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プロローグ

 ここはどこ?私はダーレ。ちょっと混乱して古典的なギャグをかましてしまった。

 とりあえず冷静に思い出してみよう。

 腹が減ったので、上下スエット姿で夜にアパート近くのコンビニでアイスと弁当とお茶を買った。

 その後、アイスを食いながら家路を歩いていたはずだ。

 それで、急に後ろから強い光を浴びて「何だろう?」と振り向いた瞬間、いきなり森の中に俺はいた。


 「これは夢か?」


 ほっぺたをつねったら


 「いてぇ!」


 とりあえずまっすぐ歩くと、すぐに森を抜けた。 

 森を抜けた先はなだらかな斜面になっており、眼下には小さな村らしきものがあり、人が居る。


 「よかった~!」


 とりあえず斜面を降りて村に入った。


 「まじか?」


 目の前を行く人は、どうみても日本人じゃぁねぇ。

 というか、どう見ても人でないような人が居る。

 ちょっと説明が悪いな。

 正確には、胴体は人だが頭が犬やトカゲのような人がちらほら混じっている。

 更に、最悪な事に喋っている言葉が全然わからない。

 英語っぽい音だが、聞き取れる単語がネェ。

 一応理系の国立大学を卒業して、それなりに英語は勉強していたはずだったのに聞いたことのない音ばかりだ。


 ・・・・・ちょっと冷静になろう。


 つまり、こういうことか?

 俺は異世界に飛ばされたということ?


 「・・・ま・じ・で!?」


 とりあえず、近くのベンチに座り、落ち着くために手に持っていた弁当を食べお茶をのんだ。


 お腹がいっぱいになったらちょっとは冷静になれた。

 さて次はどうするべきか?

 衣食住でとりあえず、衣=OK 食=OK 住=NO なのでとりあえず、雨風しのげる場所を確保する必要がある。

 とはいえこういう場合に、下手に見ず知らずの人間に声をかけようものなら、あっという間に騙されて、身包みはがされ奴隷落ちになりそうだ。

 実際に目の前には、鉄の首輪をつけて、鎖のついた足かせをつけた、いかにも奴隷らしき人が木材を持って運搬している。

 じゃあ、どうするか?

 こういう場合は神様にすがるのが一番安全である。

 とりあえず、教会のような建物を探して村の中を歩くと、それは村の中心にあった。

 中に入ると、神父さまのような格好の人が、シスターのような格好の人となにやら話をしている。

 とりあえず、中に入り、神父さまのような人に必死に日本語と大げさなジェスチャーで、説明をした。

 最初は怪訝な顔をして話を聞いていたが、何を思ったか急に腕をつかまれて、そのまま建物の奥に連れて行かれた。

 そこでは、3才~6才くらいの子達10人が大きな部屋の掃除をしていた。

 神父さまは一枚の布切れを渡して何やら説明している、どうやら子供と一緒に掃除をするように言っている様だ。

 とりあえず、うなずいて子供たちに混じって部屋の掃除を始めた。

 その後、シスター(のような格好)が近づいて、身振り手振りで何か説明している。

 どうやらここで子供たちの相手をしろと言っている感じがするのでうんうんと頷いたら、にっこり笑った。

 10人の子供に囲まれて、一人ずつ高い高いをしてやると、キャッキャキャッキャと喜んで、僕も私もとせがまれた。

 すぐに腕が疲れたため、今度は部屋の中を走って逃げると、子供たちはうれしそうに追いかけてくる。

 子供たちに捕まったところで座り込み、今度はプロレスごっこような感じで倒したりして遊ぶ。

 正直10人相手にするのは、非常に疲れる。

 しかし皆かなりやせていておもったより軽い。

 あまり栄養状態はよくないようだ。

 そんな感じで3時間程度子供たちと遊んでいたら、シスターがまた来て腕を引っ張ってべつの部屋に連れて行かれた。

 そこは台所で、どうやら夕食の準備を手伝えと言っているようだ。

 そこで渡された野菜を子供が食べやすいサイズまで小さく切ってやる。

 シスターはその包丁捌きをみて、ちょっと驚いた様子だった。


 「トントントントン」


 心地よいリズムで食材を切っていく。

 齢27歳、学生時代から自炊をして、学生時のバイトも飲食店だった自分には10人前の食事作りなど簡単な作業だ。

 シスターがスープを小皿に入れて、渡してくる。

 味見をしろという感じなので、飲んでみると塩味しかしねぇ。

 身振り手振りで調味料を要求すると、とりあえず出してくれた。

 ミソのようなものに、醤油のようなもの、塩と胡椒と砂糖とごま油があった。

 これだけ調味料があるのになぜに塩味のみなのか疑問は尽きないが、とりあえずミソと醤油をベースにごま油を混ぜて水で薄めて、スープに徐々に混ぜてちょうどいい味付けにした。

 シスターに味見をさせると、びっくりしたようすでOKサインみたいなものを出してきた。

 作ったスープとパンを、先ほどの子供たちのいる部屋に持っていくとテーブルといすが人数分用意されていて、神父さまがいてみんなで夕食を食べた。

 食べた食器をシスターと二人で洗い物が終わると、また腕をつかまれて小さな部屋に案内されてそこには硬いベッドに薄い布団がひいてあった。


 とりあえず何とか雨風しのげる場所を確保することが出来た。

 いきなり現れて不審な男を受け入れてくれた、神父さまとシスターに無言で感謝してその日はそのまま眠った。


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