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第一話 転生?

『うっ、頭がいたい』

 気づいたら俺は固い地面で横たわっていた。

 割れるような頭痛に必死に両手で頭を押さえながら、地面を転がりまわる。

 そうして、今まで瞑っていた眼を恐る恐る開けたのだが、ぼんやりと薄暗いものが滲んで見えるだけで、何も見えなかった。


「貴様が間抜けに死んだクソガキだな。あの死にざまは実に滑稽だったぞ。」


 激しく打ち付けられるような頭痛のなか、何やら俺のことを罵倒している奴がいることに気づいた。

 秒針のような調律の取れた足音とともに、奴の影は次第に大きく映った。

 奴は俺の近くに近づくと、パンと大きな音を鳴らした。

 すると、奴の姿がはっきり見えるようになると同時に、さっきが嘘のように身体が軽くなった。


「お前は誰だ?俺を誘拐したのはお前か?」


 俺は、目の前にいる角の生えた男を睨みつけながら、震える足で無理やり立ち上ろうとした。

 目の前にそびえ立つ大男は、奇怪な声で笑い始めた。


「俺様は悪魔だ。俺様は、お前のようなクソ人間を弄ぶのが趣味なんだよ。そういうことで、バカな死を遂げたおバカさんにチャンスをあげに来ました。」

「悪魔とは、おとぎ話で人間の欲望と引きかえに大切なものを奪いにくる、悪い奴だよな。俺は、断じてそんな奴に興味はないな。」

「まあ、話でも聞いてみろよ。」


 そういうと、悪魔が説明を始めた。

 俺は、寒いところで自家発電を行うことで心臓発作を起こし死んだこと。その後、友達のいない俺は一か月間放置されること。一か月後に家賃が払いに来ない俺のところに来た大家が、不審に感じて警察に通報すること。その後、警察に自室やパソコンの中をくまなく捜査されることなどだ。


「つまりお前は死んでいて、この後死に恥を(さら)すわけだ。そして、親や兄弟からは、エロゲで自家発電しすぎて死んだ愚か者だと馬鹿にされる。だが安心しろ、友達には馬鹿にされないから。そもそも友達いないんだったっけ?」

「それ以上いじめないでください、何でもしますから」

「何でもするんですね?じゃあ、俺様が作ったんだが、お前が死ぬ前にやっていたゲームと同じ世界があるんだ。どうだ、そこで生活をしてみたくないか?勿論、取引としてお前が起こした大惨事はきれいに片付けてやるし、魔王を倒したからには生き返らせてもいい。」


 俺は、必死に死ぬ前にやっていたゲームについて思い出した。

 女が死んだ世界で、主人公がハーレムを作って魔王を倒しに行くんだったっけ。

 でも、この条件俺にとっておいしすぎないか?

 しかし、このまま恥をさらして死んでいくなんて、とてもじゃないが、嫌だ。


「実に魅力的な提案だな。もし、チートスキルを手に入れればの話だが。」

「それはそうだ。転生体にはゲームの『主人公』と同じように、親密な仲間が多ければ多いほど、強くなるというゲーム通りの能力とともに、この世界の兵士の平均くらいの力を授けよう。他にもなにかあるか言ってみろ。俺様が上機嫌なうちは考えてやろう。」

「そうだな、無尽蔵のアイテムボックスに、生活に必要なものを詰めてくれないか?何が起こるかわからないからな。それと、変な場所に転移させたりするのはなしだ。それと、整った容姿だ。俺はブサイクだから全く彼女が出来なかったんだ。」

「随分と注文の多いことですね。これが料理店なら食べられてしまうでしょうね。まあ傲慢なお前さんに免じて、特別にサービスしてあげます。」

「俺はおいしくないですよ。」


何故か、目の前の悪魔は、俺を小馬鹿にしたように笑い出した。

何がおかしいんだか、悪魔の考えていることは本当にわからない。


「おい、さっきの条件を飲んでくれるならさっさと転移させてくれないか。」

「せっかちな方ですね。私は、あなたの大学の成績から、能力を推定して適切な速度で会話しているだけなのですが。」

「それが不快なんだよ。準備が終わったらさっさと転移させろ」

「仕方のないおバカさんですね。なら、ここにサインしてください。」


俺はそのボロ雑巾のようになった紙をひったくると、その紙に手を合わせた。

古びた紙から、魔法陣のようなものがキラキラ光りだし、体は浮遊し始めた。


「契約ありがとうございます。これから、あなたは美少女になって異世界に転移されます。どうぞ、楽しんできてください。」

「美少女だと!おい、ふざけんな、この悪魔が!」

「私は悪魔ですが、なにか?それと、契約書にもきちんとかいてありましたよね。ほらここに。」


悪魔は契約書をひっくり返すと、小さくかかれた文章を指さす。

そこには、転移時に強制的に女の子に変換されます。これに納得いただけない場合、サインをしないでください、と書かれてあった。


「ふざけんなよ、このクソ悪魔!詐欺だろ、詐欺。」

「契約したのはあなたなのですが。あなたの要望の『整った容姿』にもしてありますよ。では、頑張って生き残ってください。」

「次あったら覚えてろよ、絶対にぶっ殺してやる!」


俺はその言葉を残した後、私の意識はまた暗い深淵の中に沈んでいくのだった。


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読んでいただきありがとうございます。

忙しいので、毎日投稿は難しいかもしれませんが、最後までエタらずに書き終えたいと思うので、読んでいただければ幸いです。





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