彼女達は、それを分かっている。だから、今から自分に取り入ろうとしてきているのだと思う。


見る目あるわね、ふふふ。


内心高笑いをする。


「エルヴィーラ様、見て下さい。また、あの方」


取り巻きの1人が、そうエルヴィーラに耳打ちをする。子爵令嬢の彼女は比較的整った顔立ちで、この妃教育の顔触れの中でも目立っていた。


「またエルヴィーラ様と同じモチーフの髪飾りですわ。先日はエルヴィーラ様のお気に入りのお色の薔薇色のドレス、被ってましたわよね」


「信じられませんわ!あれは絶対ワザとです」


「エルヴィーラ様に対する当て付けに他なりません」


口々にそう言われ、エルヴィーラはその言葉を鵜呑みにして顔を歪ませる。


「ちょっと可愛らしいからって、自分がエルヴィーラ様より上だというのかしら」


あんな子爵家の娘が私よりも上ですって⁉︎侯爵令嬢の私が劣っている訳がないわ!しかも、可愛い?どう見ても私の方が何十倍も可愛いに決まってるわ‼︎



エルヴィーラは怒りに震える。……そしてそのまま本日の妃教育が始まった。






「では、お一人ずつお願い致します」


今日の課題は、立ち居振る舞い。基本的な所から始める。先ずは姿勢、歩き方。簡単な様で意外と難しい。そしてとても重要な事でもある。貴族令嬢であれば、当たり前に身に付けている筈なのだが、意外と出来ていない者もいる。


皆が並ぶ中を、一人ずつ歩いて見せる。講師の女性が名前を呼ぶと、先程の子爵令嬢が前へ出た。すると講師は彼女を褒めた。実に美しい立ち姿だと……。


瞬間エルヴィーラは、奥歯をギリッと噛み締める。そして、彼女がエルヴィーラの前を通り過ぎ様とした時だった。


「っ……きゃ」


子爵令嬢の彼女は、躓きその場に崩れ落ちた。


くすくす。


やだ、みっともない。


恥ずかしいわ。


周囲からはそんな嘲笑する声が洩れた。その様子にエルヴィーラは気をよくして、鼻を鳴らす。


彼女の足元には、扇子が落ちていた。そう、彼女が前に来た瞬間エルヴィーラは足元目掛けて扇子を投げたのだ。


「申し訳、ございません……ですが、誰かが扇子を」


「言い訳は見苦しいですよ。こんな事では王太子妃など、厳しいと判断せざるを得ないです」


厳しい講師からの言葉に、彼女は俯いた。その姿に満足そうにエルヴィーラは笑みを浮かべる。


エルヴィーラの行いは、無論講師の目にも入っている筈だ。だが講師は知らぬ存ぜぬを貫く。子爵令嬢を庇い、侯爵令嬢に楯突く事に意味はないと判断したのだろう。


この時から彼女への嫌がらせは悪化していく事になる。


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