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プロローグ ~主人公、逝く~


プロローグ

 ここはどこだ?

 周りを見回してみると、俺が住んでいた日本はどこえやら、中世ヨーロッパの街並みが広がっている。

 すその長いズボンを引きずりながら、砂まみれの道を滑るようにあるいて、店のガラスをのぞき込む。

 そこには、俺の知らない美少女がうっすらと三重に映り込んでいた。

 思わず空をのぞき込むと、そこには無数に輝く星の中で、ひときわ大きく、そして不気味に光る3つの月が悠々と浮かんでいる。

 そこで、俺は一番考えたくない結論に行きついてしまっているという事実に、嫌でも目を背けることはできなくなってしまった。

 俺、エロゲの世界にTS転生してるんじゃねーか!


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 ここで、自己紹介でもしておこうと思う。

 俺は、鈴木有秀、大学一年生である。

 大学生といっても、高校時代に受験勉強をしてこなかったので、皆からはFランと揶揄される、あまり世間体の良くない大学に通っている。

 親からは、名前にちなんでどんな時でも優秀でありなさいと育てられ、それに答えるように努力してきたつもりではある。

 しかし、俺には皮肉なことに勉強の才がなかったようで、みんなと同じように勉強しても赤点ばかりをとっていた。


 そんなある日、俺の人生を一転させるような事件が起こる。

 暇つぶしにネットを漁っていたのだが、世間から美少女げーと呼ばれているジャンルの広告が目に入った。

 簡単に説明しておくと、主にかわいい女の子との恋愛シミュレーションゲームのことである。

 はじめは体験版が無料配布されているので、軽い気持ちでパソコンにインスコしてみたつもりっだったのだが、それが衝撃的なほどに面白かった。

 対象となるヒロインを攻略していくのだが、楽しいときは一緒に笑いあって、苦しい時もヒロインが膝枕で優しく慰めてくれる。

 現実世界では、口下手で彼女はおろか、友達もおらず、唯一まともに会話できる両親にだって、いつも成績のことで罵倒されていた。

 ギャルゲーはそんなクソな現実をどうでもいいものだと感じさせてくれる、俺にとってただ一つの現実だった。


 そうして憂鬱な高校生活を終え、やっと夢の一人暮らしにありついた俺は、ついにエロゲーに手を出していた。

 はじめはストーリーメインの作品を選んでやっていたのだが、最近は自分自身のありのままの欲望を満たすために、少しコアな作品もやるようになった。

 今プレイしている、「美少女ハンティング~学園で美少女を見つけ、種付け、洗脳しつくせ~」もその一つである。


 ゲームの主人公は、女を見つけるとともに種付け、隷属をすると、それによって人間を超えた力を発揮できるようになるというものだ。

 実にくだらない設定だと思うかもしれない。

 ただ、初心者の私にははじめは無理やりだったのが、事後になると完全にヒロインは主人公に落ちるというくだりで、ご飯数杯は余裕でいける内容だった。


 ということで、今日もおれは、モニター越しに自家発電に勤しんでいる最中である。

 画面に映るあられのない姿をした美少女の姿に、俺は興奮のあまり、左手はピストンを繰り返す。

 じわじわと全身を伝う強烈な快感は、ゆっくりと一点に収束し、決壊したダムのように勢いよく放出される。


 その後も気持ちいいことは続いていたのだが、調子にのって10度目に挑んだときにそれは起こった。

 全身に広がる快感とともに、左胸を大きく締め付けられるような痛み。

 その痛みに、とっさに棒を掴んでいた左手でバランスを崩すまいと掴もうとするのだがそれも空しく、椅子から転げ落ちるとともに頭は勢いよく地面にたたきつけられる。

 そして、そのまま死にかけの虫のように手足で何かを必死につかむようにもがきながら、俺は闇の中に沈んでいくのだった。



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以前から小説家になろうに興味はあったので、今回初めて書かせていただきました。

面白いと感じてくださったら、高評価、コメントよろしくお願いいたします。

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