第39話:ウンク山脈
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“※印”は後日、閑話か別サイトでR18用の話を用意致します。
獣王国ガルガンティアで内戦が起きている。
俺たちは獣王レオンと戦うため、ガルガンティアに向かうことにした。
・・・
「よし、じゃあ準備ができ次第向かおうか。ギル、道案内頼めるか?」
「勿論。傷ついた仲間は、ここでしばらく休ませてもらってもいいか?」
「それは構わない。」
そういうと、ギルは数名の元気そうな獣人と共に、自分たちの準備を始めた。
「後は、俺たちも誰が行くかだな。ソフィアは行きたいよな?リーネはどうする?戦地に行くわけだから、少しは戦える者を連れていきたいんだけど…あまり人数が多いのも動きにくいしな。」
「私が行く。」
そういって、モニカが手を上げる。
「私達も獣人だ。ガルガンティアには属していないが、同じ獣人同士、手助けをしたい。」
ロダン達も後ろで頷いている。やる気は十分なようだ。
「わかった。じゃあ、馬人族は一緒に行こうか。ウンク山脈が、馬の脚で越えられる様な道だったらいいんだけどな。ライリー達は、ここで引き続きケガ人の手当てを続けていてくれ。」
それぞれの役割を確認していると、ローゼが口を開く。
「私達も行ってあげてもいいわよ?」
「え、ローゼ?」
「あなただけじゃ、他の魔王とのやり取りが不安だわ。『砂』のスーハラとは、一言二言くらいないなら話したことがあるのよ。私が取り持ってあげる。」
「ローゼが来てくれるなら、心強いが…いいのか?」
「クキキ…ローゼ様はお優しいでんす。」
「…。」
「クキキ…なんで無視でんすか!?」
結局、獣人族の数名と、馬人族、ローゼとソフィアで行くことになった。リーネはグラスランに残って、ソフィアの代わりにケガ人のためにポーションを作ることにした。ダズの町までは、早く着いても数日はかかるらしい。俺たちはそれぞれ出発の準備を始めた。
・・・
「じゃあ、準備はいいか?」
それぞれ遠征の準備が終わったようだ。俺は、ロジーに作ってもらった剣とハンドガンを持った。後は、持てるだけのポーションを用意した。最悪、道の途中でも「創造」で創るつもりだ。後は、いくらかの食料と、野営装備だ。今回は山を越える。山越え用に、テントなどの簡易の装備も「創造」で準備しておいた。
「ライリーたち、グラスランは任せた。すぐに戻ってくるから、安心して待っていてくれ。じゃ、出発!」
こうして、俺たちの一団は“ダズ”を目指して出発した。
・・・
「ウンク山脈って、どんな所なんだ?」
俺は先頭で、ギルと話している。
「ウンク山脈は、ガルガンティアと魔属領の国境となる山々だ。決して険しくはない山だが、まだレオン軍が山道にいるかもしれない。用心してくれ。あと…これは噂なんだけど、ウンク山脈には『強力な魔物が住みついている』という話がある。」
「え…強力な魔物?ギル、フラグたてるなよ…。」
「フラ?グ…?」
「あぁ、これは“異国の言葉”だった。そんなことを言っていると、本当にその魔物で出くわすだろ、ってことだ。」
「大丈夫だ。グラスランまで逃げてきた時には、そんな強い魔物の気配は感じなかった。俺たち獣人は鼻が利くんだ。」
ギルは自信を持って言う。
いやいや、完全にフラグじゃん。
「そういえば、ガルガンティアには“マナの濃い場所”があると聞いたんだが…お前の鼻に心当たりはないか?」
「“マナの濃い場所”?うーん…分からないな。俺たち獣人は、あまり『マナ』を感じることができないからな。」
「そうなのか。」
「そういえば、少し前にタイラン様がウンク山脈の向こう側(ガルガンティア側)に祠があるとか、どうとか言っていた気がするな。」
「祠か…。匂うな…フラグの香りが…。」
「フラ?グ?」
そんなことを話していると、ウンク山脈の麓に到着した。
今日はここで野営をすることにする。
・・・
俺は持ってきたテントを広げる。
ちなみにテントはいくつか持ってきており、一人一室はないが、相部屋であれば皆が休めるようにしている。
そして、俺はやはりモニカと相部屋だ。何なの?妻なの?嬉しいけど。
そこに、ローゼがやってきた。
「ユラ…いる?」
「ああ、何か用か?」
「いや、特に用はないけど。そう!スーハラのことを話しておこうと思って。」
「『砂』の魔王か。確か、お前が言うには、そこまで大した魔王じゃないんだろ?」
「そうだけど…。あいつは『砂』を自由に操れるスキルを持っているから、そこだけは注意よ。」
「砂だったら…ノームを召喚すれば何とかなりそうな気がしているんだよなぁ。」
「まぁ、そうかもね…。」
「…。」
「…。」
「…え?それだけ?」
「…そうよ?」
「何だよ。もっと何か大事な話があるのかと思った。明日も早いから、用が済んだならさっさと寝ようぜ。カラバサもテントで待っているんだろ?」
「…。私もここで寝たい。」
「…え!?なんで?!」
その言葉に、モニカが反応する。
「私とユラ様は、もうそういう関係だから。」
いやいや。モニカさん。確かに、キスとかしたけど、ね。
ローゼの前でそういう暴露話はやめようぜ。
モニカが更に言う。
「いつか3人で夜を過ごしてみたいと思っていたんだ。家にルナは居たけど、あの子は1対1の関係が好きだったからね。調度いいから、あなたもここで寝れば?まぁ、寝れるかは分からないけど?♡ね、ユラ様?」
モニカ…ちょっと言いすぎ。3人で何するの?
さすがにローゼが引いちゃうよ。
「あら?私を仲間に入れてもいいのかしら?私の物になっちゃうかもしれないわよ?」
ローゼが負けずに言う。
チラッと、スカートの裾をめくって俺を魅せる。ドキドキしちゃう♡。
そんなこんなで、この日は三人で夜を過ごしたのだった。(※)
・・・
「は~、眠れなかったな…。」
朝を迎え、俺たちはウンクの山を登り始めていた。
「ユラ、疲れているな。昨日は眠れなかったのか?」
「ギル。ま、何だろう。癒されたけど、疲れた…的なね。」
「…お前は、時々よくわからない言葉を使うな。」
「まぁ、ギルももう少し年を重ねれば分かるよ。まだ若そうだから、これからだな。」
俺たちはウンクの山を順調に登っていく。
途中、魔物が襲ってくる場面もあったが、恐れていた“強い魔物”は、今のところ姿は見えない。
そうこうしているうちに、お昼過ぎには山頂を越え、ガルガンティアに向けて下山を始めた。
「順調だな。レオンの軍も見当たらないし、このまま行けば、夕方には“キネス砂漠”(砂漠の中にダズの町がある)に着くんじゃないか?」
「そうだな。思った通り、強い魔物も居ないし、このまま行けそうだな。」
「ギル…それを言ったら…」
ギシャアーーーー!!!
すると突然、威嚇するような鳴き声が聞こえた。
見ると、かなり大きな蛇がこちらを睨んでいる。
「あれは…サンドヒドラ!なんでこんな所に!?」
「ほらね。お前の鼻、利かないな。」
やはり強敵と戦うことになった。
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