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金属器使い  作者: 未達
8/9

【赤銅の国】未来裁判

 赤銅の国は麺料理が豊富な国であり、その中でも饂飩と蕎麦が有名だ。この白と黒の料理はよく一緒に並べられ、ことあるごとに人々に人気を比べられている。

 私は炉〔ろ〕の街の通りにある麺料理屋に入り、饂飩を食べていた。

 私が木の差し刀に麺を絡めとりながら饂飩を啜っていると、饂飩にも似た薄い色の毛並みを持った尻尾付きの少年が私の後ろを通過した。

「うわっと、すいません」

 その途中で少年は足をひっかけて転びそうになり、私にぶつかる。

「いえ、お気になさらず」


 少年はそのまま麺料理屋の出口まで行き、食事代を支払った。

「おや、黄金の国の金貨かい。それなら一枚だ」

 少年と店員のやり取りに耳をそばだてるに、支払いは金貨でもできるらしい。金貨を持っているということは、少年も私と同じように黄金の国から来た旅人なのだろう。

 物珍しげに様子を見ていると少年がこちらを振り向き視線が合う。彼は慌てた様子で私から視線を反らし、そそくさと麺料理屋を出ていった。


 私も饂飩を食べ終えて勘定を済まそうと店員の前に出る。

「御客さんは饂飩一杯だね、20銭だよ」

「はい、ちょっと待って下さい」

 私は荷物の中を漁るが、財布が見つからない。

「あれ……おかしいな……」

 中身を全て開けても出てくるのは金属器と野営道具に保存食くらいで財布は何処にもない。店員は荷物を開け始めた私を訝しげな眼差しを向ける。


 財布がない。


 こういう時のために便利な金属器を持っていて良かった。私は一対の¬棒〔かぎぼう〕をそれぞれの手で握り呪文を唱えた。

「財布よ財布よ財布さん、あなたは何処においでですか」

 ¬棒〔かぎぼう〕はあたかも意志を持っているかのようにひとりでに傾き店の外を指した。そのまま町中を覗くと、¬棒の先には先程の少年の後ろ姿があった。金属器が示す先、少年が支払った金貨、その前の衝突。私の思考が一つの線で繋がった。

「あーっ!待て財布泥棒ー!」

 私は慌てて荷物を袋に入れ直して麺屋を飛び出した。

「食い逃げだー!」


 私は泥棒を追いかけるが、さっきの大声で相手も全力だ。すぐに引き離されて見失ってしまった。

 再度¬棒〔かぎぼう〕を出して探そうか……と余所見しながら走っていると、何か柔らかいものにぶつかった。

「きゃっ!」

 美少女だ。泥棒少年もかわいい容姿ではあったが、こちらは女の子の可愛さを全身から発散させている。彼女も尻尾付きで、少年が饂飩ならば少女は蕎麦と言える感じの黒みがかかった毛並みをしている。

「ごめん、怪我ない?」

 私が手を差しのべ、少女を起こした。


「あの……何処かで会いましたか……?」

「え?」

 初対面のはずの少女から、意外な言葉が出てきた。

「あ、すみません。私の間違いです」

 少女は慌てて訂正した。


「それより財布泥棒を追ってるんだけど、貴方くらいの年背で貴方より毛並みの薄い感じの少年なんだけど。見覚えとかない?」

「コンタだ……」

「コンタ」

「私の連れです。まさかまた盗みを働いてるなんて……」

 少女は頭を抱えた。どうやら知り合いらしい。

「それなら話が早いね。盗まれた金貨15枚分の貨をあなたが立て替えてくれれば解決するから」

「すみません……そこまでのお金は持っていないです」

「はぁ……あいつを捕まえた方が早いか」

少年の行方は完全に見失ってしまったが、金属器を使えばそのうちどうにかなるだろう。


「あの、待って下さい。ひとつ話を聞いて戴けませんか」

「なに?」

「お願いがあります」

 もしかするとまた面倒なものに当たってしまったのかもしれない。その少女は目を潤ませながら私を見てくる。往来の真ん中でこういった子供を泣かせてしまえば、どんな噂が立つかわからない。


「私はボタンヅルと言います。代々未来を見る目を持つリの一族で、要は未来の光景が見えるのです。そして私の連れの名前がカザグルマ、他人の視界を借りる力を持つコの一族です。コとリの一族はお互い仲が良くて、私達幼馴染みなんです」

「あれさっきコンタって」

「すみません、あれは童名で……いつもの癖でつい呼んでしまっただけです」

「ああそう」


「それでお願いというのは、カザグルマに盗みを止めさせてほしいのです」

「は?どうにかして欲しいのはこっちなんだけど」

「ダメですか」

「ダメもなにも、私はあなたの知り合いでも何でもない。今ここで会ったばかりの他人だよ」

「すみません……未来では何度も会ったことがあったから少し舞い上がっていました。そうですよね、赤の他人ですよね」

「その未来っていうのは何なの。必ず来るものなの」

「未来は必ず来ます。一族でこの予言を外したものはいません。でも、予言した時からその未来までに未来を変える意志をもって行動する人がいれば、未来が変わることもあります」

