ギルドマスターvsチーターの事情
村についた俺を待っていたのは沢山のプレイヤーからの歓迎....。
ではなく、20人程度のプレイヤーからの拘束だった。
「貴様がロミテカだな?」
片手剣と盾を持った男が俺に問いかけてくる。
たぶん騎士を模したのだろう。
まぁ、一応この世界にも騎士の職業はあるがまだ誰も開放してないはずだ。
「人に質問する前にまず自分から答えたらどうなんですかねぇー。」
俺は今世紀最大の皮肉をこめて言った。
「罪人に教える義務はないな。」
まぁ、決まり文句である。だがしかし、ここはゲームの世界だ。
俺は目の前の騎士の情報を見る。
「クルージスって言うんだな。」
「なに?!貴様なぜ分かった?!。」
騎士は驚いた。
こいつバカなのか?
「いや、基本情報で....。」
「貴様も能力者なのか?!」
初心者すぎて話にならない。
「いや、これも貴様のチートの能力だな!」
「だから基本情報だって言ってるだろ?!」
てか、なんでこいつ俺がチートを使えることを知ってるんだ?。
「ふんっ。まぁいい。貴様にはここでデスポーンしてもらい、我々が作った牢獄に入ってもらう。」
「牢獄...?」
「なんだ貴様、ギルド『great・SKY』を知らないのか?。」
「あぁ、知らねぇな。」
噂にも聞いたことねぇぞ、そんなダサい名前のギルド
「知る必要もない。貴様は我々の牢獄に最初に入るべきプレイヤーだからな。その時に我が直々に教えてやろう。」
「意味がわからねぇ。」
全く分からない。なぜこいつらが俺がチートを使えるのかを知っているのか。なぜこいつらがそんな警察みてぇなことをしているのかも。
「裏切り者には死を!!!!」
「「「「異端者には罪を!!!」」」」
目の前に騎士と、その取り巻きっぽい奴らが一斉に武器を構える。
「さて、どうしたものか....。」
正直、ここにいる騎士とその取り巻きを全て倒すことは容易だ。
だが、ここで使うと本当に俺がチーターだってバレる。まぁ、既にバレているのだが。
「こりゃー、一世一代の悩みもんだな。」
そこに一人の少女...いや、少年が割って入ってきた。
「そのバトル、僕も混ぜてくれないかな?。」
聞き覚えのある声だった。
「お前.....。ユーリスじゃねぇか!」
「久々です。ロミテカさん。」
「ユーリスだと!?プレラン1位のユーリスだと?!。」
騎士っぽい男がまた驚く。
ちなみに俺も驚いた。プレイヤーランキング1位というと、200000人のプレイヤーの中でトップということになる。
「ユーリスってβ時代のトッププレイヤーだっけ?」
「そうだぜ。なんか、βの時だけでレベル50を超えたらしいな。」
「50?!ありえるかよ。」
周りもざわめきだした。
「ユーリス貴様!ランカープレイヤーの貴様がそんなチーターの味方になるとは.....。見損なったぞ!」
「かまわないさ。僕は君みたいな勝手に人を疑うようなプレイヤーに見損なわれても、なにも思わないからね。」
「ぐぬぬ.....。」
まぁ正論である。
「ユーリス。なにかいい策でもあるのか?」
「ないよ。」
即答かよ。
まぁしかたねぇ。どうせバレるんだ。
ここで使うのも惜しくなねーな。
「じゃあちょっと失礼するぜ。」
「えっ!?ちょ!まっ...」
俺はユーリスをお姫様抱っこしながらこう言い放った。
「ワープ!」
白い光が俺とお姫様抱っこ状態のユーリスを包む。
場所指定しておいて良かった!
俺は心の底からそう思った。
「逃げるつもりだな?!」
「あぁそうさ!」
ここまできたのなら、もう隠す必要はない。
「俺は天下のチーター様だ!!お前らをkillするのは容易だが今回は見逃してやるよ!」
「なにぃ?!」
「じゃあな。ギルドマスターさん。」
光は一層強くなり、数秒後には俺とユーリスはもうその町からは姿を消していた。