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少女とギルド

「いやぁー。久しぶりだな!諸君!」

「なんでお前ここにいんの........?」

恐らく僕はこの世界で一番嫌いであろう人物を人睨みする。

「やだなぁー。β時代一緒にパーティーを組んだ仲じゃないか!あのころのユーリスちゃんのほうが可愛いかったんだけどなぁー」

「笑えないね。」

そう、僕はこの男とβ時代パーティーを組んでいた。しかしこいつは......

「なんでや?!なんでUKMさんがそっち側におるんや?!」

「そっち側?さぁ?君は誰だい?俺は君のような奴と話したことなんかないんだけどね。」

こいつはいつもこんな感じだ。仲間のフリをしてすぐにその情報を売り払う。

「あ!もしかして俺と友達になりたいならなってもええで。高いけどな。」

「........」

おじさんは完全に燃え尽きたようだ。唖然としている。

「こほんっ!」

ここで僕を助けてくれた幼女ちゃんが注意を引く。

「あなたがたのことは情報屋から聞きました.......カミーユ!勇者さん!くろさん!縛っている奴らを牢獄にぶち込んでおいてください。」

「「「らじゃ!!」」」

さっきの騎士さんと他2人によっておじさんズは牢獄というところに連れて行かれる。

「UKMーーーー!きさまぁーーーー!F⚫︎ckーーーー!」

とても汚い言葉が聞こえた気がするがあえて放置しておく。

「お二人が知り合いだったことには驚きました!」

幼女ちゃんが目をキラキラさせて言ってくる。

「別に知り合いじゃない。」

少し言葉が冷たくなっているのが自分でもわかる。

「そ!知り合いじゃなくて友達だよなー!」

ギロリ......。

「あ、さーせん.......。」

それでもUKMは笑っている。

こいつは何を考えているのか全く分からない。

「あ!お名前を申し遅れました!私は.......」

「リーダー!終わりましたよーっと!」

ここで幼女ちゃんが自己紹介をしようと口を開いた。同時にさっきの騎士一行が帰ってきた。

「ねぇ!勇者くん!!何回も私の自己紹介の時には場に割り込んで来ないでって言ったよね?!」

「え!?また俺割り込んじゃった?!」

「それ.......わざとにやってるの?」

幼女ちゃんが少し怒っていた。

怒られてる勇者くんという男も嬉しそうだ。M属性を保持しているのかもしれない。

「あらためまして!!」

仕切り直す。

「私は苺ミルクっていいます!ギルド『ユニランカーズ』のリーダーやってます!」

正直幼女ちゃんの名前を聞いた時、ネットによくいそうな名前だね!なんて思ってしまった。

「んーで、こっちにいるのが副リーダーのカーミユ!」

「どうもです.......」

こちらはリーダーの苺ミルクちゃんとは違って大人っぽい女性だ。

長い黒髪が特徴的な人だ。顔はフードをかぶっていてあまり見えない。

苺ミルクちゃんが光属性だとしたら、カーミユさんは闇属性ってところだろうか。天使のように笑ってみんなに元気を与えそうな苺ミルクちゃんに対して、カーミユさんがもし笑ったら魂を吸い取られるかもしれない。そんなオーラを放っている。

まぁ、顔が見えないため笑った顔も分からないと思うけど。

カーミユさんごめんなさい!!

「こっちにるお兄さんがくろさん!」

「おっす!唯一ギルドでタンク役の『時間の主』だ!」

「?!」

まてまてまて!なんでクロさんって呼ばれてんのこの人?!『クロ』なんて言葉どこにもないじゃん!!

「あぁ......」

ここで私の考えている事を苺ミルクちゃんが察する。

「クロさんは、『時間の主』ってプレイヤー名だけど、呼びづらいから『時間』って部分から『クロノス』っていう神の名前がでてきて、そこから『クロさん』になったんだ!」

「なるほどね......」

ネットゲームでは良くあること。なのかも知れない。

「これぐらいかな!残りの人たちはギルドハウスとかにいるから、ユーリスさんがギルドメンバーになってくれた時に紹介するね!」

「 「ちょ、ちょっと待って!!」」

僕と騎士さんがハモる。

「僕、ギルドに入るなんて聞いてないんだけど!」

「俺の紹介されてないんだけどぉ?!」

「あーそうだったね!」

本当に忘れていたのか、わざと忘れたふりをしていたのか分からない。

「そこにいる騎士みたいな人は『勇者君』。ギルド内では特攻隊長って呼ばれてるよ!」

「え?まって?俺そんな名前で呼ばれたことない.......」

騎士さん......あらため、特攻隊長さん乙!!

「ユーリスちゃんにはあえて言ってなかっただけだよ。」

「でも、僕ギルドなんか入る気ないし......」

「ふーん......」

え?なに?苺ミルクちゃん怖いんだけど。

「ロミテカさん......だっけ?」

「?!」

「彼がゲームマスターに見つかったことで全プレイヤーに痛みというペナルティが追加された。今、この世界のプレイヤーの半分はロミテカさんを、もう半分はゲームマスターとその妹であるユーリスちゃんを恨んでるはずです。さっきの人みたいに.......」

「じゃあ、そんなみんなに恨まれているような僕が苺ミルクちゃんのギルドに入ったら、君たちまで恨まれるんじゃないかな?」

「もう既に恨まれてますら。」

「え?」

なんて?なんでみんな黙ってるの?UKMもいつのまにか消えてるし.....。

「知りたいですか?」

「いや、別に......」

「分かりました!ついてきてください!」

待て待て待て。僕知りたいなんて一言も言ってないんだけど!

「ギルドに入って貰うんだから仲間のことはちゃんと知ってなきゃね!」

「僕はソロでやるんだってば!」

「だめだよ!またさっきの変態どもにユーリスちゃんが拉致されたらこまるからね!」

ちょっと話盛ってない?拉致られた.....のは本当だけど、変態っていうのはさすがに........。

「だからユーリスちゃんには絶対に来てもらわないと!」

「いや、だから.......」

「拒否権なし!!!カーミユ!!」

そういわれ、カーミユさんがテレポート系呪文の使用準備に入る。

「え?」

僕は目の前で起きていることに驚愕した。なんとカーミユさんの周り半径5メートルほどを巨大な魔法陣が形成されていた。

「逃げることはできないよ!カーミユの専用スキルは単体魔法を範囲魔法に変換できるサポートスキルだからね!!ちなみに、マヒ魔法も使ってるからちょっと痺れるかも!」

なるほど、テレポートスキルを範囲魔法に変換しただけでなく、マヒ魔法スキルも範囲魔法にしているのか。通りで動けないわけだ。ちなみに苺ミルクちゃんや、時間の主さんなんかは同じパーティーのためパラライズにはなってない。

「少し寝ててね!」

苺ミルクちゃんが天使のような笑顔で銃口を向けてくる。

トリガーが引かれ銃弾が太ももに当たったの分かる。が、そこまで痛みは感じない。代わりに眠気が襲ってきて.......。

そこで僕の目の前は真っ暗になってしまった。

僕、どうなるんだろ.......?






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