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選ばれたのは私でした  作者: 秘翠 ミツキ


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プロローグ

侯爵令嬢のアレクシア。アレクシアには、エルヴィーラという妹が1人いる。


妹のエルヴィーラは、とても優秀で美しい。それに比べ姉のアレクシアは、平凡で普通と周囲から言われた。


「お姉様より劣るなんてあり得ない」


エルヴィーラの口癖だ。実際、エルヴィーラは何に於いても、アレクシアより秀でていた。



だがそれには秘密がある。


アレクシアは幼い頃から、両親からエルヴィーラより目立たない様にとキツく言われ続けていたからだ。何をするにも、妹優先の両親。 


少しでもエルヴィーラより優れたものがあると、無理矢理捻じ曲げられる。妹より上手くダンスを踊れば、折檻された。妹よりヴァイオリンを上手に弾けば、折檻される。アレクシアは、両親からの折檻に怯え常に妹より劣る様に振る舞っていた。


そうすれば、両親もエルヴィーラも上機嫌になる。だから、それでいい……痛い思いをするのは嫌だった。



侯爵である父は母を溺愛しており、エルヴィーラはその母に良く似ている。見目も性質も。


それに比べて、アレクシアは父とも母とも似ていない。それ故、両親はアレクシアに関心を示さなかった。それどころか、両親も妹からもアレクシアは蔑まれていた。





そんな日々の、ある日の事だった。


この国の王太子の妃を選ぶと、国中に伝令が出された。瞬時に、貴族令嬢達は色めき立つ。


今回の伝令には身分などの制限はない。故に上位貴族から下位貴族まで、名乗りを上げる者が次々と現れた故、想定以上の数に途中規制をかけ人数を絞ったらしい。


どの様に絞り込んだかは不明だが、王太子妃候補に妹のエルヴィーラが選ばれた。因みに、アレクシアは立候補はしていない。というよりは、させて貰えなかった。


まあ、そもそも興味などはない故気にはならない。


アレクシアの願いはただ一つ。平穏に暮らしたい、それだけだ。

大好きな読書ができて、ただ静かに過ごせれば後は何も望まない。だがそれも、叶う事はなかった……。




エルヴィーラが城へと赴く前夜、アレクシアは両親に呼ばれた。そしてあり得ない事を告げられる。



「エルヴィーラの侍女として、貴女も城へ行きなさい」



アレクシアに、拒否権はなかった。




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