表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
79/94

激闘編(7)/戦士の宴(7)

「続きましての登場は! 地元の老舗バー『銀の歯』の店主とその常連が結成したチーム、

『白牙傭兵団』っ!」

「由来だけでおもしろ枠と思うなかれ、『白牙』はもともと地元で有名な傭兵団である」

「対しますは、ええと……解説者のスゴロクさん、これマジですか?」

「マジだ。一応は地元枠に数えている」

「……ということでご紹介いたします。ここ中央大陸の地下深くに広がる地底の国が、

 悠久の眠りから覚めて送り出した挑戦者たち! 『古代から来た遊び人』であります!」

魔王スゴロクが諸国漫遊の旅の始めに出会った、

もとトレジャーハンターのルゥが率いる古代人5人組だ。

かつて中央大陸のさらにど真ん中に位置し、繁栄を誇ったが、

天変地異レベルの大事件を経て、地下の湖の底に沈んでしまった国の民である。

複雑な事情は割愛するが、スゴロクとの縁で大会に出場する運びとなった。

一方の『白牙』には、バーの店員たちに加えてジェシーとニーナ=ファーウィンドが編成されている。

飛び抜けた実力のアルフィミィはレオンの肩にどっかりと座って動かず、他の4人で戦う事になったようだ。

「互いの先鋒が今、前へ出ます! いきなり1人を欠いた状態の『白牙傭兵隊』は、果たして!?」

小柄な体格に自信をみなぎらせて、青い髪の半猫人が歩み出た。

対するニーナ=ファーウィンドは白金の糸で織りあげた騎士服に身を包み、楚々と立っている。

「今日はおとなしいねー。カッコつけてる~?」

「晴れ舞台ですから」

微笑んだルゥがナイフを構える。ニーナもショート・ソードを鞘走らせた。

これまでとは打って変わった静かな立ち上がりに、会場もざわめいている。

ふっ、と姿がかき消えた。

ルゥが瞬時に後ろへ跳び、体重ごと落ちてくるような先制攻撃を避ける。

不意打ちを回避されても諦めず、ニーナが氷のつぶてを放つ。

魔法金属のナイフとぶつかるたびに響き渡る涼やかな音が、ざわめく観客を魅了する。

無数の礫を正確に弾き落としながら距離を詰めていくルゥの手並みも、鮮やかで美しい。

挑発的な手招きに応じてニーナが走る。

冷気を伴う風を巻いて、短剣が蒼くきらめく。

何度か交錯した後、足を止めての剣の打ち合いになった。

ガラスの鐘のような音と、はぜ散る火花が、静かな応酬の激しさを示している。

「ルゥが押されている。とっておきが出るか?」

スゴロクの声に反応したかのように、ルゥが猛然と動いた。

一挙動で跳び上がり、ナイフを投擲とうてき

数が合わない。2、4、6……!

「ルゥ選手が4人います! いかなる魔技まぎでしょうか!?」

「幻影を用いた『多重砲火』である。古めかしい連中の得意技だ」

――そこですっ!

ニーナの気合のこもった声が響く。空中から降って来た五人目ほんたいの剣を受け止め、

思い切り腕を払って音高く弾き飛ばして見せた。

「これを見切られたんじゃネタ切れだよーん。降参こうさ~ん」

間延びした声で、ルゥが敗北宣言を出した。

明らかに手を抜いているが、解説者はこれにも口を出さなかった。

2019/8/5更新。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