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4話-18 君は僕の親か

ー24ー


「え?日曜日の夜の6時半に本殿に行けるかって?」

月明かり溢れる窓際で、執筆作業をしていた始祖は一時その手を止めた。

「別にこれといった用事はないけど、どうしてだい?」

彼女はそう夜乃に尋ねる。

「『神隠し』の謎が分かったので、先生に同行してもらおうと思いまして。」

夜乃は素直に答えた。

その言葉に吸血鬼の口角がニヤリと浮つく。

「へー、やるじゃないか。まさか本当に解決するなんてね。」

口から出たのは率直な感嘆の言葉だった。

「ただ僕は期日は1週間っていったはずだぜ。」

だが、それだけで終わる彼女ではない。先ほどから一転して、そう意地悪く質問する。

「笑いながら言っても説得力がないですよ。」

夜乃は適当にあしらうようにして答えた。

元からその気がないことを悟られているらしい。そもそも1週間というのはただの目安であったし、問題の解決方法自体もその期限で守られている。そして、こちらもこれ以上話を伸ばすつもりはなかった。

「分かった。じゃあ、その時間なら日も薄らいでるだろうし、一緒に本殿まで行こうか。」

始祖はそう言って執筆作業に戻ろうとした。


「…本当に大丈夫ですか?」

だが、夜乃はそれに待ったをかけた。よく見れば、どこか納得のいかないような表情をしている。

「え?6時ならほとんど日も沈んでるし、日傘でも差せば別に日光で焼けることもないだろう…?」

しかし、何がひっかかるのか彼女には見当もつかない。

「あ、いや…そういう話ではなくて」

夜乃は困惑する吸血鬼を制止しながら、話を続けた。


「今書いている原稿の話ですよ。」


瞬間、始祖の顔が硬直する。

「締め切り…日曜日ですよね?」

夜乃のいつもより少し低い声が追い討ちをかけた。

「書けてなかったら連れて行きませんから。ちゃんと間に合わせてくださいよ。」

そう言い残して、夜乃は呆然としている彼女を横目に部屋を後にする。

取り残された始祖は、静かに閉じられた扉を眺めながら小さな声でボソリと呟いた。


「…君は僕の親か。」



次でようやく解決編!


なるべく10月中に終わらせたい。

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