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選ばれたのは私でした  作者: 秘翠 ミツキ


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充実している。不思議だが、最近そう感じる。毎日好きなだけ本は読めるし、話し相手も出来た。


アレクシアは毎日書庫へと通っているのだが、何故かオリヴェルも毎日来る様になった。彼は最初の印象と大分違って、真面目で誠実な人に思える。

聡明で物知りで話も面白い。これまで友人と呼べる人がいなかったアレクシアにとっては、恐れ多くはあるが密かに彼を友人の様に感じていた。


そしてエルヴィーラは、相変わらず我儘ばかりなのだが、何故か常に機嫌が良い。


先日、夜食のお菓子を切らしてしまいアレクシアは内心焦っていたのだが……「ないなら、しょうがないわ。明日は忘れないでよね」とだけ言って寝てしまった。絶対お腹が空いて寝れない‼︎と暴れると思っていたのに……。


なんだろう。妃教育を受け始めて少しは成長したのだろうか……いや、それはないか。


あの妹に限って成長したなど有り得ない。


だがそうなると、考えられるのは何かエルヴィーラにとって良い事が毎日あると言う事だ。


彼女にとって愉しくて仕方がない事……毎日している事は妃教育くらいなので、やはりそこに秘密があるのだろうが、想像もつかない。


まあ、何にしても平和な事はいい事だ。


アレクシアは、癖になってしまった欠伸をすると今日は食堂へと向かった。

お菓子を切らしている故、書庫に行く前に調達しなければならない。










やっぱり、いないなぁ。


あれから食堂には何度か足を運んでいるが、フィリベールを見かける事はなくなった。

やはりモニカに処罰されてしまったのだろうか……食べ物の恨みは怖いと言うし。


そう言えば、モニカもドリスも見かけなくなった。もしかしたら、真面目に妃教育に励んでいるのかも知れない。何しろオリヴェルの本命なのだから……。


そう思った瞬間、チクリと胸に何かが刺さる感覚を覚えた。


何かしら……もしかして寝不足がたたって病か何かに……⁉︎


早い所書庫に行って仮眠をとらなくては!とアレクシアは焦せる。


「すいません!お菓子を分けて頂きたいのですが」


フィリベールがいなくなった後、食堂には恰幅の良い中年の女性がいるようになった。その女性は豪快に笑いアレクシアに焼き菓子が山盛りになった籠を渡してくれる。


「また、いつでもおいで」


彼女の気持ちの良いくらいの笑顔に、アレクシアからも自然と笑みが溢れる。

籠を受け取ると丁寧に礼を述べて頭を下げた。


優しくて、温かい人だ。こんな人が母親なら、子供は幸せだろうなぁ……などと下らない事をつい考えてしまう。

エルヴィーラだって、もしかしたらあんな風に育たなかったかも知れない……やめよう、下らない。内心ため息を吐く。


アレクシアはお菓子を落とさない様にと、大切に籠を抱えその場を後にした。




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