第5話:はじめての魔物
いつもお読み頂きありがとうございます。
今回は内容が短めです。すみません。
連日投稿を続けられるように頑張ります。
この草原地帯で生活できるように、素材集めを行っている。
だいぶ木材が集まってきた。
道具も色々できて、木の道具で掘り出した石から、今度は石の道具も作り始めた。
順調そのものだ。
草原地帯でも”小さな木”程度なら生えていたので、根こそぎ素材にして小屋を「創造」で建てた。
「創造」スキルは、思った通り便利スキルだな。
「ぐ~~~。」
俺の腹が鳴る。さすがにお腹が空いてきた。魔王だけど腹は空くらしい。
住む場所はとりあえず確保できたから、食料探しも兼ねて、この”辺境の草原”を探索してみることにした。
「ほーんと、何もないなぁ。」
見渡す限りの大草原!
近くに高い建物とか山は勿論なく、あっても背の低い木ばかりだ。
何か食べられるもの無いの?果実とか…木の実とか…。
そう思い、やや背の高い草の生えた草むらに近づく。
ガサガサ…ピョンッ!
一匹の魔物が飛び出してきた。
緑色の、液体でも固体でもない…スライム状の……スライムだ。
いかにも敵意むき出しといった感じで、プルプルボディを、ぷるんぷるんしている。
「スライムだな…ちょっと戦ってみるか…。」
スライムって、前世のゲーム知識だと…最弱の魔物だよな?
俺ってどのくらい強いのだろう?
魔王なんだから…さすがにスライムには負けないよな?
向こうも戦う気満々で体をプルわせているし、ちょっと戦ってみよう。
俺は「創造」で作った石のナイフを握りしめ、緑のスライムに切りつける。
プルンッ!
確かに切ったはずだが、あまり手ごたえがない。
スライムに斬撃は効かないのか?まさか…俺が弱いのか?!何度も切りつけてみるが、スライムは変わらずプルプルしている。
え?ダメージ入ってないの?さすがにスライム程度は倒したいんだが…どんだけ弱いんだ、俺?
えっと…今度は逆に攻撃されてみようかな?ダメージはどの程度もらうだろうか。
さすがに一撃でやられることはないと思うけど(前世のゲームの経験では…だけど)。
恐る恐る、スライムに腕を近づける。
ほれ!ほれ!噛んでみろ!ん?スライムって噛むのか?
ニュルッ。
…とか思っていると、スライムが俺の腕に絡みつく。
「ああ♡…気持ち、いい。まるで、ローションに包まれているみたい…♡」
じゃ、なくてだ…スライムの攻撃は俺にも効かない(むしろ気持ちいい)らしい。このままだと泥仕合だ。
けど、さすがにスライム一匹も倒せないのはショックだな…。
そう思い、今度は先ほど確認した初級魔法をトライしてみることにする。
使い方は分からないけど、とりあえず手を前に突き出し、”火の魔法”をイメージする。
すると、頭の中にまた文字列が浮かんだ。俺はそれを詠む。
「火の球!」
勢いよく小さな火の玉がスライムに向かって飛び出した。
火の玉は小さいながらも威力はあり、スライムを巻き込んで爆発した。
爆発の痕を確認すると、スライムはいない。よかった、無事に倒せたみたいだ。
スライムが居た場所には、代わりに小さな青色の石が転がっている。
「これは魔石か?何かに使えるかもしれないから、取っておくか。とりあえず、今の俺でもスライム一匹なら…何とか魔法を使えば倒せるっぽいな!」
その後は、魔法の練習も兼ねて、周囲にいるスライムを見つけ次第に倒していった。
魔法はイメージをすれば使えるようで、火の魔法なら火の玉、水の魔法は水の柱が、雷の魔法は小さな電撃、風の魔法は強い風とともに斬撃を飛ばせる様子。何度も練習していれば、使える魔法も増えるのだろうか?
他のステータスに関しても、今後いろいろ試さないとね。
そんな感じで、ステータスに関して考えながら、次々に出てくるスライムを倒していると、いつもと違う”青色”のスライムが現れる。
緑のスライムとはなんだか様子が違い、こちらに敵意を向けてこない。
みると、必死に何かを訴えているような…?
さっきまでの緑のスライムもそうだったが、さすがに何を伝えたいかは分からない。
魔王だけど、魔物とのコミュニケーションは取れないのだろうか?
こちらも敵意を向けず、スライムの動きを観察していると、青色スライムはどこかに向かおうとしている様子。何度かこちらを振り返るので、おそらく「ついてこい!」的なことなのか?
ゆっくりと青色スライムの後を追っていくことにした。
…
しばらく行くと、背の高い草が生い茂った場所に着いた。
草をかき分けながら、中に進んでいくと…青色のスライムがたくさんいる!!
そこは、スライムの集落だった。
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