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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

穢れた翼

作者: せおぽん

これは孤高の戦士アーロンの物語。


村からのハーピィ討伐の依頼を受けて、俺は目的のハーピィの巣がある崖の上に立っている。


崖の上からハーピィの巣がある岩棚が目に入る。巣の中には小さな服片が散らばっている。子供のものだ。ハーピィの群の羽音と叫び声は、これまでの村への悪行を容易に想像させた。これ以上、被害を出すわけにはいかない。村の母親達の無念さを思い、俺は奥歯を噛んだ。


用意した武器は投げ網のみ。防具は厚めの皮鎧。手甲は2枚重ねて装備している。『戦士は常に冷静であれ』といった父の言葉を思い出す。俺は投げ網を手に崖を駆け下りた。


崖下につくと投げ網を後ろ手に隠し、空を見あげた。既に俺を発見したハーピィの群が十羽ばかり旋回している。


はるか上空を旋回するハーピィに投げ網を当てるのは困難だ。外してしまえば次の手は無い。


しばらくすると一羽のハーピィが声を上げ、旋回する速度が緩やかになった。降下するタイミングを図っているのだろう。ハーピィが翼を閉じ、俺を目掛けて降下する。その降下速度は隼にも等しい。鋭い鉤爪は細菌の巣窟であり、かすり傷でも致命傷になりかねない。


俺は投げ網を広げた。あの速度ならもう急停止は出来ない。ただ待つだけで良い。


投げ網に捉えられたハーピィは、バタバタと逃れようと暴れている。ハーピィの片翼を脚で踏み折り、投げ網を外した。とどめは後でよい。


翼を折られ地面でもがく仲間を眼下にして上空のハーピィはパニックになっている。こうなれば投げ網を外す事は無い。適当に狙いを定めて投げれば、後は勝手に網にかかり墜落する


後は墜落したハーピィ達の首を折っていくだけだ。ハーピィのような鳥系の魔物は飛行する為に骨が軽く脆い。素手でも簡単に折る事が出来る。


半刻もせずにハーピィは残り一匹となった。

俺は地面でもがき続けていたハーピィに近づき首をおった。


ふわりと、足元に服片が舞い落ちた。俺は服片を拾おうとしたが止めた。持ち帰ったところで悲しみが増すだけだろうから。

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