第21話:転移
いつもありがとうございます。
毎回短い文章で申し訳ございませんが、皆様を少しでも愉しませることができれば幸いです。
今回は、ユラのスキルの確認回です。
カボチャ野郎と出会って数日が過ぎた。
ダリとエルサムが戦争に入ったという情報はまだ聞いていないが、俺たちも最低限の準備は行おう。
戦になったら何ができるか…ひとまず、今の自分のステータスを再確認する。
ステータス
名前:カオル=ユラ
種族:魔人族
称号:魔王(序列49位)
技能:スキル 「秘匿」、「意思伝達」、「転移」
オリジナルスキル 「創造」
魔法:火の魔法(初級)
水の魔法(初級・中級)
雷の魔法(初級・中級)
風の魔法(初級)
土の精霊魔法(下位)
体術:「斬撃耐性」、「疾走」
加護:創造神の加護、スライムの加護、馬人の加護
いつの間にか、いろいろ使えるようになっている。
ロジーとのリンクのおかげで、初級だが精霊魔法を使えるようになった。これは、村の発展に欠かせないノームの召喚が可能になる魔法だ。お世話になっている。
馬人の加護と雷の中級魔法…これは、モニカからキスされた影響かな…♡?
さて、「転移」ね。この前カボチャ野郎が現れる前に、突然獲得できたスキルだ。おそらく、カボチャが使っていた“黒い渦”みたいなスキルなんだろう。名前からして、好きな場所に行けるとかか?
トライしてみよう。あのカボチャが住んでいる場所は、エルサムとか言っていたな。エルサムに行きたいと頭に念じつつ、「転移」スキルを使ってみる。
《告:エルサムへは転移できません。「転移」スキルは、一度行ったことがある場所でないと使用することができません。》
あれ?エルサムには行けないのか…。じゃあ、今度はダリのバッカナールをイメージして「転移」を使ってみる。すると、目の前が“黒い渦”に包み込まれ、一瞬でバッカナールの露店のおばちゃんの前に移動した。
「わ!何!?びっくりした!」
「おばちゃん、驚かせてすみません!ママト美味しかったです!」
再度「転移」を使って村に戻る。
おぉ~、これは便利だ!これで、今後はバッカナールには簡単に行けるわけだ。
そういえば村でもママトができていたな。おばちゃんに見せに行くか。
ママトを持って、再度「転移」を使う。
「わ!また!?何なの!?」
「おばちゃん、度々ごめん!これ、うちの村でできたママト。食べてみてよ!」
おばちゃんがママトを食べる。
「う~ん、まずまずね。もう少し甘みが欲しいわね。」
「そっか。なかなか上手くできたと思ったんだけど…おばちゃんのお眼鏡には適わなかったか。」
「まだまだ私のママトには及ばないねぇ。」
「ちぇ。」
「良ければ、今度あんたの村のママトを見に行ってあげようか?何かアドバイスできるかもしれないわよ。」
「それは嬉しい!ぜひ技術を教えてほしい…けど、うちの村のママトが美味しくなっちゃうと、おばちゃんのママトは更に買う人いなくなっちゃうね。」
「そうねー…実は、もうあんまり買ってくれる人もいないし、バッカナールから離れようと思っているのよ。風の噂で聞いた話だけど、この国はまた魔物の国と戦争をやるみたいなの。こんな危ない国にいたら体がもたないわ。家族も居ないことだし、ふらっとその辺の農村に行こうかな、とも思ってたとこなのよね。」
「そうか、なんなら今から来るか?うちの村。」
「え?」
そういうと、俺はおばちゃんの手を握り、再度の転移を行う。一瞬で村に戻ることができた。この転移のスキルは二人でも使えるんだな。
「ここが俺の村だよ。まだ施設はあんまり整って無いんだけど…気に入ったら是非来てよ。うちで最高のママトを作ってほしい。」
結局、おばちゃんは一旦バッカナールに帰ることになった。知り合いも多いみたいだし、いろいろ身の回りの整理をしてから、なんと!嬉しいことに!うちの村に移住してくれるらしい。ママトがうちの名産品になる日も近いな。
・・・
もう一つ確認すべきスキルがある。それは「創造」スキルだ。
俺はこれまで家や生活に必要なものばかり「創造」で作っていたが、他にも使い道があると思う。
《告:オリジナルスキル「創造」に関しての解説。自身がイメージしたものを具現化できる。ただし、その際には材料が必要。また、生物は創造できない。創造には魔力を要します。》
生物は創造できないが、生き物じゃなければいいんだよね。もし戦いになった場合、うちの村には絶対的に戦える魔物の数が足りない。試しに、ノームの入れ物となる体を作ってみよう。
「創造」スキルを使用してゴーレムをイメージする。すると周囲の土を材料にして、一体のゴーレムが出来上がった。このゴーレムに魔力を使ってマナを集める。最後にノームを召喚し、ゴーレムに入ってもらう…すると、ゴーレムは思った通り動き始めた。俺の指示にも従うようだ。ひとまず、戦の時はゴーレムを戦闘員として働かせよう。
あとは、武器だな。俺のイメージの中の“強い”武器…単純に「銃」とかあったら強いよなぁ。
前世の映画で見た、ライフル銃をイメージしてみる。
《告:ライフル銃を創造します。ライフル銃の作成のための、鋼材、鉄剤が不足しております。現在の材料では作成できません。》
ですよねー。うちの村は慢性的な資源不足だ。
木や石の武器で戦うしかないのか…石器時代かよ。
そう頭を悩ましていると、ロジーがぶつぶつ言いながら通りがかる。
「鉱石…鉱石…。」
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