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俺の選択。

「やぁ、会いたかったよ。」

園原巡査部長の運転する車から降りた俺を歓迎したのは、会ったことも無い青年だった。

「えっと.......はじめまして?」

「はじめまして?笑わせないで欲しいね。君と会ったのはこれで3回目だよ。」

「?」

記憶にない。いや、向こうが会ったと思っているだけで実際には会ってなかったり........

「誰ですか?俺は貴方にあったことなんて一度も.......」

「君を........半年間寝かし続けた本人さ。」

あー。ダメだ。この人本当にイカれてる。

俺はこんな青年に会ったことなんて一度も無いんだけど。まじで。

ましてや俺を半年間寝かし続けたって.......こいつは俺の母親か何かか?

「岡田少年。彼は六壁院家の長男だった『六壁院 裕也』だ。そして......」

「ロクサスノーツ唯一の運営さ。」

こいつが?運営?まだ20歳ぐらいなのに?

若づくりでもしてんのかよ。

「まぁ、外で話すのも悪い。一度中へ入ろうか。」

六壁院裕也に連れられ六壁院家のお屋敷へ入る。

外から見ただけでも分かるがこの家は本当にデカイ。うちの家とは比べものになら無いくらいだ。中に入ると数人のメイドが行き来していたが、皆んな六壁院裕也とは目も合わそうとしない。嫌われているのだろうか。

「僕は一度この家から勘当された身でね.......残念だけど、アニメみたいにメイドがお世話してくれたり、お茶を出してくれる事なんて絶対にないよ。」

「そ、そうっすか。」

なんともすっとぼけた返事しか返せなかったが.....こいつも苦労してるんだな。

「ま、人の家の事情には深く首を突っ込まない方が良いよ。」

「あぁ。突っ込みたくもない。」

六壁院裕也の部屋( 多分 )は広いものの、家具などが何も無い状態だった。

あるとすれば小さい机とその上にゲーミング用のノートPCがあるくらいだ。

六壁院裕也と向かい合うように机を間に挟み座る。

「話したい事ってなんだよ。」

正直、こいつの作ったゲームは面白かったし見てくれた奴はほとんど居なかったが『俺TUEEEEEE』が堪能出来たので満足している。

が、姉貴を巻き込んで警察沙汰に持ち込まれたのはさすがに困った。これで姉貴が会社を首にされたら俺のゲーム代.......もとい生活費が稼げなくなっちまうだろうが。

「まず謝らして欲しい。うちのバックサポートの会社が君のお姉さん?を警察に告訴してしまったことについて.......本当にすまなかった.......。

だけど安心して欲しい。マスコミには君のお姉さんのパソコンにウイルスが入っていて遠隔操作でハッキングされたことにしておいた。

もちろん働いているであろう会社の社長さんにも顔を合わせて謝罪させてもらった。」

それを聞いて俺はホッとした。これで生活費に困ることはない。

「ゲーム内に閉じ込めた事については謝らないんだな。」

「あぁ。その事については君個人に謝っても意味がないからさ。」

「ふっ。もしそれで謝られてたらぶっ飛ばしてたよ。」

ぶっ飛ばせる力なんて俺にはないから、ビンタぐらいで終わっていた気もする けどな。

「で、話ってそれだけ?それぐらいならここまで来なくても......」

「勿論ここからが本題だとも!」

するとさっきのノートPCを俺の方に向けてくる。

PCのディスプレイには何やら大量の文字羅列と、リスト化された名前のような単語。その他色々なウィンドウが開いている。

通常のパソコンなら速攻落ちるレベルの情報量だろうが、この『モンスターウェア』というパソコンは超高性能かつ超ハイスペックで........

ステマに思われそうなのでこのへんで割愛しておくが、それだけの情報量が詰まったパソコンが俺の目の前に鎮座している。

「これ......ロクサスノーツか?」

「僕はこのゲームの運営。それに開発者でもあるのだからね。」

「でもどうやって?!」

さすがにゲーミングPCだからと言ってここまでのデータを保持出来るわけがない。

「簡単なことさ。まず、今のロクサスノーツにはプレイヤーが一人も居ないわけだ。それだけでサーバはあり得ない程軽くなるし、まずそのパソコンにはプレイヤー一人一人にデータが入っている訳じゃないんだ。もちろんNPCも。」

「誰もいないワールドが入っているだけなのか。」

「心配しないで欲しい!君達が半年間汗水流して作り上げたデータは本社にあるサーバに隔離してある。即効消去することも可能だ。」

「ふーん。そうか。」

一体こいつは何が言いたいんだ?

「ひとつ質問してもいいかい?」

「ん?あぁ。」

「僕はこのゲームに人生の大半を賭けたと言ってもいい。それは時間だけじゃくて、僕の人生全てだ」

『妹ととの約束も。』

その言葉も小声で聞こえた気がした。

「そこで質問その1。

岡田.......いや、君はロミテカとして僕のゲームを楽しめたかい?」

目が本気だった。

これは覚悟を決めた男の目だ。

「あぁ......お世辞抜きでめちゃくちゃ面白かったよ。プレイヤー一人一人が自分の意思で転職できたり、βテスターのメンバーにはゲームを優位進めるための特殊スキルを付与してたり。ここらへんは良くあるMMORPGゲームだったと思うよ。それでも基本スリーサイズが実際の本人と全く同じ体格になってたり、破壊寸前の武器を破壊不能オブジェクトに叩きつけるとエフェクトが重なり合ってチート並のバグができてたり......。」

「ほぉ。スリーサイズが本人と同じになるような欠点があったとは......」

こいつ、わざとやってそうだな。

「なんやかんやで俺が遊んできた中で一番面白いゲームだったって『今なら』思えるよ。」

「そうか.......次に質問その2。もしロクサスノーツがごく普通のVRMMORPGに戻ったら......ゲーム内に閉じ込められなかったら......君はまたロクサスノーツにダイブできるかい?」

「まぁそうだな.......」

正直な感想、悩む。

もしまたダイブしたら戻れそうにないわけだし、でもやっぱりあの世界で出会った仲間とは会いたかったりする訳だし......。

「すまない。もう時間が無いんだ.......君の前にあるパソコン。その電源ボタンを押せばそのパソコンは初期化されるように設定されてある。つまりパソコンの電源を落とせばロクサスノーツという世界は完全に消え去る。」

「.........」

「だけど、もし君がロクサスノーツというひとつの世界を忘れられない。または、もう一度知っているプレイヤー達に会いたいなら........

そこにあるメインウィンドウの『Open the World』をクリックしてくれ。

直ぐにでも前のワールドが解放され、君たちが施した全プレイヤーのBANも解除される。もちろん君のアカウントもだ。」

つまり俺は今、人生で一番の選択を迫られている訳だ

「俺は......」


ワールドを復活させる

→http://ncode.syosetu.com/n9073db/18/




ワールドを消し去る

→http://ncode.syosetu.com/n9073db/19/






マルチエンディング( 2つしかないけどw) をやってみました!

視聴者様が好きな方を選んで、そちらのURLをコピーし、Googleの検索欄に貼り付けて見てくださると幸いです。

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