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僕と少女

チーター。

僕はいままでいろいろなゲームの中でそれに出会ってきた。

マクロ........つまりは自動で動作を行わせる者や、彼のように自信のステータスを著しく上昇させる者にも.......。

「おもしろいゲームを作って美希を絶対にトッププレイヤーにさせる!」

「じゃあ!僕もおにぃのゲームで強いプレイヤーになれるように沢山ゲームで練習する!!」

これが僕たち兄妹が交わした約束で........全ての始まりでもあった。

「ロミテカ.......」

彼は僕の前から突如としていなくなった。まぁ、僕も一回だけ彼の目の前から姿をくらましているのだけど.......。

それには理由があったのだから自分では仕方ないと思っているし、今回の彼の行動もきっと何か意図があってのことだと思う。

「絶対にロミテカを見つけ出してまたパーティーを組ませる!」

これは兄がしてしまったことに対する罪滅ぼしのつもりなのかもしれない。

とにかく僕は早くこのゲームに終止符を打つ。そうでもしなければ何故か一つ残っていたテスター能力を強制的に僕のアカウントに付与した意味がなくなってしまう。

「にしてもこのスキルって.........」

表示されているテスタースキル項目を見ながら僕は考える。

そこには『神の加護』と書かれいるスキルと『神聖領域』と書かれているスキルがある。

『神の加護』が、全パラメータを20倍にするpassiveスキルなのは分かっている。だが『神聖領域』というスキルの使い道が未だに分からない。

説明には「自分以外立ち入ることのできない完全なる領域。クールタイム300秒。持続時間60秒。必要MP25。activeスキル」だそうだ。

簡単に言えば60秒間の間、僕以外はだれも立ち入れない領域を作れるらしい。

「僕のジョブは遠距離系統ではないんだけどな......」

そう。こんなかんじでテスターだからといって絶対に有利なスキルが手に入るとは限らない。

僕の場合は運が良かったのか、『神の加護』はランダムで手に入ったスキルで、『神聖領域』のみアカウント指定で手に入れたスキルである。

「まずはレベル上げが大切だよね。」

彼に近ずくためにもまずは、全プレイヤーの中でトップになる.......。これが一番の近道だと思う。

「今日はこの迷宮で25を目標に上げていく。」

そして僕は迷宮の中に入っていった。



10時間以上は経過したのかも知れない。

「27になっちゃった....」

予定より2レベ高い。完全にブラックなレベリングだったと思う。

「今日は帰ってアイテム整理しよ。」

所得ゴールドも既に10万を超えてしまった。

アイテム欄もパンクしそうな程である。

「の前にスキルポイント割り振っとこ。」

スキルタグを開き、『片手剣』に大半のスキルポイントを投与する。それだけではあまり強くならないので、残りを『氷属性』に投与する。

『全スキルに氷属性が8%付与されました。』と表示された。

「さて、戻ろうかなー。」

帰還系のアイテムを使うためにはまず外にでなければならない。

「ここから歩くのか.......」

遠い、絶対に遠い。

戦闘で大分消耗してしまった今の体力ではさすがにキツイ。

「いったんち安置で休も!」

僕はとりあえず敵Mobが入ってこれない安置へ向かうことにした。



安置についた僕は待っていたのは1人の少女だった。

「おかぁさん.......。」

まだ10歳くらいの少女だろうか........。まぁ、性別のみ実際と同じになってしまっているため男ということもありえなくもないが。

「おかぁさん......?」

「ごめんね....僕は君のお母さんじゃないんだ.......」

少女は俯いてしまった。

なにか話題があれば話せるんだけどな.....。

まず、ネットゲームでリアルの話しや話題を持ち込むのはあまり良い行為ではないんだけど........。

うん。今はネット世界ではタブーがどうこう気にしてる暇なんかないよね!

