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そ、それは、その……
「……えっと、小春?」
「な、何かな、優斗君!?」
小春の自室にて。
僕が声をかけると小春は、ビクリと身を竦めつつこちらを振り向く。
「いや、その……部屋入った途端止まっちゃったけど、どうしたの?」
「そ、それは、その……」
「もしかして……勢いで連れてきたのはいいけど、恥ずかしくなっちゃった?」
「ふぇっ!?」
凄い驚きよう。これは図星みたいだな……いや、僕もちょっと恥ずかしいんだけどね。この部屋、なんかいい匂いするし……。
「そ、そう言う優斗君だって、顔赤くなってるよ」
「え?」
あれ、顔に出てた……? むむ、人のこと言えないか……。
僕達は顔を見合わせると、どこかおかしくなって笑ってしまう。
「……えっと、何もない部屋だけど、ゆっくりして行ってね?」
「う、うん……その、頑張る?」
頑張ってゆっくりするってなんか言葉がおかしい気がするけど、頑張らないとどうにかなっちゃいそうなんです。仕方ない。




