16話 壺に愛を叫べ作戦
僕は、学園につくと、すぐさま自分の部屋に向かった。
部屋につくと、すぐさま中に入ろうとした。しかし、その時、お嬢が近くにいて、僕に話しかけてきた。
「アンドリュー、アイドルバスツアーどうだった。楽しかった?わたくしはとてもつらい状況にいますわ」
「色々ありましたが、少々大変でした。それでなぜつらいのですか?」
「実は、オリビアと言い争ってから、マーク様と話ができていないんですの。もしかしたら嫌われてしまったのかも?」
「マーク様に限って、お嬢を嫌うなんてことはあり得ませんよ。でも少々怖がっているかも・・・」
僕はいらない一言を口にしてしまった。
「やはり、怖がっているかもしれないのですね・・・なんてことでしょう・・・このままでは、マーク様と恋仲にはなりにくくなってしまいますわ。」
「お嬢・・・分かりました。僕がお嬢とマークさんの中を取り戻すためアイディアを考えます。とりあえず部屋の中にお入りください。」
「分かりましたわ。」
こうしてお嬢と僕は中に入った。僕は、アイディアを出すため考えていた。
ある程度時間が経つと、一つの考えが出てきた。
「お嬢、いいアイディアができました。」
「そうですか!!それでそのアイディアはどんな内容ですの?」
「はい、壺に向かって愛を叫びます。そうすれば、壺にたまった愛の声は、マーク様の心の耳に届くと思うんです。」
「・・・そんな作戦で・・・本当に上手くいくんですの?」
「それは、やってみないと分かりません。しかし、お嬢の熱き思いがあれば、多分うまくいくと思います。」
「はあ・・・分かりましたわ。この際何でも構いません。やってみますわ。」
「その意気です、お嬢。では早速、壺に愛を叫べ作戦実行です。」
僕は部屋にあった壺をお嬢に渡した。
お嬢は、顔を壺に寄せた。準備完了だ。
「しかし、前も壺作戦を行いませんでしたか?あなたは、壺になにか思い入れがあるんですの」
「そ・・・そんなことはどうでもいいことですよ。さっ、早く壺に愛を叫んでください。」
実は、現世の頃に、恋愛ゲームで壺に因縁があるのだが・・・それはお嬢には言えない。
「・・・うまくごまかされたような気がしたのですが・・・まあ、いいですわ。じゃ早速始めましょう。」
「マーク様、愛してますわ!! マーク様、愛してますわ!! マーク様、愛してますわ!!」
お嬢は大声で、壺に向かってマーク様への愛を叫んでいた。
「マーク様、愛してますわ!! マーク様、愛してますわ!! マーク様、愛してますわ!!」
この作戦の本来の意味は、お嬢のストレス発散である。大声で叫べばストレスが発散されて悩み事が解消されると思ったからである。
この作戦で、マークさんに愛が届くとは思っていなかった。しかし、奇跡が起きた。
スカーレットが愛を叫んでいたころ、マークはアンドリューの部屋近くにいた。
アンドリューとボードゲームで遊ぶために部屋を訪ねに来ていたのであった。
(よし、部屋の前についたな。後はノックして遊びに誘うだけだ。)
マークはノックしようとした。すると、部屋からスカーレットの声が聞こえてきた。
(ん・・・なんだこの声は?)
マークは耳をドアに近づけた。
「マーク様、愛してますわ!! マーク様、愛してますわ!! マーク様、愛してますわ!!」
(この声は、スカーレットさんの声。私を愛しているだって・・・こんなに聞こえると照れるな)
(そういえば、スカーレットさんとは、あの件以来、会っていなかったな)
マークは心の中でつぶやきながら、ドアを開けた。
「すみません。マークです。大声が聞こえてきて、お邪魔ではなかったですか」
「ま、マーク様どうしてこの部屋へ」
「実は、アンドリューさんにボードゲームの遊びを誘いに来ました。そしたら、スカーレットさんの叫び声が聞こえてきまして・・・」
「まさか、今の声聞いていたのですか!!」
「はい、全部聞こえていました。」
スカーレットは顔を赤らめた。
「そ、、、そんな全部きいていたなんて、、、マーク様も、、、お人が悪い」
「ごめんごめんでも、声を聴いていたら、最近会っていなかったなと思ってきたんです。よかったら、一緒に私の部屋でボードゲームをして遊びませんか。」
「ええ、遊びますわ。なんでもいたします。」
「ありがとう、ただあなたの思いもちゃんと受け取りましたよ。」
すると、マークはスカーレットの両手を握った。
「ハウっ、、、、、」
お嬢は顔をさらに真っ赤にして、倒れかけた。
僕は、まさかこの作戦が見事に成功するとは思っていなかった。しかし、結果的に予想以上の成果を出したのであった。
僕は、自分で立案しときながらとても驚いていた。
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