少女のプレイヤー情報を開いてみる。

『みぃや。性別、female』その表示に僕は内心ほっとした。

あまり男の人と話すのは慣れてない。慣れれば話せるのだが.......。

「君、お名前は?」

野暮かもしれないがあえて名前を聞くことにした。

「希......。」

それ.......本名........。

少女も気づいたらしく、ハッとして言い換える。

「み、みぃや。って言うの!!」

「わかった!みぃやちゃんだね。」

ここは明るく話しかける事が大切だ。

「お母さん探してるの?」

「おかぁさん.....。消えちゃった。」

ふぁっ?!。

リアルで聞いたら超常現象すぎて何も言えないが、ここは腐ってもゲームの中だ。もしかしたらリスポーン中なのかもしれない。

「みぃやちゃん。ここにどうやってきたのかと、このゲームの中にどうやって入ったのかも教えてくれると、お姉ちゃん嬉しいかな。」

「うんと.....。」

最初は全く話してくれなかったが、がんばって問いかけている内に少しずつ話してくれだした。

どうやら母親と一緒にこの世界に入り、あの事件が起きてしまった。母親はこの世界生き抜いていくために、レベル上げと、お金を集めることにしたらしい。

もちろん母親1人でいくつもりだったらしいが、みぃやちゃんを1人置いていくこともできず、ここに迷宮まで迷い込んでしまった。ちなみにここの迷宮の中の敵は迷宮の外の敵よりも3〜4レベル高い。外の敵を簡単に倒せても中の敵には全く歯が立たない。なんてこともありえる。

と、ここで僕なりに最高の考えが浮かんできた。

「みぃやちゃん!お母さんは何時間くらい前にいなくなっちゃった?」

「15時間前くらい.....?」

なるほど.........。

ここの迷宮についたのがロミテカと別れて2時間後だった。レベリングしていたのが10時間程度だから、合計で12時間。アップデートがくるまえにみぃやちゃんの母親は倒されている。

つまりまだアップデートの痛みは受けてない。

「じゃあみぃやちゃん!お姉ちゃんと一緒にお母さんのところに戻ろうか!」

「でもおかぁさんは知らない人について行っちゃダメだって。」

「お姉ちゃん実はみぃやちゃんのお母さんとお友達なんだ。!」

もちろん嘘である。しかし、こうでもしなければリスポーン前に戻ることが出来なくなってしまう。

「ほんとに?!」

「うん!だからさ、お母さんに会いに行こ?。」

「うん!!!」

こうして僕はみぃやちゃんをお母さんの元に無事帰還させる.......もとい、撤退戦をすることにした。




まさかこんなところでこのスキルが役に立つとは思ってもいなかった。

「神聖領域!」

僕がそう叫ぶと同時に半径5メートル前後の半球体出現する。

その状態でみぃやちゃんをおんぶして走り去っていく。なるほど。自分と自分が触れいているプレイヤーはその領域に立ち入ることができるらしい。

もちろんすぐに領域が切れてしまうため壁を後ろに迷宮の敵と対峙する。

大抵はゴブリンやオークといったモンスターだが、たまに出現するメイジレイスが厄介だ。

右からくるゴブリンの斜め切りを避けつつ後ろのメイジに属性スキルで攻撃をする。倒したらすぐにみぃやちゃんのところへ戻り、近くに寄ってくるオークとゴブリンを蹴散らす。

「おねぇちゃんかっこいいー!!!!」

みぃやちゃんは応援しつつ拾った石ころを投げていく。

もちろんもし敵に当たってしまった場合そちらにヘイトが向かってしまうため、石が当たった敵を優先的に排除する。

300秒のクールタイムが終了したら、

「神聖領域!」

といい、60秒間走る。勿論僕の体力が続かないので迷宮にたくさんある安置で少し休憩をする。

これの繰り返しで、迷宮の外にでたときは既に8時間を超えていた。

急いでみぃやちゃんに帰還アイテムを渡す。多めに30個くらい買っておいて良かったと思っている。

みぃやちゃんは使い方が分かっていないようだったので簡単に教えておいた

「「ワープ」」

と唱えると、僕とみぃやちゃんの周りを黄色っぽい光のエフェクトが包み、弾けた。



目を開けるとそこは沢山のひとで賑わう最初の大きな街であり、全プレイヤーのリスポーン地点でもあった。









今回は、ユーリスさん目線で書かせて頂きました

(ロミテカ目線で書けなかったなんて言えない)


設定としては、ロミテカさんと完全に別れた後のお話です。

※サブエピソードではなく、メインエピソードてす。

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