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第四の話 お詫びを申し上げます

今回は、お詫びを申し上げます。


 ――――カンッ



 真っ暗な、どこぞと知れない室内にて、円形の照明から放たれた三つ分のスポットライトが点灯する。その光の下、三人の人物が照らし出された。

 その三人は、正面を向き、正座して頭を深く下げ、両手を床についている。頭を下げているせいで、表情はうかがえない。いわゆる、土下座というものだ。


「……皆さん、突然ですが、我々は皆さんにお詫びを申し上げなければなりません」


 中央に座る黒髪の青年、龍二が、土下座の姿勢を崩さずに、暗い口調で話しだす。左右に座る金髪の少女クルルと、翡翠色の髪の少女アルスも、龍二に倣って土下座の姿勢を崩さない。


「この度は、毎週日曜更新をしていくと宣言したにも関わらず、このような更新停止状態に陥ってしまったこと……弁解のしようがありません」


 そう語る龍二の声は、震えていた。それは、申し訳なさからくるものか、あるいは情けなさから来るものか……本人しか、それはわからない。


「このような体たらくを皆様にさらけ出してしまったこと……本当に、本当に申し訳ありませんでした……つきましては……」


 そして、絞り出すように、言葉を紡ぎ続ける。


「つきましては……責任を取り……この小説、『勇者以上魔王以上 ~人、それは神と呼ぶ~』を……」






「削除…………いたします…………」












「なーんて」


 ズルリ、とどこから取り出したロープを引くと、その先にはぐるぐる巻きにされた黒装束。


「ちょげたこと抜かしおったこのボケを、今から俺が鉄 拳 制 裁 ☆しますんでお許しをおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

「「ちょっと待ったあああああああああああああああああああああああああ!!??」」


 バッと顔を上げた龍二(顔とか額とかにめっさ血管浮きまくった超いい笑顔)が拳を振り上げた瞬間、土下座姿勢を解除したアルスとクルルが龍二に飛びかかった。


「うおおおおおおおおおおおお離せえええええええええええええええ久しぶりに殴らせろおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!

「殴っちゃダメです!! 殴っちゃダメです!! この人ライターさんです!! 殴っちゃったら死んじゃいます!!!」

「死んじゃったら私達書く人いなくなっちゃうんだよ!? 殺しちゃダメだよ!!」

「知ーるかーボケェェェェェェ!! もう疲れたんだよ!! こいつのPCの秘密フォルダの裏っかわで『ゼ〇の使〇魔』で異世界召喚されて戦国無双よろしく暴れさせられるわ『魔法少女リ〇カルな〇は』でパツキンのガキんちょのお袋さん目掛けて漬物石投げて顔面ジャストミートさせられるわ『コ〇ドギ〇ス』でロボット軍団相手に生身で肉弾戦させられるわでもう疲れたんじゃあああああああああああああ休憩させろやあああああああああああああああ!!!!!」

「落ち着いてくださいリュウジさん!! 気持ちはわかりますけど落ち着いてください!!!」

「ついでに言うとそんなの書いてる暇あるんなら本編進めろおおおおおおおおおおおおおおお!!! どんだけほったらかしてんだコラあああああああああああああああ!!!! なろうで二次創作が許されんのはにじファンまでだよねえギャハハハハハハハハハハ!!!!」

「リュウくんが壊れた!! リュウくんが壊れちゃったああああああああああ!!!」





~龍二が落ち着かれるまでしばらくお待ちくださゲブゥ!?~





「言わせねえよこのクソライター!!??」

「いや言わせてあげてくださいよ!?」





~り、龍二がおひふはれるまでひはらふおまひふははい……~





「さて、落ち着いたところで」


 ひとしきり暴れ終えた龍二の目の前に正座で座る、縄でぐるぐる巻きにされたボロボロの黒子装束の男。そんな彼を同情の眼差しで見るアルスとクルル。因みに現在地は龍二達の高校の体育館。今回特別に貸し出しを許可された。費用である等身大キ〇ィちゃん人形をサ〇リオ大好き校長に渡したら即行許可された。サ〇リオ強し。

 その体育館もすでにズタボロ状態なのだが。もっとも弁償するのは目の前にいる黒子装束の男なので龍二は気ニシナーイ。


「弁明を聞こうか、ライター……」

『はい……』


 ドスを含んだ龍二の声に、男、ライターは縮こまった。


(……ねぇ、アルス)

(はい?)


 ヒソヒソとクルルがアルスに耳打ちする。


(今思ったんだけど、小説本編に作者さん登場させたら怒られない? 今のなろうって)

(ああ……それなんですけど……)


 疑問符を浮かべるクルルに、アルスは諦めたような乾いた笑い声を上げて、


(……『別に怒られんの俺じゃねーし』って言って、リュウジさんがモニターの向こうからライターさんを無理矢理……)

(すごい納得できた!)


