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クズは金が欲しい。

この作品は暇つぶしで頭に思い浮かんだことをただただ綴ったモノです。

─2020年─


僕の名前は渡邉勇輝。歳は22歳。


寝室の閉め切った暗色のカーテンの隙間から光が溢れている。

その光が部屋に舞う塵を照らしていた。

その光に忌々しさを感じてしまう。


動かなきゃいけないじゃん。

溜息が出てしまう。


僕は夏にも関わらず、分厚い毛布を何処かしら壊れているパイプベッドの上で被っていた。暑いよ。

暑いのにこの暑さが僕の心を安らげてくれる。これ、理解してくれる人少ない。


横になったままの僕は枕元にあるスマホを見た。スマホから発せられる光が眩しくて顔を顰めた。


ロック画面には13時40分の時間の表記。

それと、見るだけで嫌気が差してしまう大量の通知。


「⋯やぁべ」僕は溜息を吐いてどうしようか考えた。


『なべちゃん、出勤時間遅刻してる』


似たような通知が羅列していた。


仕事行きたくないよぉ。

休んでしまおうかなぁ。

でも、この前も仮病使って休んだばかりだしなぁ。


会社に行く度に冷めた目で見られるのもウンザリだしなぁ。


でも休みすぎで、給料の減給が酷いことになってるんだ。


僕はまた溜息を吐いて

「行くかぁ」 と重たく口にした。



寝癖の髪はそのまま。洗面もせず。身支度をしないまま自分の車に乗り会社に向かった。


その道中ではコンビニがあるのでスティックの形をした手のひらサイズの栄養食とエナジードリンクを購入して運転をしながら食事を済ましました。


会社には10分以内に着く。

家から近い。とは思う。だから余計に会社に赴くのが面倒に感じてしまう。


僕の勤め先は三重県の緑豊かな田舎にある。


割と広い敷地に幾つかの施設が並ぶ。


有名なシェフが携わるというケーキ屋、パン屋、イタリアン、和食の食事処。

いちご農園。


そして、掛け流し源泉が売りな温泉と宿泊所。

幾つかある部署で僕はそこに勤めている。


駐車場に着き、車から出ると生暖かい風。施設を楽しむお客さんたちの声。香るさまざまの匂いに出迎えられる。


コンビニで買ったばかりの煙草を口にくわえながら従業員通路を歩きすれ違う従業員には

小さく「お疲れ様です」と声を掛ける。

返ってきたのは─


ああ、すげない。冷たい視線だなぁ。

僕はうんざりとした。


従業員の更衣室に着いて、自分が使っているロッカーを開けた。

すぐ目につくのは飲みかけのパックのコーヒー牛乳が何点。

アイスのカップの空も何点。

それを避けるかのようにフックに掛けられた紺色の丹前。だいぶよれている。


僕はそれを適当に羽織ると事務所に向かった。


「おはようございます⋯」


事務所に入るとデスクに向かう社員たち。

彼らは僕を見ると各々の表情を示した。

呆れたような顔、心配するかのような顔、興味なさげな顔、笑顔。


一応は皆僕の挨拶にはちゃんと答えてくれる。


勿論怒れる人も居るが。


「おい、お前今何時だと思ってんだ。たく⋯いつもいつも」

「すみません」

「今日は店仕舞いまで働け」

「⋯はい」


強い口調で僕を叱ったのは後輩である。歳は僕より30程上だけど。

遅れて会社にやってきた身としては気まずさが強い。

何も言い返せない。言い返す言葉もありません。


そんな思いをし歩きながらペコペコ頭を下げ、いそいそタイムカードを通した。


カードに表記された時間を見て僕は白目を向けた。



早く帰りたい。早く家に帰ってゲームをしたい。ゲーム仲間とワイワイしたい。


そんな事を考えて、時々サボりながら仕事をして、やっと地獄の様な時間から解放された。


時間は夜12時ちょっと。


僕はロッカーに丹前を放り投げ行きとは違う足取りで駐車場に急いで向かった。


帰りも同じようにいつもお世話になってるコンビニに寄る。


財布を手にして僕はうんざりとした。

中身があと1000円ちょっとしかないのだ。

深く息を吐いてATMからお金を引き出そうとする。


口座の残高は1000円を満たない。


