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【異能探偵NEWS 】 ~広瀬大学学生探偵事務所活動記録 事件名『冷たい檻』~  作者: 中山おかめ
supplement of the 【NEWS 】 -4人と1人の会話劇-
48/48

【異能探偵NEWS 】

「では、我が異能探偵事務所に入所する新入所員西空零司、幽霊所員高橋大樹を祝して、乾杯!」

「っていうか、大学に酒持ち込んでいいんですか?」

「まあまあ西空君。細かいことは気にしない気にしない」

「そもそもおまえが人混みはやだっつうから、この部室で歓迎会することにしたんだからな。感謝しろよ」

「別にオレは歓迎会なんてしてくれなくても……」

「うわっ。今時の子だ。そんなんじゃ社会に出られないよ」

「放っといて下さい。っていうか高橋さん。隣でウンウン頷かないでください。ウザい」

「ささっ。高橋君も遠慮なく飲んで飲んで。成人してるから、お酒大丈夫だよね」

「誰もいない席にお酌してるのって……何か、怪しい儀式してるみたいっスね」

「っていうか高橋に酒出す意味あるのか? 飲めねえんだろ。酒の無駄じゃねえか?」

「ちょっと。幽霊差別は止めろよなー。俺軽く傷ついちゃう」

「実の所、飲めたりできないんですか?」

「え、飲めんの? 俺死んでるのに?」

「いや、分かりません。ただ、お供えとかあるわけですから、もしかしたらと思って」

「よし試してみるぜー!

 ……駄目だ、コップが持ちあがらねー。飲む以前の問題だ」

「ご愁傷様」

「……何度見ても、誰も居ない場所に向けて話してる西空君って、そうだと分かってても恐いっスね」

「恐いというか、危ない奴だよな」

「こらこら。そういうこと言わない。それを言ったら、南ちゃんだって大分あれだよ。動物と真面目に会話してるあの光景。完璧に不審者。西空君のことをとやかく言えないかな」

「済んません。自分を棚に上げてほんと済んません」

「しっかしまあ、ホント個性溢れる面々が集まったサークルだなー」

「幽霊のあんたがそれを言いますか」

「でもさ、このサークルきっと素晴らしいものになるよ。何故なら、個性こせいこーせい(構成)されているのだから!」

「さて皆様。ここでちょっと相談があるのだけど」

「何ですか北さん」「何だ北ちゃん」

「西空君大変だ! 誰も聞いてない!」

「死んでるからです」

「我らが広瀬大学探偵事務所を改名しようかと思うのだよ」

「改名? 今のままじゃ駄目なんスか?」

「正直ダサいと思わない? 広瀬大学探偵事務所。まるでこの大学お抱えの探偵みたい。実際今回も依頼者にそう思われたし。しかもサークル名で登録してあるのは探偵研究会だから、偶に齟齬が生じるし」

「いやでも、他に名乗りようがねえだろ。僕は分かりやすくていいと思うが」

「これだからヘタレなイースト菌は」

「ヘタレ関係なくない? 後イースト菌言うの止めて」

「こんな地味な名前じゃ、いつまで経ってもお客さんは増えない。もっとお客さんの興味を引く名前にしないと」

「その様子だと、北さんもう新しい名前を決めてるみたいですね」

「良くぞ気付いてくれました。では、我らが探偵事務所の新しい名前を発表しまーす!」

「北ちゃん酔ってない? 酔ってるよね?」

「新しい名前はこちら!」



【異能探偵NEWS 】



「西空君が入って、ついに東西南北が揃ったからね」

「西空のNに、心矢のSに……あれ? EとWがどうやって北ちゃんと南に繋がるんだ?」

「あ、東先輩……その発言はさすがにちょっと。酔ってるとしても酷すぎるっス」

「いや酔ってねえよ。え、僕何かおかしいこと言ったか」

「相変わらず東君は能力が絡まないとヘタレポンコツねえ」

「ヘ、ヘタレポンコツ……」

「では西空君。答えをどうぞ」

「……山さんのNorth、海さんのEast、西空のWest、地さんのSouth。それぞれ頭文字を取って、NEWSって事ですよね」

「大正解! いやあ、西が来てくれたらこの名前使えるなってずっと思ってたのだけど、本当に西が来てくれるとは思いもよりませんでした。本当に西空君には感謝してます」

「異議あり! 俺が入ってない!」

「では早速この名前で申請してくるー!」

「西空君大変だ! 異議が却下された!」

「死んでるからです。ったくしょうがねえなあ。北山さんちょっと待って下さい。高橋さんが異議を唱えてます」

「と、いいますと?」

「俺の名前が入ってないと、ガキみたいに駄々をこねてます。そこでピョンピョコピョンピョコ兎みたいに跳ねてます」

「西空君。皆が見えてないのを良いことに嘘言わないでくれまいか?」

「ふふん。まだまだ甘いね西空君。西洋のスイーツより甘々です」

「シバきますよ」

「おお恐。そこのヘタンコツとは大違い」

「ヘタンコツ!?」

「何か美味しそうな響きスね。ラーメンのスープに入ってそう」

「高橋君が入ってないとの事だけど、これをもう一度よーく見て」



【異能探偵NEWS 】



「……? 何もおかしな所は無いように見えますが」

「閃いた! Sの隣の空白が幽霊である俺を表してるんだな。何か不自然にスペースがあるなーとは思っていたが、そういう意味だったんだな」

「ああ、成るほど」

「まだ分からないのかな?」

「Sの隣の空白が、幽霊である高橋さんを示しているんですね」

「その通り。西空君冴えてるね」

「いえ、それほどでも……」

「北山ちゃん! 解いたのは俺だぜ俺。西空君も黙ってないで何か言ってくれー」

「それで北ちゃん。マジでそれ申請しに行くのか?」

「勿論マジ。大マジ」

「突っぱねられると思うんスけど」

「やってみなければ分からないじゃない」

「っていうか、一般人に異能について話すんですか? 絶対聞かれますよこれ」

「細かいことは気にしない気にしない」

「異能について聞かれたら、こう誤魔化せばいいのさ。異能? そんなもの知らないのう・・・

「それでは北山来々留。行って参ります」

「いや北ちゃんやっぱ待て! それ提出するのはさすがに不味い!」

「北さん待って下さい。酔っ払いが校内歩くのは不味いっス!」

「西空君大変だ! 誰も聞いてない!」

「死んでるからです。後、今の駄洒落割と意味不明です」

「……っていうかお前は追い駆けないのかー?」

「人の多い場所にわざわざ行きたくありません。恐いんで」

「お前ぶれねえなー」

「っていうか夜だから学生課開いてませんよね」

「あっ。それもそうかー」


【異能探偵NEWS 】 "Cold Cage" -完-

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