表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/63

4話-4 帰りたいって、思ってますか?

家は何か特殊なこともなく、普通の造りだった。夜乃は少女に連れられるままに椅子に座った。しばらく後に、少女はお盆にお茶をのせて、こちらへ運んできた。

「ど、どうぞ。粗茶ですが。」

「これはご丁寧に。」

「それじゃあ、お菓子も持ってきますね。」

「うん、ありがと。」

そう言って、 少女はまたスタスタと後方へ菓子を取りに行く。

夜乃をそれを横目に、瞬間の手持ち無沙汰な間を、辺りを見渡すことで埋めていた。


自分が今いる部屋は、リビングというよりは喫茶店の客間と言った方が正しいだろう。開放感のある間取りに、幾つかの椅子と机。その上にはメニュー表らしき紙が衝立に立てられて置かれている。

明らかに客を想定した造りだ。

ここには定期的に誰かが来ているのだろうか。

そんなことを考えながら暇を潰していると、少女が辿々しい足取りでお菓子を持ってやってきた。

先ほどの夜乃の様子を見ていたのか、

「な…何かありましたか?」

と少し怯えた表情で尋ねてきたが、

「いや、暇つぶししてただけだよ。」

と伝えると、ほっと胸を撫で下ろして、またにこにこと笑っていた。

それからしばらくは出されたお菓子を頬張りながら少女とたわいない会話を続けていた。

会話を通して分かったことは、少女は見た目だけでなく、中身もちゃんと幼いということ。少なくとも会話の表現や受け答えを見るに、実は老年の女性ということはないだろう。

そして、もう一つは…


「そう言えば、ここにはよく誰か来たりするの?」

「…え?」

少女が予想もしない質問に驚いたのか、目を大きく見開いて言葉を失っていた。

先ほどまでの笑顔とは一転して、暗く俯く少女に夜乃も戸惑いを隠せない。

「あれ?えっ…と、大丈夫?」

何がまずいことを聞いてしまっただろうか。夜乃が慌ててフォローに入ろうとするが、少女はゆっくりと、ただしっかりと目を定めて口を開いた。

「あ、あの!」


「もしかして…その…帰りたいって、お、思ってますか?」


少女の視線が、すがる様な気持ちでこちらを見つめていた。

次で発生編も終わるかなって感じです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