終わってる。引き出せないじゃん。


それでも、僕は今日朝に買った煙草を空にしてしまったので新しく新調することを決めた。

お気に入りのエナジードリンクも忘れない。


財布の中身はもうはした金しかない。


家に着いた。

玄関を開けると2匹の飼い猫がにゃーと鳴きながら迎えてくれた。

茶色の猫がチャチャ。

白くてふわふわしてる猫がふさまる。


「猫が欲しい」とSNSで呟いたら、その投稿を見たフォロワーが里親を探してる猫がいるとのことで。


結果飼うことになった。ちゃんと面倒は見ている。


ちなみにアパートはペットを飼うことを禁止されている。

いつバレるのかヒヤヒヤ。


2匹は僕の脚に身を何度も擦り寄せてくる。


間取り2DKのアパートだ。


キッチンに放置されるパンパンに膨らんだゴミ袋が何点。


主に使う部屋のガラステーブルの上には煙草の吸い殻でパンパンになった灰皿に酒やジュースの空き缶が散乱。

コンビニ弁当の空も。


それを挟むように安い革のソファ。その上には脱ぎ散らかる衣類。

壁際にはコミックが詰められた本棚。

奥には40型の安物の液晶テレビ。


隣の部屋は寝室だ。

襖は外されていてそのままベッドに飛び込むことが出来る。

ベッドのすぐ横には借金で買ったゲーミングPC。


僕は風呂にも入らずゲーミングPCへと向き合った。


それから、ゲームの仲間たちと長い間楽しんだ。

その時間が仕事での苦悩を忘れさせてくれた。


「お疲れ〜」

そう言ってボイスチャットを落とした。

カーテンの隙間から差す光に苦笑いした。

手元のスマホを見ると朝の6時だ。仕事まであと4時間。


僕はベッドに潜り込みスマホをいじり続けた。


ふとそこで、金が無い事を思い出したのでSNSで親に

お金がない。送って欲しいなぁ。とメッセージを送った。



僕はお金に困っていた。

いつも金が無い。あるとしたら給料日のその日だけだ。


給料は総額で18万。

しかし、毎月の様々の支払いで一気にそのお金が吹っ飛ぶんでしまう。


家賃4万。光熱費水道ガス代で3万。

キャリアから借金で増した携帯代4万。

重ねに重ねあげたクレジットカードの借金が5万。

追い打ちをかけるように社会保険料と車の維持費。


カツカツだった。スカスカになる。


酷い時はお金の支払いが出来ず

家が停電し携帯依存してる僕には痛い携帯の停止で困ることがある。


改めて僕はお金に困っていた。


それなのに日々の出費は抑えれない。僕の生活費が凄まじい。

煙草とエナジードリンクは辞めることが出来なかった。


お金に困っていた僕はいつものようにネットを使って、バイトの求人情報を眺めていた。


これまで、コンビニの店員。

ネットカフェ。ラブホテル。

新聞配達。 ファストフード。

などで掛け持ちでバイトをした。


全部、僕の気力が保たず飛んだ。

飛んだバイト先は全て近辺なので、いよいよマズイ。

今後バイトを考えても近くでは働けなくなってしまう。


「そろそろバイトとかじゃなくて楽に稼げるのを探すかぁ」


そう口にした僕は

思った通りに検索をかけた。


すると、出てくるのは全て似たようなものだった。


FXとか株とか。資産運用に関するものが上がってくる。

軍資金の無い僕には縁のない話だ。それに何だか難しそう。


アフェリエイトも仕組みがわからないし。

ポイ活も継続力が必要だというし。

動画配信とかも興味あったけど

顔は晒したくないし、必要となってくる語彙力、会話力も皆無だし。


もうお手上げだ。


「やっぱ、地道にやっていくしかないんかなぁ」


何事も努力と継続が大事。

楽な道なんか無い。

なんて言葉はよく耳にする。

僕にとっては痛い言葉だった。


ネットの記事を流し見しながらそう思った時、

それが目にとまった。


─やってはいけない仕事─


僕はそんな題名の記事を見つけた。


構成などは全く考えてはいませんが、この青年の最後まで書けたらとおもっています。

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