 つまり必ず来るわけではないということだ。


「私が見た未来では、コン……カザグルマが絵画泥棒の疑いで裁判にかけられてしまって、その時に居合わせたのが貴方なのです」

「居合わせたって何? 私も裁判に参加するの?」

「そうです。あまり裁判について詳しく知ってるわけではないですが、あなたを見たのは弁護人の席だったと思います。罪人を庇う役目です」

「そう、ならば彼は残念ながら牢屋直行ね。私から盗みを働いたんだもの、未来の通りなら報復している頃合いだわ」

「なんとかなりませんか」

「あのね、私はただの旅人で慈善の心に溢れる裕福な神官様じゃないの。そういうことは相応の報酬を差し出すか、もっと親身になってくれる人を探すんだね」


「きみだね食い逃げをしたのは。詳しい話を聞きたいから詰め所まで来てもらおうか」

 ボタンヅルの話を断ち切って私が振り向くと、三人の兵士に囲まれていた。炉の街を守る兵士は私を待っていたようで、すぐに捕らえられた。強い力で腕を引っ張られる。

「財布を盗まれたの!」

「食い逃げの常習犯はよくそういう嘘をつくんだよ」

 私は両腕をがっしり掴まれ、兵士に連行された。


 詰め所に着くと、机が置かれた畳張りの部屋に通された。机には円形の磨き上げられた金属器と、水を張った陶器の皿が置かれている。そこに兵士の一人が座り、私は向かい合う形で座らされた。

 金属器は澄んだ水面のように部屋の様子を映し出している。いわゆる鏡という奴だ。

「そこの皿の水で手を濡らしてからこっちの鏡に水滴を落としてね」

 私が言われた通りにやると、鏡の上に波紋が走った。

 鏡には私が店を出ていく姿が鮮明に映し出される。

「お、見えてきたね。食い逃げの状況。これは墨だね」

「だな。これはダメー」

「ダメー神きちゃったかー。神様レベルの否定事案だね」

 兵士たちが鏡を覗きながら口々に言いあう。一部の単語とやり取りについては理解が追い付かない。

「あ、墨ってわかる? 重罪人の体に一般人と見分けるために入れ墨をするから、その意味を拡大して罪があることを墨と比喩してるだけだよ。食い逃げ程度じゃ実際に入れ墨まですることはないから安心してね」

「どちらかというと否定の神ダメーが駄目です」

「おーもうわかってるじゃん」

「だな。これはダネー」

「ダネー神きちゃったかー。神様レベルの肯定事案だね」

 兵士たちは私の顔を覗きながら口々に言いあう。挙句勝手にわかり手にされた。


「まあ事務的な話に戻すと、食い逃げの証拠は十分に得られたよ。君がやったという事実を僕らは押さえているわけ」

「だから言っているでしょう。この少し前に財布を盗まれたって」

「ふーん……じゃあもう少し確認してみる? もう一度水滴お願いね」

 私がもう一度水滴を落とすと場面が変わった。鏡に写し出されたのは少年が私にぶつかったところで、彼が私の背後でふらついて倒れていた。ちょうどそこには私の荷物袋が同じように半分ほど見えており、かすかに動いた。

「ここです」

 真剣な面持ちで兵士たちは鏡を見つめる。


「ああ駄目だねこれ。角度が悪い。申し訳ないけど盗まれた決定的な動きが隠れていて見えない」

「だな。これはダメー」

「術をやり直したら見えるとかはないんですか……」

「何度やり直しても同じだよ。俺達も詳しいことまではわからんが、この魔道具はそういうものなんだ。まあ初犯ということと財布を紛失しているというやむを得ない事情があったことはわかったから、取り敢えず牢屋に半日ってところで手を打っておこう。盗まれたならありえないけどもし詰め所に財布が届けられたら君に返すから、戻ってくると信じるなら後で確認に来てくれよ」


「あの、裁判とかはやらないのですか」

「ははは、裁判をやるのは重い犯罪だけだよ。こういう軽い罪でいちいち裁判を開いていたら時間がなくなってしまう。今回は取り調べだけな」

 こうして私は半日の間牢屋に囚われることになったのだった。




 次の日私が炉〔ろ〕の街の大通りの片隅に敷物を広げ大道芸をしていると、見知った顔の兵士に裁判に出てほしいと頼まれた。私から財布をすった少年が別の盗みをして捕まったらしい。それで連れの少女が私を弁護人に指名したという話だ。


