俺の最大のライバルの幼馴染
超短いです。
俺の名前は広瀬学。29歳のサラリーマンだ。
俺には小さい頃からの幼馴染がいる。
沙羅。同い年で、幼稚園から一緒だったのだが、何かにつけて俺に張り合ってくる。
「ここのすなばは、いまさらがおしろをつくってるの!まなぶくんはあとにして!」
「ぼくだっておしろつくってるんだ!さらちゃんがあとにして!」
「まなぶくん、おまんじゅう2こたべた!さら、1こしかたべてない!」
「た、たべてないよ!さらちゃんが2こたべたんじゃないの?」
小学校になると、
「学はこんな問題もわかんないの~?え~?頭悪~い!」
「たまたまだったんだ!他の問題なら答えられた!」
「どうかな~?そうは思えないんだけどな~?」
「沙羅だって体育の時、逆上がり出来なかったじゃん!まぁ?俺は?練習無しで1回で出来たけど?」
「ど、どうせ前から練習してたんでしょ!いい気になるな!」
「あれあれ~?余裕ない感じですか~?怖い怖い。」
中学校では、
「この間のテニスの試合、2回戦負けだったの?弱~い、恥ずかし~い!私は決勝まで行ったけどね!」
「俺の2回戦の相手が優勝したヤツだったんだよ!アイツじゃなかったら勝ってた!」
「え~?負け惜しみですか~?やだなぁ、みっともないなぁ。」
「くっ…。で、でもこの間のテストでは俺の勝ちだったな!しかも圧勝!」
「しょ、しょうがないでしょ!テスト前に風邪ひいちゃったんだから!それが無ければ絶対私が勝ってた!」
「え~?本当かなぁ?本当に風邪ひいてたのかな~?実力だったんじゃないの~?」
高校では、
「昨日のバレンタイン、チョコ幾つもらえたの?まさか私とおばさんの義理チョコだけだなんて言わないよねぇ~?」
「くっ…。さ、沙羅だって本命チョコ渡すような奴居ないだろ!俺の事バカに出来ねぇだろ!」
「私の場合は?誰かさんと違って?男子に告白されたりしてるし?一緒にしないでくれる?」
「この…!そ、そうだ!!大学!大学は沙羅よりいい大学行ってやる!」
「へぇ…。どこ受けるの?」
「A大。沙羅には無理だろ?!」
「言ったわね?受けてやろうじゃない!」
「無理無理!受験代が勿体ないからやめとけよ!」
「見てなさいよ!絶対受かってやる!」
大学では
「あれあれ~?また学は学食の一番安い掛け蕎麦食べてるの~?貧乏臭~い!」
「うるせぇな!バイトの給料日前でカツカツなんだよ!」
「そんな哀れな学に天ぷらをあげましょう。感謝して毎日私を拝んでくれてもいいのよ?」
「くっ。余裕が出来たら仕返ししてやるからな!覚えてろよ!」
「はいはい、言ってなさい。ところで就職活動はどうなの?」
「ふっ。俺はA商事に内定貰ったぜ!どうだ!俺の将来は明るいぜ!」
「あら、私もそこ内定貰ったのよ?奇遇ね?」
「えっ?また一緒かよ?」
「そうみたいね?まぁ、就職したら私の方が仕事出来るでしょうけどね。」
「くっ。絶対負けねぇからな!」
職場では、
「あれあれ~?また課長に怒られてたの~?ダサ~い。だいじょぶでちゅか?泣いてまちぇんかぁ?」
「くっ…。今回のミスは確かに俺の不注意だった。けど、同じミスはもう絶対にしないからな!見てろよ!」
「はいは~い。反省だけならサルでも出来ますよ~?せいぜい頑張りなさいな。」
「沙羅だってこの間寝坊して課長に絞られてたじゃねぇか!社会人として遅刻はいかんよ、遅刻は。」
「ぐっ。わ、私は朝弱いのよ!そんな偉そうに言うなら毎朝モーニングコールしてよ!」
「えっ?いやそれは…。」
「何?大口たたいて朝起きる自信がないの?あれあれ~?ちょっと見得張った感じですかぁ~?」
「こ、この…!わかったよ!やってやるよ!」
「じゃあよろしくね!」
そして現在
「ぱぱ、おかえりぃ~!」
とてとて走って来たこの子は亜美。俺の可愛い娘だ。
「ただいま!あーちゃん、いい子にしてた?」
「あーちゃん、いいこにしてたよ!ぱぱ、だっこ!」
「はいよ、おいであーちゃん。」
亜美を抱えてリビングへと向かう。
「おかえりなさい、学。ご飯できてるから着替えてきて。」
「あぁ、わかった。」
着替えて食卓に着く。
「あーちゃん、きょうごはんのおてつだいしたの!さらだつくったの!えらいでしょ?」
「そうなの?!あーちゃんはいいお嫁さんになれるね!」
「およめさん?あーちゃんはぱぱのおよめさんになるの!いいよね、ぱぱ?」
「もちろん!パパはあーちゃんと結婚するよ!」
「やったぁ!まま、ぱぱがけっこんしてくれるって!」
「あれあれ~?ママは?あーちゃん、ママとは結婚してくれないの?」
「えっ?まま?ままともけっこんするよ!ほんとだよ!」
「くっ。いいところで水を差しやがって!」
「ねぇあーちゃん、パパよりママの方が好きだよね~?」
「違うよね?パパの方が好きだよね?」
「えっ?ぱぱもままもすきだよ!だいすき!」
くそっ!絶対に負けないからな!!
読んで頂きありがとうございました!