第6話:スライムの集落
お読みいただきありがとうございます。
引き続き、連日投稿頑張ります。
スライムの集落に着いた。
この青色スライムたちは、やはり敵意はないらしく、俺を見ても襲ってこない。
逆に、スライムボディを地面にペタンとつけ、何だか崇められている様子。
スライムたちが何を伝えたいのか分からないので、話しかけてみることにした。
「俺に、何かやってほしいことがあるのか?」
「・・・。」
スライムは無言だが、せわしなくぷるぷるボディを動かす。
うーん、分からん!
しばらく観察していると…集落の奥から一回り大きいスライムが近づいてきた。
何やら他のスライムよりも、少しばかり威厳がある?気がする。心なしか、周りのスライムたちも一歩引いている感じだ。この集落の長なのかな?
長スライムは、俺の前までくると、同様に地べたにペタンと平伏?した。
「(ようこそ、おいで下さいました。魔王様。)」
話した!?
いや、声は出ていない。頭の中に直接語り掛けられている感じだ。
「(はじめまして、私はライリーと申します。この集落の長をさせて頂いております。私たちは発声する能力が御座いませんので、私がもつ「意思伝達」のスキルで、このようにお話しさせて頂いております。)」
なるほど。「意思伝達」というスキルがあるのね。
これは便利そう。俺も欲しいなぁ。
などと考えていると…。
《告:「意思伝達」スキルの使用を確認致しました。「創造神の加護」により「意思伝達」スキルの獲得が可能です。スキルを獲得しますか? はい/いいえ 》
タイミングよく、無機質な声が聞いてきた。
もちろん、はい!
《告:「意思伝達」の獲得に成功しました。》
良かった。うまくスキルが手に入ったようだ。
早速話してかけてみる。
「はじめまして。俺はユラっていいます。一応魔王として、この草原地帯を治めるように派遣されたんだけど。何か手伝えることがありますか?」
「おお!『意思伝達』のスキルをお持ちだったのですね。これは失礼致しました。」
俺がすぐさま同じ「意思伝達」で話してきたため、ライリーはいくらか驚いているようだ。
「実は…この集落では、最近頭を悩ませていることがあるのです。魔王様に相談させて頂いてもよろしいでしょうか。」
「…俺にできることなら、何とか協力してみるけど…。」
実際、まだこの世界にきて間もない。どこまで協力できるか…かなり不安だ。
だけど、一応この領土を治めるように言われたし、この周辺の魔物とは仲良くしておいた方がいいだろう。
俺は、困っている内容を聞いてみた。
簡単にまとめると、この集落はスライム族の集落で、複数のスライムが暮らしているらしい。スライムは基本的には食べ物などは必要としないが、エネルギー源となる魔素をつくるため、この集落の周囲に生えている”アリフレタ草”を摂取・吸収しているそうだ。だが、最近このアリフレタ草を狙って、他の種族が集落の周辺に度々出現しているとのこと。そいつらはスライム族では敵わない種族らしい(まあ、最弱だもんな。)。実際に、仲間も数体が被害に遭っていて、できればそいつらから集落を守ってほしい、とのこと。
「なるほどね。分かった。どこまで力になれるかは分からないが、そいつらと戦ってみるよ。」
この草原の地に、どんな種族がいるかも気になるし、とりあえず会ってみたい。
「おお!助けて頂けますか!それはありがたい!!!」
ライリーは更に平伏する。
周りのスライムたちも意思が伝わったのか、ホッとしている様子だ。
「俺も、まだ自分の力がどのくらいあるのか分からないから、あまり期待はしすぎないでほしいけどね。で、具体的にそのお相手はどんな種族なんだ?」
とんでもなく強い敵が現れても困るから聞いておく。
「この草原の地には、あまり強い魔物は存在しません。私達を困らせているのは、ゴブリンという種族です。魔王様よりは小さい背丈で、肌が緑色の、狡賢いやつらです。」
ゴブリン。これも前世で聞いたことあるな。
たしか、ゲームの序盤とかで出てくる、弱い魔物のはず。
あまり強くなさそうな種族で一安心だ。
「ゴブリンね。了解した。」
そして、しばらくそのゴブリンに関して、ライリーから説明を受けていると、複数のスライムたちが大慌てで集落の中に駆け込んできた。
「どうした?!」
「どうやら…ゴブリンたちが攻めてきたみたいです!」
次回は、ゴブリン族と戦います。
そろそろ、エッチな描写も書きたいところです。