第4話 オーク駆除
ゴブリンが一掃され、村周辺の安全確認が終わって数日がたった。
村人2人が、山菜を取りに森に入ったところ一人が大怪我を負って村に帰ってきた。
もう一人は魔物に襲われて、死んだということだった。
その魔物はオークと呼ばれていた。
身長は170cm前後、顔は豚で、体はでっぷりしている。
皮の鎧を着て、必ず最低5体前後の集団で行動している。
ゴブリンより厄介な敵で、攻撃力・防御力も高く、また集団で連携をする。
とりあえず、騎士団の2人と神父さまと村長と俺の5人で話し合い、一番身軽な俺がとりあえず偵察に行くことが決まった。
村長の本音は派遣騎士の2人や神父さまを危険にさらすわけにはいかず、急にふってわいたような自分なら万が一があっても良いと思ったみたいだ。
まぁ、しょうがない。
教会や村の連中には、ここにきて3ヶ月いろいろ面倒見てもらったわけだから、恩返しをするのには丁度良かった。
逃げ帰った村人に襲われた場所を聞くと、装備を着込んで森に一人で分け入った。
さいわいオーク達は村人が言った場所にいた。
そして、鷹の目で相手に気づかれず、先に遠くから視認できた。
どうやらオーク達は倒れた丸太に座って休憩している様子だった。
意を決して、駆除を開始することにした。
徐々に近づき、オークの集団まで30mの距離になった。
鷹の目をONにしたまま、スキルポイントを筋力に+2して、残り6を器用さに振り、短槍を地面に垂直に刺し、弓をひきしぼってチャンスを待つ。
少し待つと、急に一体が右手にテクテク歩いて移動し始めた。
何をするかと思えば、5m移動したところでしょんべんをはじめた。
これはチャンスと思い、弓をパンと放つ。
ヒュッと風切り音がして、矢は正確に頭に命中し、そのまま「ドサッ」と前に倒れこんだ。
残りの4体はその音で異変に気づき、倒れたオークに走って近寄った瞬間、二本目の矢を放ち、2体目を倒す。
オーク達は周囲をきょろきょろ見回し、こちらを視認し剣を抜いて一気に駆け出す。
三本目の矢を放つ。
ドサッとまたオークを一体倒す。
4本目の矢をまた番えて、放ち、また、ドサッと1体のオークが倒れこむ。
5体目のオークはもう10mまで近づいてきた。
弓を捨てて、スキルの鷹の目を解除し、腕力値を戻して、4ポイントをすべてすばやさに振り分る。
そしてすぐに地面に刺した短槍を手にとってオークを待ち構える。
タンタンタン、かるくステップを踏んで一気にオークに近づき、ピュッビュッビュッと三回空気を貫く音がし、オークの両目と喉に穴が開き、血がヒピューと飛び出し、5体目もドサッと倒れた。
本当に本当にスキルボーナスさまさまである。
槍の基本攻撃は突きが専門なので、先は鋭くとがっているので単位面積当たりの力は強い。
あとはオークの皮膚の強度の問題だが、オークの皮膚が金属より硬いはずも無く、実際あまり力が必要ない。
すばやい体捌きで自分の体勢を安定させ、いかに正確に急所を貫くかが重要な武器である。
つまりは、筋力より、器用さとすばやさがとっても大切である。
とりあえず倒した5体のオークの鼻を切り取り、矢を回収し使えそうな武器と防具を持ち帰った。
帰りは筋力にスキルボーナスを極振りして、五体の武器と装備を軽がると持ち上げる。
スキルばんざーいである。
村長および村人は村の入り口で待っていた。
こちらが手を振ると、向こうも手を振って応えた。
村長にはあらましを伝えて、とりあえず5体は駆除したことを伝えるとみんな安堵した。
オーク討伐で、村から感謝状と25000ゼニーをもらった。
その後再度森の中を探索すると、5体のオークを見つけて同じように討伐し、それ以上はオークは近くにいないようであった。