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……殺らなきゃ
「別に僕としては、母さんが再婚するのは構わない――というか、むしろ祝福してあげたいんだけどさ。その人と結婚するならそれは――」
僕の言葉を、母さんは手のひらをこちらに向けて止める。
「皆まで言わなくても分かるわ。母さん、優斗が小春ちゃんと結婚するまで再婚待ちます!」
宣言する母さん。なんか、すっかり小春のお父さんと結婚する気みたいだ。ただとりあえず、
「……ま、まだ小春と結婚するかは分からないんだけどね……」
それだけは言っておかないと。高校生になったばかりだし、結婚とかそういうことはまだ考えられないし。……出来たらいいな、とは思うけど……。
なんてことを考えていたら、隣から小さな、本当に小さな声が、かろうじて僕の耳に届く。
「――らなきゃ」
「ん?」
気になって隣を見るとそこには、
「お兄を誑かす女狐……殺らなきゃ」
瞳から光を消し、そんなことを呟く愛華の姿が。
「ストップストップ! ストーーップ!!」
とりあえず、全力で止めた。……いや、殺らなきゃって。怖いよ。本当に。