 ようは拉致という形で連れてこられたライターなのであった、まる。


「えぇっと……活動報告にも書いたんですけど、とりあえず今は仕事覚えなきゃなのと、毎日ホントへとへとでとても書く気が起きなくって……」

「で?」

「でも書かなきゃなーって思ったんだけど、ネタが何にも思いつかなくって……」

「で?」

「それで唸ってたんで、ならばと思ってメタ話をネタにしてみました」

「で?」

「反省はしない(キリッ)」

「この技も久しぶりだな龍閃弾」

「ヒデブゥッ!!」


 龍二の右拳が青い光を纏ったかと思うと、そのままライターの顔面に叩きつけられた。縄でしばられたままライターは吹っ飛ばされ、そのロープの先を握っている龍二によって強引に引き戻されて元の位置に座らせれた。


「ごふぅ……そ、そもそも私がここにいている時点でいろんな方から反発があるんじゃなかろうかと……」

「心配すんな、オメェの小説そこまで人気ねぇから」

「痛いところをつかないで! こんな私でも読んでくださってる方々いるんだから!! 励みなんだから!!!」

「寧ろ励みとかじゃなくてお前の頭が禿げちまえばいいのに」

「やーめーろーよー!! まだフッサフサだけど仕事のストレスとかでいつハゲチャビンスキーになっちゃうか不安なんだよおおおおおお!!」

「黙れの龍閃弾」

「アベシィッ!!」


 龍二の右拳が光を纏ったかと思うと、そのままライターの顔面に叩きつけられた。縄でしばられたままライターは吹っ飛ばされ、そのロープの先を握っている龍二によって強引に引き戻されて以下略。


「で……まだあんだよ。お前今まで忙しいとか言ってたよな?」

「はい……言ってました」

「じゃ何でお前Wordで俺を変な世界に送り込んだりしたよ? さっき言ったけど、どこぞの中世異世界ファンタジーチックな世界で7万の軍勢相手に無双させられるし、海……なんとか市じゃパツキンの魔法少女のお袋さんが本当の娘を蘇らせるために青い石ころ使おうとしたからその顔面に青い石ころの代わりに漬物石投げつけて吹っ飛ばして強引に事件解決させられるし、ブリ○ニアだかブリ大根だか知らんけど連中のロボット相手に俺生身で挑まされるし。こちとら平和を謳歌する高校生なんだよ。にじファン無くなったからって密かにこっそり何やらせてんだテメェ」

「いや……だってなんかおもしろかったし。後平和を謳歌する高校生の意味ちょっと調べさせてくださ」

「死んでしまえ龍閃弾」

「アワビュッ!!」


龍二の右拳が光を纏ったかと思うと、そのままライターの顔面に叩きつけられた。縄でしばられたままライターは吹っ飛ばされ以下略。


「で、さんざっぱらこっそり二次創作で俺つかってTUEEEEEやってすっきりしてこっち放置かい。ふざけんなやこのオタンコナス。損害賠償請求すんぞこら」

「え、149円しかないんですけど」

「ラーメン一杯すら食えねえじゃねぇか。せめて1000円出せや。その場でジャンプしろジャンプ」

「ひぃ~、勘弁でやんすぅぅぅぅ……」

「いや話の主旨変わってるじゃないですか……」


 横からアルスが冷静にツッコんだ。


「まぁ、ともかくだ。すっきりしたろ? じゃあとっととネタでも探して来て更新せえや。こちとら最近ラーメン不足でイライラしてんだよ」

「え、でもリュウくん昨日ラーメン100杯以上食べて」

「気ニシナーイ」


 クルルのツッコミは流された。


「えぇっと……うん、まぁ、ネタはもうできてるんだよ、ね。うん、一応」

「ほぉ?」


 そう言うライターであったが、何故か言いにくそうに口ごもっている。


「なんだけどさ……まぁあれだ」

「うん」

「……書く気力が起きな」

「龍閃だあああああああああああああああああああああん!!!!」

「我が生涯に一片の悔いどころかもう私そのものが悔いでしかなあああああああああああああああああああああい!!!!」


 渾身の龍閃弾を食らったライターは、そのまま体育館の出入り口を突き抜けて飛んで行ってしまい、体育館の騒ぎを聞きつけて駆け込もうとした挙句に巻き添えを食らった数学教師の近藤先生もろとも星になって飛んでいったのであった。





「はぁ……あいつもしょうがねぇ奴だ」

「あはは……まぁこれを機にまた書き始めてくれればいいんですけどね」

「モニターの向こうの生活も大変だねー」

「まぁ俺ら今の段階じゃ年取らねぇしな。サ○エさん方式って奴だ」

「それこそ言っちゃダメじゃないですか……


 ボロボロになった体育館で、龍二が幾分かすっきりした顔で言う。それをげんなりしつつもツッコミを入れるアルス。


「さて、じゃそろそろ時間だし、シメるか」

「リュウジさん、言葉のイントネーションが違います。それだとなんか物騒です」


 気を取り直した龍二達はくるりと振り返った。


「まぁ、そんなわけなんでこんな感じでこの小説続いてくっから」

「読者の皆さんが飽きないように、ボク達も一生懸命頑張りますので」

「応援よろしくねー!」

「じゃなー」


 気だるそうなまま、龍二はひらひらと右手を振った。




というわけなので、削除するのは大嘘です。けれども、結局日曜更新は難しくなりそうなので、不定期ながらも更新させていただきます。読んでくださっている読者の皆様には大変ご迷惑をおかけしますが、これからも応援してくださると励みになりますので、今後とも、よろしくお願いします。

では久しぶりの……また見てコロコロ。




あ。ちなみに本文に出てきたこっそり二次創作は掲載しませんのであしからず。あんなん出せるかこのバカチンが。

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