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出会っちゃったのよ!
「――それで、何があったの?」
夕飯を食べ始めてから少し、愛華が母さんに問いかける。
「ん、話すって言ったわよね。えっとね、実は――」
母さんは少し溜めて、
「出会っちゃったのよ!」
……出会っちゃった? って……
「何に?」
「素敵な人に!」
僕の言葉に即答する母さん。……いや、え? 素敵な人? 何言ってるの?
「わっとあーゆーせいいんぐ?」
おっと、つい英語で。しかも発音も何もない雑な感じで出てしまった。多分文字に起こしたら英語はおろかカタカナにすらならないやつだよ。
「いやー、あるものねー。こんな歳になっても出会いって」
「……まぁ、母さんは僕を産んだのも早いし、まだ全然若いと思うけどね」
「え、そう? うふふー、息子に言われると嬉しいわねー。こう、家庭によってはお母さんのことを『ババァ』なんて呼ぶ子もいるらしいし……うっ、優斗にそんなこと言われたらと思うと……母さん死んじゃう」
「おいババァ」
「!?」
「……冗談だよ。だから台所から包丁を持ってきて首に突き立てようとするのはやめよう? やられたらこっち側もトラウマ残っちゃうから」
「そ、そうよね、冗談よね……やーね、母さんったら早とちりしちゃって……」
……冗談を言うのも命がけとは。母さんが。




