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初投稿作品です。
つたない文章ですが読んでいただけるとうれしいです。
いろいろと見苦しい点もあると思いますが広い心で読んでいただければ幸いです
定期的に続けていけたらと思っています
時間がかかろうとも未完のままということにはさせたくはありません。終わらせる気はあります(希望)
とりあえずプロローグ…
1章 転生と継承
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そこは真っ白な空間だった。
俺は辺りを見回すが何もない無限のような白い空間が広がっていた。
誰もいない空間。時間すら経過していないようなそんな空間に人は耐えられない。普通は。
だが俺はふと気が付く。
俺はなんでこんな空間にいるのかと疑問が先にたった。
自分を振り返り思い出す。
ああそうだ、俺は出先からの帰り途中の飛行機事故で死んだのではないだろうかと結論付ける。
何故ならば最後の記憶は飛行機の中でありえない炎に包まれて息苦しかったのを思い出したからだ。
自分は日本刀抜刀術師範級の腕を持つ関係で海外のデモンストレーションに招待されて無事終わって帰国途中の飛行機事故にあったのだ。
そこまで思い出したとき声をかけられた。
《思い出しましたか?工藤隆》
俺は驚き無意識に刀を探し手が空を彷徨う。
そうだった、なかったんだっけ
俺は身についた所作から刀を持ってなかった事を思い出した。
声が聞こえたほうを見るといつの間にか目の前に美しい金髪の女性が空に浮かんでしゃがみ込むように俺をのぞき込んでいた。
どこかで見たことあるようなないような…
不思議と懐かしい感覚があった。
「あなたは?」
《わたくしは観測者であり管理者イヴ》
「管理者?何の管理者?」
《あなた方の言う世界全て》
「世界?それは神とでもいうことか?」
《そうとらえてもらっても不都合ではありません》
俺は軽く驚いたが疑問が先にでた。
「こんなところに俺を呼び寄せて、何の用だ?」
不思議と俺はこの空間にいる理由が目の前にいるこの存在によって召喚されたのだと気が付いた。
なぜそう思ったのかはわからないが昔から慣れ親しんだ自分の直感というやつだ。
間違いないだろうな
《呼び寄せたのではありません。連れ戻したのです》
連れ戻しただと?
俺は驚くしかなかった。
「どういうことだ?」
《貴方は地球と呼ばれる星のある世界の生命ではありません。わたくしの世界の生命なのです》
「へぇ…ってマジか」
《はい。マジです。前の生において貴方は異世界である地球に生まれたいとわたくしに懇願しました。わたくしはあなたの存在はわたくしの世界においてとても重要な意味を持つ生命ゆえにそれはできないと拒否しました》
重要な意味を持つ生命ってなんだ?
《しかし貴方はそれを不服としわたくしから異界渡りの力を複写し地球に降りて逃げました。一度下界に降りればわたくしの力は異界には届かないことを知っていた上で貴方は異界において新たな生命となりました》
「それが俺だと?」
《いえ違います。貴方の前々前世がそれにあたります。貴方はわたくしから執拗に逃げ続けました。転生を3回ほどかの世界において繰り返し3度目でやっとあなたを保護しました。それが貴方です》
「保護?」
《はい保護です。かの世界神はあなたという存在に手を焼いておられたのです。かの世界において貴方は異物以外何物でもありませんので》
「異物ねえ…」
《世界の異物というものはその世界を滅ぼす危険性を伴います。今世においてわたくしが保護しなければ貴方はその存在ごとかの世界を道連れに消えていたでしょう》
さすがに俺は驚くしかなかった。
世界を道連れに死ぬだと?
《先も申し上げたように貴方はわたくしの世界において重要な生命。保護は最優先でした。とはいえ貴方の死は事故であり数多ある選択肢の中の一つの結末。貴方自身で選んだゆえのことですがあなたの自我をそのまま呼び寄せる理由を申し上げましょう》
「ここに呼んだ理由か?」
《はい》
「どういう理由だ?」
《わたくしとしては貴方の記憶を消し生まれなおすのが通常転生ですがそれがもとで貴方はその重荷に耐えられす逃げたのです。異世界逃亡という手段によって》
「重荷?」
《貴方は我が世界において生命の鍵なのです。貴方という鍵があることで扉は開き、生命は生まれ循環する》
「それってさ、俺がいないとどうなるわけ?」
《今世界において鍵は貴方一人だけになってしまいました。故に生命は消えゆくばかりで循環せず命無き物が跋扈する世界になりつつあります》
「命無き物…ねぇ」
《我が世界ではそれを魔の物と呼び忌み嫌われております。かの世界において3度も貴方の保護の機会がありましたが3度保留したのには理由があります》
「俺じゃない俺ではダメだったというのか?」
《簡潔に言えばそういうことです。貴方より前のあなたでは心が脆弱すぎました。再び重圧に感じ逃げる確率が高かったのですがあなたならばそれはないと判断しました。故に貴方には記憶と心そのままに我が世界に転生してもらいます》
「俺はあんたの世界で何をすれば良いのだ?」
《重要なことは二つあります。一つめは貴方に子を成していただくことで自浄作用の持つスキルを広めることと、二つ目は一度でもよいのですが世界を回っていただきたいだけです。それで世界は自浄作用が強く働きます。自浄作用が強くなれば魔の物・・・魔物の力が弱体化します。魔物の弱体化は生命の循環が正常に行われている証。故に世界をその足で回っていただき強すぎる魔物を消していただければ幸いです》
その後世界のことをいろいろ聞かされた最後に管理者祝福という形でこの世界にいた時の能力をそのまま引き継ぐことと我が愛刀を特別に帯刀を許された。
愛刀は魔物討伐に絶大なる力を付与されてのことだ。
いわゆるチートってやつか…生まれ持った職業って言っていたな。確か賢者と王者だっけ?賢者はともかく王者ってなんだよ
《では準備に入ります。動かないでください》
イヴはそう告げると俺の顎を軽く持ち上げる。
驚いているとイヴの顔がさらに近づく。
唇同士が触れる。
頭に膨大な情報が詰め込まれる。その情報が俺の意識を薄弱させていった。
意識が飛ぶ瞬間イヴの声が聞こえた。
《また逢いましょう》