 裁判の場は屋敷の中庭と大部屋の一室を使い、縁側より上に裁判官が座り下に罪人や傍聴人が立つという図式になっていた。裁判長は炉〔ろ〕の街を治める双角の貴族で、左右に裁判員が二人。裁判長から見て右手の縁側に検察として炉の兵士長が立ち、左手に私が立つことになった。カザグルマは縄で縛られたまま庭の砂利の上に立ち、後ろにはボタンヅルを含む数人の傍聴人が、後は兵士長の後ろや庭の周囲に何人かの兵士が控えていた。


「さて、それでは事件について概要を説明したまえ兵士長」

「はッ。

 ことはアジサイ邸にて、絵画『湫〔くで〕の紅葉』が一夜で盗まれました。その絵は三日後市井に展覧するために四日からアジサイ邸の蔵に運び込まれていたもので、関係者以外はそれらの詳細な情報を知ることはありませんでした。アジサイ邸では屋敷の入口を守る夜番を二人ずつ二交代制でつけていただけで、蔵をしっかり守っていたわけではないとのことです。アジサイ殿本人によって昨晩と今朝の二度、絵の確認が入りその間に盗まれていたことが判明したということです。

 目撃証言は夜番から上がっており、深夜に屋敷前を徘徊する怪しい影がいたと報告されています。その体格ともう一つの有力な情報をもとに絞った結果、このカザグルマという名の旅の少年を捕らえるに至ったわけです」

「俺はやってない!」

「口を慎め! 貴様の発言は許可されていない!」

「このカザグルマを捕らえるに至った経緯は二つ。一つは常日頃から盗みを働いていたことを窺わせる報告が上がっていたこと。もう一つはアジサイ邸にて展覧会の切符を買いに来ていたことです」


「占いの結果はどうであった」

「白でした。決定的な証拠は映っておりません」

 兵士長の後方に控える兵士が、陽光を反射して輝く鏡を掲げた。鏡の表には青空が映し出されている。


「では裁判を始める。まずは被告人の口から事実確認を行う。被告人、そなたは昨夜アジサイ邸の蔵から絵画を盗み出した。これは事実として相違ないか」

「やっていない!」

「ほう……それでは事件のあった時間に何をしていたのか言ってみなさい」

「そ……それは……寝ていたんだ! 夜なんだから寝るのは当然だろ」

「それを証明する者はいるのか?」

「裁判長その件については弁護人の私から説明できます」

 私が手をあげた。裁判までには半日の猶予があり、その間に検察と弁護人は証拠の収集や事情聴取を行うことができる。私もこの席に着くまでに情報を集めていたというわけだ。


「弁護人の発言を許可する」

「カザグルマはそのあいだ、確かに布団の中でした。しかし、寝ていたわけではありません。彼はポンコ…ポンコと声をあげながら己の敏感な部分を……」

「わーー! わわーー!」

 カザグルマは唐突に赤面し、大声で騒ぎ立てた。その行為に怒り心頭となった裁判長の顔が鬼の形相へと変化した。

「うるさいぞ、被告人! 今は大事な証言の最中なのだぞ!」

 裁判長の一喝でカザグルマの縛り縄を握っていた兵士が彼の口を押さえた。カザグルマはしばらくもがいた末大人しくなる。

「……と、懸想をしていたわけです。宿のものがこの時間、客間の床が軋む音を聞いております」

 途中が被告人に遮られてしまったが、大事な点は伝わったはずだ。私は一息つく。


 裁判長は神妙な顔でしばし考え込んだのち、問いかけた。

「して、ポンコというのは何だね」

「そちらにいるボタンヅルさんの童名です。被告人には少々特殊な力がありまして、他人の目を借りることができるのです。大方この時間湯船に浸かっていた彼女の目を借り、裸体を鑑賞していたのでしょう」

「ち……違う、誤解だ」

 傍聴席にいたボタンヅルは顔を真っ赤にして俯いていた。

 

「被告人、正直に答えなさい。君はポンコくんの体で懸想をしていたのかね?」

「違う……俺はそんな助平なことは……」

「鏡を用意しろ。すぐに真偽を確かめるのだ」

 鏡を持った兵士と皿を持った兵士がカザグルマの前に出て、片膝立ての姿勢でその二つを掲げた。前日私が詰め所で行った儀式と同じだ。カザグルマは縄持ちの兵士に腕を掴まれて、無理やり形をなぞらされる。皿の水に手を浸し、その後手の水滴を鏡に滴らせたのだった。

