第4話:スキルの確認
スキルの確認を行います。
我ながら、使いにくそうなスキルを設定してしまった。
今後の物語に影響がでなければいいのですけど…。
気が付くと、草原地帯にいた。
「うーん、ここどこだ?」
エルニドさんは、「君は辺境の地だ!」とか言っていたけど…。
説明が少なすぎでしょう…。
とりあえず…ここが俺の領地で、俺は自分の領地を拡げていけばいいんだよな?
領地って言うけど…住んでいる人とか居るのか?
見たところ、街は勿論ないし、人の気配も感じない。
改めて、よーく周りを見渡す…本当にただの草原だ。
結構遠くの方に山や森が見えるが、それ以外に高い建物とかは見当たらない。
さて、どうしたものか…。
「ごちゃごちゃ考えても分からないし、一旦休憩するか~。」
俺は草原に座って、少し整理することにした。
まず、俺、神堂ユラは元の世界で死んでしまったみたいだ。
真っ白の世界で、”黄泉の世界”とか言っていたし、前世の最後の記憶からは、車に轢かれて死んでしまったんだろう。家族に迷惑をかけるな…。
その後、理由は分からないが転生して「魔王」になった、と。
とんでもないなろう展開だ。
魔王になってやることは
・自分の領地(何もないこの草原地帯)を発展させる。
・魔物を治める。
・人間と戦って、魔族をより繁栄させる?
あ、そういえば…転生する時に何やら”スキルが”どうとか、誰かが言っていたな…。
さっきの宴でも、エルニドさんに「スキルが無い」とか言われたし…あれって確認できるのか?
ふと、”スキル”のことを考えていると、頭の中に文字列が浮かぶ。
~~~~~~
《ステータス》
名前:シンドウ・ユラ
称号:魔王(序列49位)
武術:なし
魔術:火、水、風、雷
スキル:秘匿
固有武術:なし
固有魔術:なし
固有スキル:“創造”
加護:創造神の加護
精霊:なし
リンク:なし
~~~~~~
お!頭の中で、何か文字が浮かんだ!まるでゲームのステータス画面だな。
うーんと…そうそう、死ぬ時に誰かが「オリジナルスキルを獲得」とか言っていた。
何やら色々書いてあるけど、それぞれどういう意味だ?
《告:身に付いたスキルを選択すれば、スキルの解説を受ける事が可能です。》
頭の中に無機質な声が響き渡る。
突然の声に、俺はびっくりして辺りを見回すが…誰もいない。
どうやら、俺の頭の中?に直接話しかけてきているようだ。
「あんた!真っ白の空間で俺に話しかけてきた人だろ?」
《告:身に付いたスキルを選択すれば、スキルの解説を受ける事が可能です。》
そうだった…この人、俺が転生する時も質問に答えてくれなかったんだった。
融通が利かないなぁ。
とりあえず、自分のスキルは確認できるらしい。
さっそくスキル「秘匿」を選択する。
《告:スキル「秘匿」に関しての解説。自身のステータスを他人から隠すことができる。また、自身の存在や所有物も隠すことができる。他のスキルにより、「秘匿」は破られることがある。》
ほう。これが「秘匿」か。エルニドさんから何かされた時に、訳も分からず使用したスキルだ。
あの時エルニドさんには、俺のステータスが見えなかった訳か…。
まずいことしたかな?
「スキル持っていない…」とか驚いていたし…。
ま、いいか。この世の中のことはよくわからないし、怪しい人に利用されるかもしれない。前世でも、個人情報は他人には教えちゃダメだったし。基本自分のステータスは隠しとこう。
しかもだよ、自分の存在も隠せるのか…ムフフ。エッチな妄想が拡がるスキルじゃないですか!
ちょっと使ってみよう。
…うん?消えてる?さすがに分からんね。
今度誰かに会った時に、さりげなく使ってみるか。
続いて、「創造」スキルを見てみる。
《告:固有スキル「創造」に関しての解説。自身がイメージしたものを具現化できる。ただし、その際には材料が必要。また、生物は創造できない。創造には魔力を要します。》
これは、なかなかの便利スキルみたいだ。
とりあえず、このスキルを使えば、この草原でもなんとか生活できるかな?
材料とか探さないといけないけど。
試しに何かを作ってみよう。
そうだな…生活する上で大切な道具…、ナイフとか?
俺はナイフをイメージしてみる。
《告:ナイフを創造します。材料として鉄剤、木剤が必要です。現在の材料では作成できません。》
やっぱり材料が足りないか。何も持っていないから仕方ない。
木材は、あそこに落ちている木の枝でなんとかなるかも。
鉄は、ないな…木のナイフとか作成できないかな?
《告:木のナイフを創造します。木材を消費して、木のナイフを創りますか? はい/いいえ 》
お、できるみたいだ。
はい。作ります。
スッと木の枝が消え、代わりに小ぶりな木のナイフが出現する。
おお!すごい!これは便利!まずは木材拾って、木の道具を作りますか。
あと、気になるのは「創造神の加護」。
だれ?創造神って?
選択して、内容を確認する。
《告:創造神の加護。創造神からの加護を受けています。創造神の加護により、基本の魔法の使用が可能となります。他の個体からスキルを獲得できる事があります。■■■■。》
一部隠れていて読めない。なんだろう気になる。
けど、基本の魔法を使えるのは、いいんじゃないですか?
”魔王”なのに…基礎?って感じもするけどな。
あとは、他の個体のスキルを獲得…?これも後で試してみよう!
ひとまずスキルの確認はできたし、一旦生活に必要なものを揃えるか。
その後、素材集めのため、周囲の探索を行うことにした。
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