26話 パン食べながら作戦
スカーレットはエブリンと話した日の放課後、アンドリューの部屋を訪ねていた。
「アンドリュー、少し相談に乗ってくれるかしら?」
「どうされましたか、お嬢?」
「実は、今日の昼休みにエブリンに出合いましたわ。その際に、マーク様が好きだと告げてきたのです。これは宣戦布告ですわ。」
「そうと決まったわけじゃ・・・マークさんは女性に人気のある方です。好きだといって来てもおかしくはないでしょう?」
「しかし、わたくしがマーク様を好きなことをしっていながら、そのように言ってきたのですよ。どうしても、宣戦布告としか考えられませんわ。」
ダメだ。マークさんのことになると、お嬢は疑いが強くなってしまわれる。いくら違うかもと言っても納得してもらうのは、難しいな。
「分かりました。宣戦布告されたのだとしたら、エブリンさんが恋敵になったということになります。なおさらマークさんと親しくなるために行動する必要がありますね。」
「ええ、何かいいアイディアはないかしら?」
「そうですね・・・」
僕はしばらく考え、ひとつのアイディアを提案した。
「いい作戦ができました。」
「それはどんなですの?」
「急いでいるふりをして、パンを食べながらマークさんにぶつかります。そうなれば、お嬢を心配して注目してくれるかもしれません。」
この作戦は前世の恋愛漫画や恋愛アニメに出てきたイベントを参考にしている。
「なるほどね。面白い作戦ではありますわ。」
「では、明日の昼休みに実行に移しましょう!!作戦名はパン食べながらぶつかちゃった作戦です。」
翌日の昼休みになった。
中庭で、お嬢はマークさんがくるのを今か今かと待っていた。すると、マークさんが中庭に現れた。
マークさんは、オリビアと一緒にいた。楽しそうに二人は話していた。
「あの二人・・・楽しそうに話していますわ!!なおさらやる気がでてきましたわ!!」
お嬢は持っていたパンをすぐさま口に挟んだ。そのあと、走り勢いをつけてマークさんにぶつかった。
「きゃあ!!」
「うわ!」
「スカーレットさん一体どうしたの?」
マークさんはぶつかった相手であるお嬢のことを心配していた。
スカーレットはパンをとって答えた。
「パンを食べていましたら、急に用事を思いだして、走ってたんですわ。そうしたら、偶然マークさんが現れてぶつかったんですの」
「そうか、悪いことをしたね。どこか痛くない?」
「そう言えば、当たった腕が痛いですわ?」
「そうか、なら保健室まで連れて行こう。」
二人が保健室に向かおうとすると、慌てふためきながら、オリビアは口を挟んできた。
「ちょっと待ちなさい!!偶然マークさんとぶつかるなんて話はできすぎです。きっと、急いでいるふりをしてぶつかってきたんです。」
ギクッ。僕とお嬢はひきつった顔をした。
「なっ・・・なんのことかしら・・・」
「とぼけても無駄ですよ。スカーレットさん。顔がひきつってます。それにしても、よくこのような卑怯なことを考えますね。」
お嬢も卑怯と言われて黙ってはいなかった。
「卑怯とはなんですの!!わたくしは本当に急いでいただけですわよ」
お嬢は言い返すことに夢中になり、腕をよく動かしていた。
「腕を元気に動かしているじゃないですか。やっぱり演技ですわ!!」
「演技ではありませんわ。急いでいたのは本当ですわ。」
こうして、お嬢とオリビアはしばらく言い争っていた。
その光景を見てマークさんは口にした。
「二人とも元気そうで何よりだよ・・・」
どうやら、作戦を、マークさんは分かってしまったのかもしれない・・・
作戦は失敗かとアンドリューは思い、その場を去った。
スカーレットとオリビアはその後もしばらくいい争いをしていた。
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