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第35話:勇者アレク

いつもお読み頂きありがとうございます。


勇者アレクの登場です。

やはり戦闘シーンの描写は苦手です。引き続き精進します。


最後までお読みいただけますと幸いです。

「キャ~~~!アレク様~~!」


 この世界には勇者がいるようだ。

 目の前にいる、イケメンがそれみたいだ。

 イケメンは綺麗なブロンドの髪をかき上げ、黄色い声に反応して手を振る。


「君たち!応援ありがとう!僕らはこれから、獣王国ガルガンティアに向けて旅立つよ。なんでも獣王国で魔王が悪さをしているらしい。()()として、悪事は絶対に許さない!直ぐに倒してくるから、安心して待っていてくれ!」

「キャーーー!アレク様!かっこいい~♡」


「この世界には、勇者がいるんだな。」

「そうですよ。数年から数十年に1度の頻度ですけど、“誕生祭”という祭事があって、その年に勇者の称号をもって生まれる子供がいるんです。勇者は、他の人よりも()()強く『マナ』を感じることができて、精霊の力に恵まれると言われています。あそこにいる優男(やさおとこ)は、アレクと言って、前回の誕生祭で称号を得た勇者です。」

「あ、勇者って一人じゃないんだ。」


 勇者は、ファンたちに挨拶を済ませたようだ。

 最後もキザなセリフで締め、こちらを向いた。


「ソフィアじゃないか!」

「あれ?知り合いなの?」

「…少しだけです。」


 そう言って、ソフィアは迷惑そうな顔をする。


「やっと僕の“パーティー”に入る気になったのかい?君が居てくれると心強い。これから直ぐにガルガンティアに向かうから、君も急いで準備をしてくれ。」

「私はあなたのパーティーに入る気はないわ。ただの薬師よ…戦えないもの。」

「大丈夫。僕が護るからさ。」


 アレクはウィンクする。

 まるで、「キラッ☆」と、効果音が聞こえるようだ。


 アレクの周りには彼のパーティーメンバーが居るのだが、よく見るとアレクとは対照的に皆ソフィアを睨んでいる。全然歓迎ムードではないな。

 そして全員女性だ。しかも美女だ。


 俺がまじまじと美しいメンバーの脚を見ていると、アレクが気づく。


「あれ?君たちは?」

「こちらはユラさん。グラスランの領主をされている方です。」

「初めまして。ユラです。」


 俺は美女の脚から視線を外し、勇者に無難な挨拶をする。


「グラスラン…聞いたことないな。君は、ソフィアとはどういう関係なんだ?」

「どうって…領主と町民かな。ソフィアは、うちに引っ越す予定だからな。」

「お前の()に引っ越す!?どういうことだ!!?」

「あ、ごめんごめん、言葉が足りなかったようd…」

「ふざけるな!ソフィアは俺の女だ!どこの馬の骨とも分からない男に…うん?ちょっと待て!“魔素”を感じる!小さいが…この感じ、間違いない!どこからだ!?」


 勇者が魔素の出所を探る。

 やばい。やはり勇者には俺の“魔素”が分かってしまうらしい。このままだとバレる。

 てか、この勇者、この世界に居がちな“話通じない系の人”だな。


 そう思っていると、勇者の周りに小さな炎の球が現れた。

 よく見ると、赤いトカゲの様な見た目だ。


「サラマンダー!どうした?」


 サラマンダーというトカゲは勇者から離れ、俺の周りをぐるぐると飛び始めた。

 おそらく精霊だろう。可愛いから。

 俺もウィスプを召喚すると、いつも通り楽しそうにじゃれ合い始めた。


「な!精霊!?なんで君が?しかも…見たことない精霊だな。」


 勇者が驚く。

 まずいな。精霊を簡単に見せるべきじゃなかった。こいつ、なんて言い訳しようか…、こいつ何言っても通じ無さそうだし…。

 困っていると、ソフィアがサポートしてくれた。


「ユラさんも、“精霊の加護”を受けているのよ。」

「ソフィア…そういうことか。お前、この男に(たぶら)かされて、エルフ族の“精霊の加護”を奪われたな?騙されているぞ!!俺が奪い返してやる!!」

「ちが…」


 ソフィアが否定をする前に、アレクは剣を抜く。

 こいつ…全然話を聞かない。本当に勇者か?


「サラマンダーそいつから離れろ!俺の精霊の力を思い知らせてやる!」


 サラマンダーがいやいや俺から離れると、アレクの剣先が光り始める。


「くらえ!炎一閃(フレイムストライク)!!」


 剣が燃え、灼熱の炎に包まれる。

 アレクが剣を振り抜くと、炎の斬撃が俺に迫った。


 こんなところで危ないな。火事になったらどうするんだ?

 俺は光と水の“創造魔法“で相殺する。


光の滝(ホーリーフォール)!」


 俺の手から光輝く水が溢れ出る。

 水流は、アレクの炎の精霊魔法を一瞬で掻き消した。


「ば、ばかな!俺の精霊魔法が消されただと?!」


 勇者は目に見えて動揺する。


「そんなことがあるか!()()の精霊魔法だぞ?何か狡賢い手でも使ったんだろ!?…いいだろう。本気を見せてやる。ここでこの魔法を使いたくなかったが…仕方ない。」


 そういうと、勇者の足元に真っ赤な魔法陣が現れる。

 魔法陣は神々しく光を放つ。


「この男に力を見せつけろ!出でよ!イフリート!!!」


 次の瞬間、魔法陣から燃えるような(たてがみ)を持った魔獣が現れる。

 魔獣からは溢れんばかりの「力」を感じる。おそらく、これが「マナ」の力なのだろう。

 俺の体が震え、本能的に“やばい”と訴える。


「これが俺の力…炎の上位精霊“イフリート”だ。イフリート、あの男にお前の力を見せつけろ!!」


 イフリートが両手に烈火を集める。業火…まるで地獄の炎だ。

 そして、次の瞬間…


「何をしている!!!」

 

 禿げ頭のおじさんが激おこでこっちを見ていた。


ここまでお読み頂きありがとうございます。


よければブックマーク登録等をして頂けますと嬉しいです。

励みになります。


引き続き宜しくお願い致します。

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