「出ました! 弁護人の言節は真です!」

 兵士は鏡を持ち上げて全体に見えるようゆっくりと回転した。興奮しながら布団の中で激しく寝返りをうつカザグルマの姿が映し出されていた。庭中から感嘆の声が漏れる。

「あ……ああ……」

 カザグルマは恥ずかしさのあまり陶器のように固まり、少しつついたら崩れそうになっている。


「さて、被告人がポンコくんで懸想をしていたことで、目撃証言があった刻に彼はアジサイ邸にいないことがわかってしまった。それでは誰がやったのだ。被告人がやっていないのならば、話は振り出しに戻ってしまう」

 兵士長が手を挙げた。

「裁判長は弁護人に言いくるめられているだけです。彼は妖しい術を使ったのかもしれません。魔道士であれば何らかの手段で他の場所に同時に存在することや、一瞬で他の場所に移動できる魔術を使えるかもしれません。犯行に使った金属器も捕らえられる前にどこかに隠していたり捨てたりしていれば、我々が発見出来ていないこともあり得ます。確かな情報筋から彼はすりが出来るほど器用だと伺っておりますので、我々を騙すことなど造作もないのでは。あるいは忍者」

「ふむ……兵士長の言っていることも一理あるな」

 魔道士や精霊を引き合いに出せば何だって否定できない。兵士長はどうしても彼に罪を着せるつもりらしい。これはうかうかしてられない。

 私はボタンヅルに手づに合図を送った。親指と中指と薬指を重ね、人差し指と小指を突き立てる。いわゆる狐型というやつだ。そこから親指だけを離したり戻したりして狐の口をパクパクと動かす仕草を見せた。

――もう話すけどいい?

 ボタンヅルはそれに応えて同じ狐型を作り、一度だけ口を開いた。予め決めておいた肯定の返事だ。

 私は裁判長に向き直った。


「そのことですが裁判長。私は彼が盗みをしていないという全ての証拠を握っています。そもそも『湫〔くで〕の紅葉』は盗まれていないのです。あの沼地に舞い降りた紅葉を描いた美しい水墨画はまだアジサイ邸にあるのですよ」

「なん……だと……」

 裁判長は言葉を失い、周囲がざわついた。が、私が口を開くとしんと静まった。

「アジサイ邸の縁の下を探してみてください。そこに絵画があるはずです」

「今すぐ確かめろ! 誰か向かえ!」

「はっ」

 兵士長の命令で兵士の一人が持ち場を離れ駆け出した。


「どういうことか説明してもらおう。弁護人よ」

「実は私は昨日そこの観覧席にいる少女、ボタンヅルから依頼を受けていました。依頼の内容はカザグルマが盗みを犯さぬようにすること。それを果たすために私は彼に監視をつけ、絵画を安全な場所へ隠したのです」

「どうやってだね。彼と絵画は離れた位置にあるのだぞ」

「そうですね……実際にご覧になった方が早いでしょう

 私は金属器の人形達と数冊の本を取りだし、まず本を地上に置いた。人形の一つで本を一撫でするとカタンと本が音をたてて開く。すると屋敷の砂利を突き破って泥が立ち上がり、カザグルマと同等の大きさの人形となった。泥人形の表面は土気色で、目や口や耳はない。影人のように簡素な輪郭だけを保ち人に見えている。

 庭中からどよめきが起きた。

 私は別の人形と本を使い二体目の泥人形を作ると、金属器の人形の方を動かして泥人形達を操作した。私が人形を振る動きに合わせて泥人形たちが横に足踏みを始める。途中で私は手中の人形を動かすことをやめるが、泥人形の足踏みは続き、時折後ろで本がカタンとページを送る音が響いた。

 最後に私が金属器を手放すと、二体の泥人形は崩れて土に戻った

「こうやって複数の泥人形を操り、カザグルマの監視と絵画の待避を行ったわけです。夜番が見たのはこの泥人形でしょう」

 私の魔法がちょうど終わった時に兵士が舞い戻ってきた。

「ありました! 言われた通りの場所に絵画が隠されていました!」

「これで事件は解決ですね」

 私は胸を張った。兵士長は煮え湯を飲まされたような顔をして私を見つめている。

 裁判長は左右の裁判員たちとの合議に入り、小声でひそひそと話し合いを始めた。


 しばらくの間を置き、裁判長がこほんと咳ばらいをすると、屋敷の空気は張り詰めたものに戻った。

「兵士長、弁護人を……いや、今回の騒動を起こしたそこの魔道士を捕らえよ。真犯人が見つかったことで被告人の無罪は晴らされた。

 罪人を更生させようとする善意を以って今回の犯行に及んだということで情状酌量の余地があるとし、犯人に再びこのような奇行に及ばぬよう牢で反省させることで今回の刑は終わりとする。

 これにて今回の裁判はお開きとする!」

「皆のものかかれ!」

 嬉々として発せられる兵士長の号令で、周囲の兵士たちが機敏な動きで私を包囲した。

「あれー?」

 私はあっという間に捕らえられ、二日目の牢屋生活に入ったのであった。

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