無料で配備するの?
なんだかどこかの県議さんがXで「トイレットペーパーみたいに生理用ナプキンをどこでも置いてほしい」みたいなことを呟いて炎上しているようですね。
男の私がこの話題を取り上げるのもなんですが、たまたま今書いている作品で主人公の奥さんが出産するという場面を書いていて、妊娠や出産、それに付随して女性の生理などを改めて学び直していたタイミングで話題になったものですから、少々気になりまして……
自身が経験したことは(当たり前ですが)ありませんが、生理が大変なことは知識としては知っているつもりです。会社でもその時期になると辛そうな社員がいますし。もちろん「辛いの?」とか本人に直接は言いませんよ。気遣いくらいはしますけど。
そして、基本的には周期が決まっているものの、人によっては前触れなしに突然始まるということがあることも知ってます。でもね、だからといって公共施設にトイレットペーパーと同じように配備しろというのはちょっと違うと思うんです。
同じように思う方は多かったらしく、この投稿が呟かれると様々な批判とか疑問が浴びせられたようですが、これに対し県議さんは「ジェンダー的な個人の問題はまさに社会の問題。性と生殖に関する困りごとを福祉的に解決することに、税金を使うべきです」と反論してます。
とはいえそれを見たところで、私の見解は「自分で買って用意しろや」としか思えません。
だってさあ、不定期に発生するリスクがあるとしても、そう遠くない未来に自身に起こりうる生理現象ですよね? なんで準備しないのかという話です。
買って1つでも2つでもバッグに備えておけよ。1個で1万円とか2万円するような高額商品ではないのだから、普通に働いていたら買えますよね。急に始まって手持ちが無い? 知らんがな。Xのコメントによると、そういうときは緊急避難的にトイレットペーパーを重ねて代用する方法もあるらしいですが、県議さんによるとそれは「屈辱的」で「みじめな気持ち」になるそうです。
用意してない自分のせいじゃんと思う私は薄情者でしょうか?
仮にどこにでも配備されるようになると、準備せずに出かける人が増えると思うんです。そうなれば、当然配備品の消費量は増えます。急に始まったからとトイレに駆け込んだはいいものの、品切れでしたってリスクがあるよ。そのときどうすんの? って話ですよ。結局トイレットペーパーで代用になるかと……
さらに言えば、トイレットペーパーですら盗まれることが頻繁にあるんです。それで一旦配備を止めた公共施設のトイレもあります。必要数以上を持ち出す人がいないと誰が保証するというのか。
係を置いて配布すればいい? 人に向かって「生理が……」って申告するの? 言いにくい人もいるんでないの?
専用のBOXを置けばいい? 設置もメンテも全部税金ッスよね。それを言うんだったら、子供や老人用のおむつなんかも備え付けないと不公平じゃね? 拡大解釈したら、マスクとかうがい薬とか消毒液とか、他にも必要なものはいくらでもあるんですよ。生理用ナプキンだけってわけにはいかなくなります。
ちなみに、ちょうどこのタイミングで京都大学において、メーカーの協力で生理用ナプキンの試験的配置を行うというリリースも見つけました。ただ、これは学校という閉鎖空間でありますから例外かと。授業中に抜け出せない中学校や高校でも保健室なんかに配備するのは理に適っていると思いますが、誰でも利用できる公共施設にというのは、おかしな税金の使い方だと思います。
税金とは、そもそも個人で対応できないことを成すために使われるものと思います。だから貧困家庭で買うこともままならない人や、被災地支援みたいなときに配布するという話なら理解できなくもないですが、個人で用意するハードルが低い案件を税金でというのは、使い方が違うんじゃないですかね。
で、ここからは生理というものを経験したことのない男の疑問でしかないのですが、公共施設に生理用ナプキンを常備したとして、女性は本当にそれを使うのでしょうか。
だって、それを手にする前に、そのナプキンが清潔な状態で管理されていたという保証は誰がするの? 施設管理者が責任を持ってですか? それは無理でしょ。嫌な話ですが、誰かが手に取ったかもしれませんよ。もしかしたら、変なものが付いている可能性もありますよ。管理者もそこまで見きれないですよ。
で、それを使うのかという話です。尻を拭くトイレットペーパーならともかく、ナプキンはさすがに……って思うんですがね。
以上、とあるおっさんから見た本件の雑感でございます。